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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

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【10万人規模の「農高会」展示準備!】

5日から開催される中国農業特区指定の陝西省楊凌地区での「農高会」。
バイオ・園芸・造園から 酪農までに至る すべての農業関係の年に一度の祭典は、
この楊凌に10万人の人が集まってくる大イベントです。
中国三大農業大学を有する楊凌ですが、大学関係以外だと
「楊凌は年に5日間の農高会の為にある」と言われるほどの盛り上がりです。
この地に盆栽展示培養場を"荒波超えて"作ってから、もう7回目の農高会。
スタッフも現場で6人、西安ギャラリーには3人。
「よくここまで来たものだ」と思います。
農高会前に、展示場への盆栽飾り付けを行いました。
エスキューブ本社スタッフの指示で殆どが、現場リーダー達が飾りましたが、殆ど手直し無し!
良く覚えてくれました。
男子4人のうち、この冬から2人が1年ビザがやっとおりて、
羽生に研修含めて来ます。

日本の若者にも仕事に対して、自分の夢に対しての姿勢を見習って欲しいほどの、2人です。
商売もですが、これからこの子たちの様な若者に、
盆栽の世界で自分の人生を歩んでもらう事を少しでも伝えるのが、
私の大切な役目のような気がします。


【盆景大師 最高峰 王 永康 先生 来亭!】

日本と中国の現在に至る活発な交流の橋をかけてくれた、
中国盆景界 頂点の人格者 王 永康先生が、私の訪中に合わせて 西安に訪れてくれました。
安徽省での大典審査委員の予定の合間を作っての貴重な時間でした。
西安ギャラリーでの盆栽の管理方法・展示方法、
そして何よりも、愛好家の方々への盆景家として、業者としての 忘れてはいけない「真心」を教えて下さいました。
日本の大手盆栽園で王先生を知らない人は居ません。
今、盛んに日本に訪れる多くの中国盆景業界の皆さんは、その殆どが王先生と縁のある方々で、
王先生の地道な努力が無ければ、今日の両国の文化交流はここまで発展しなかったと言える程です。
楊凌の私共の培養場にも訪問して、樹々のこれからの作出に対する指導を
若き中国盆景家の卵達にも、最高位の盆景家などと言うものは一切見せず、
同じ目線で我が子を見守る様に教えて下さいました。

文革の苦労を乗り越えて、ひたすら愛する盆栽に人生を歩まれる王先生は、
私達日本の盆栽家にも、「最後に残るものは何か?」を教えてくれます。
王先生は「次代を担う若者に盆栽の素晴らしさを受け継いでもらう」事だと言います。
私も 日本はもちろんのこと、海外や小学校の文化普及活動の中で、
この王先生の想いを大切に見習おうと思います。


【真柏「風神・雷神」の 展示構想!】

11月18日〜21日の「日本盆栽大観展」で公開される 
一般財団法人『京都国際文化振興財団・慶雲庵』の 特別陳列に 
片岡鶴太郎氏の書「風神・雷神」と 真柏名木のコラボ飾りが行われます。
大観展実行委員長であり、財団の主管盆栽作家の鈴木伸二氏の庭に訪れて、
作品を前に"極秘の打合せ"をしました。
相変わらずの名木群の鈴木邸。
二点の真柏をどんなデザインの展示にするか、
私の拙い練想で設営業者と打合せを始めなければなりません。
知恵熱出そうですが、京都の秋を彩る展覧を是非楽しみにしていて下さい。


【盆栽庭園40周年!】

アメリカの建国200年を記念して日本盆栽協会から53点の盆栽が海を渡って40年。
今回の記念に3点の盆栽を寄贈したことにより、式典に呼ばれました。
高橋貞助・上田秀一・小口賢一・小渕恵三 各先生、
名だたる方々の寄贈された盆栽は、植物園の皆さんの努力で、とても元気です。
3年前に訪れた時に贈った古谷石の葛屋が、私の名前でパビリオンに展示して頂いているのを見て
「人に何かを贈る時は、自分の名と名誉を贈りなさい」と 若い頃教えて下さった古老大家の言葉を思い出し、
これに従っておいて良かったと思いました。

大徳寺芳春院ご住職よりお預かりした色紙「樹石是禅」を 植物園にお届けして、
3点寄贈の感謝状を頂いた時、式典に招待された全米の盆栽水石関係者100人の内、
半数がアメリカの良き友人達であることを見て、初めての訪米講演から15年、
感慨深いものがありました。
盆栽協会岩崎理事長たち日本からの皆さんと、先達が遺してくれた足跡に感謝しました。

特に、アメリカ東部の盆栽文化発展に生涯を注いで下さった、
香風園吉村酉二師の肖像が、学芸員の部屋に飾ってあるのを見て、
深い尊敬と微力でも自分もいつかは「盆栽水石文化の伝道者」になりたいと
非力浅学を顧みず思いました。

50周年の時は私も68歳、出来ればその頃私の夢でもある拙著「盆栽の心・水石の心」を携えて、
この地に訪れたいと願っています。


【ダグラス・ポール邸  名盆栽群!】

ニューヨーク州北部ロチェスターでの講演を前に、
毎年羽生の庭に来て下さるダグラスさんの庭に伺いました。
私は何度も訪れていますが、アメリカ初訪問の白石君 森山君は、
そのコレクションのレベルに圧倒されていました。

現在は自邸の中にある検疫用ハウスで、日本からの盆栽を2年間隔離管理していますが、
以前は来日して根洗いの上 苦労してアメリカに運んでも、
そこから2年間自分の所へは運べない中でコレクションを増やしてこられました。
美しい自然に囲まれたダグラス邸は、まさに盆栽達の楽園です。
私が講演に出かけている間、二人は手入れに取り掛かります。
若い二人が初めてのアメリカを見て感じて・・
いつの間にかそんなことが嬉しい年になってしまいました。

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