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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:真柏


【中国西安よりの研修生  とにかく一生懸命!!】

12月からエスキューブ出資中国法人「楊凌雨竹亭有限園芸公司」から
出向研修のビザで短期研修に来た郝君と趙君ともに21歳!
西安の培養場で8名の中から選ばれた優秀な2人は、
日本に来ての1ヶ月も「アッパレ!」と言えるほどの頑張りぶり。

貧しい農村から高卒で園芸専門学校を出ても30歳くらいで得られる給料は3~4万!
「日本の最高の盆栽管理と制作技術を身につけて故郷の人達と盆栽事業で豊かにする!」
私が43年前にこの世界に入った頃の想いが蘇ります。
元旦から頑張る彼らに、はじめて盆栽を触れさせました(1ヶ月は雑用のみ!)

この苗木のような真柏が彼らと同じく将来の名木になるように、見守りたいです!
ガンバレ!若者!



【展覧会未公開の真柏名樹・日輪画幅・大鷹】

歳の始めに皆様にお届けする年賀のご挨拶状。

来年は酉年、双龍を想わせる真柏は私の所で14年の年月を過ごし、
ようやく盆栽らしくなってきた"将来の名樹"です。
昇りゆく龍は希望や道そのもの、円山応震の日輪の図は、
床勝手にあった画中右手描き、脇床にはやや大きめですが干支に因んで大鷹の鋳銅作品。
昇る日の出に向かって羽ばたく鷹、神格化された真柏老樹。
新年の格調と「大和の盆栽美」を構成してみました。


【1億円の盆栽「天帝の松」を中心に構成デザインスタート!】

来年開催の"盆栽のオリンピック"「第8回世界盆栽大会」における
埼玉アリーナ「日本の盆栽水石至宝展」はおそらく近年における最高レベルの盆栽水石展となります!
この展覧会で"特別ブース"が4席用意され、一席21,5m×5mと言う、巨大展示ブースとなります。
名木での展示で、15~20点は飾れるスペースです。
4席の内2席は日本水石協会、京都国際文化振興財団、
つまり水石の大ブース(これも水石協会の役員の皆さんと設計・展示構成をしなければなりません!)と
(財)高木盆栽美術館を継承された田中慶治先生の大コレクションという、公的なものとなります。
残り2席が日本を代表する愛好家として実行委員会の指名で決定しました。
そのおひとりが福島県の舩山秋英先生です。
「森前君にすべて任せる」の一言。
私が生きている間には次の日本開催は無いと予想できる今回、
"訪れる世界の方々にメイドインジャパンの盆栽をどの様にご披露しよう?"
とここから思案の知恵熱の毎日が始まります。
舩山先生の出品予定の1部をご覧下さい。
また、この進行具合はお届けしたいと思います。

【木村正彦先生指導のもと、蔓青園・森前・椎野宝樹園 実演!】

日本盆栽協会 福田理事長・木村正彦先生 を筆頭に、
中国江蘇省で開催された「日中盆栽家文化交流会」に招待され、式典と実技講演をしました。
石付真柏の制作でしたが、
何とか木村先生に合格点を頂く出来映えとなってホッとしました。
蔓青園加藤さん・宝樹園椎野さん・アシスタントとして木村先生の修行を終えて間もなく
羽生の隣の加須市にアトリエを構える九州出身の森山君を加えた"連合チームジャパン"で挑みました!

郵送で先着させておいた揖斐川石が割れてしまっていたので、
現地協会の張主席の石を使わせて頂きました。
材料の真柏は昨年私共の西安楊凌に運んでおいたものを1200キロかけて現地に運んだものですが、
石をお借りした関係で西安に持ち帰るわけもいかず、総勢9名が宿泊・食事・送迎の接待を頂いたので、
結局贈呈することになってしまいました。
文化の友好は出費がかさむものですね~(泣笑)


【古希を過ぎても衰えぬ"作り手としての情熱と感性"を尊敬!】

日本を代表する盆栽作家 木村正彦先生との長年の夢だった中国盆栽旅行に出かけました。

今もお忙しく活動される先生の僅かな刻を頂いて、
私がこの6~7年の間に見た"今の中国盆栽界"のほんの一部だけでもお見せしたいと半年前からお願いした旅を叶いました。
十代で小僧に入った頃からお付き合いを頂いた木村先生ですが、
こうして日本の現場を離れてのご一緒する機会は初めてでした。
旅の合間に先生が見せた"盆栽作家の真の心"は私に多くのことを再認識させてくれました。
特に上海から西に1200キロ以上内陸に位置する陝西省西安に広がる「西安唐苑」が現在所蔵し、
未来の大型真柏名樹への作出を手掛けている一群は、木村正彦先生をしてもその圧倒的な存在感に驚嘆されていました。

「来て良かったよ」この言葉を頂いた時は、長旅の中でも私に気遣いさせまいと気丈に振舞われる先生が、
今でも創作の意欲と飽くなき探究心に溢れていることを教えて頂きました。
「日本の若いプロの人達も"まだ見ぬ見知らぬ世界"を肌で感じる為に、みんなで見に来られるといいね」
と世界の盆栽界の真の胎動を体現されていました。

始皇帝墓に近い秘匿の山々に1000年の時を超えて眠り続けた"神宿る"程の古樹達。
山から降ろされて5年、ここから更に3~5年の後には真柏と言う盆栽樹種の概念すら変えてしまう程の存在。
日本の盆栽界が今後どの方向へ向かえば良いのかを教えてくれている様な気がしました。

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