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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:木村正彦


先日ブログでもお伝えした新潟の古老愛好家 笹川さんとの約束を守るべく、
笹川さんの挿し芽から作った真柏を2点木村正彦先生の所へ持参しました。

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先生は世の中では“世界の木村”と言われますが、30年以上のお付き合いをしている私には

「いい樹だね、ゼロから作ったなんて凄いね」

と言いながら自分の作品から比べれば苗木(ごめんなさい)に見える2点を優しい目でじっと見ていました。

「先生、愛好家の真の姿を世の中に伝えたいんです。協力してくれませんか」
と云うと

「やってみようか、森ちゃんの頼みだし」・・・

“世界の木村は盆栽と同じくゼロから盆栽と向き合ってきた人だ”
とあらためて感謝しました。


さて、笹川さんの“子供達”が

「木村マジック」

でどう変わるか、変貌した姿をまたお届けします。
 


雨竹亭は2000点を超える盆栽達でいつも“手入れ待ち”の状態です。

本店は勿論のこと、銀座店軽井沢店
そして都内で幅広くご利用頂く“ディスプレイサービス”つまりレンタル盆栽等々、
全国から仕入れられた樹々は羽生での教育(整姿手入れ)の後に
“一人前”の顔をして世間に出発します。

それでもある程度のレベルの樹になると、
手入れ班6人(内2名熟練1名中堅3名見習い)の実働では
“100本の盆栽が列をなして待つ”ことになってしまいます。

私の友人である著名な盆栽作家達も応援はしてくれますが、日常的にとはいきません。

ここで感謝に堪えないのが日本を代表する盆栽作家 木村正彦先生の応援です。

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写真の盆栽達は先週木村先生のところから
「教育」を終えて我が家へ帰ってきた子たちです。

世界に名を成す先生が私共の協力をして下さることはとても不思議に思われるでしょうね。
先生は何もおっしゃいませんけど、私が思うに幾つかの先生らしい
“思いやり”があるからと思います。

ひとつは私が先生と40年近いお付き合いがある事で私の師匠とも親しい間柄だった事です。

もうひとつは先生のところは日本を代表する名木が殆どで
お弟子さん達が“練習”するのに私のところの
“子供達”は丁度良いのだと思います。

そして先生は巨匠と言われる今でも、私が若い頃お会いした時の印象と少しも変わらず
いつも盆栽の手入れや改作の事が大好きのようです。

「どうもお疲れ様」と手入れのお願いにお伺いする度、
汗を拭きながら優しく声を掛けて下さる姿は、盆栽人の後輩としても頭の下がる思いです。


「針金を少なく、樹に出来るだけ負担をかけない」
先生の整姿施術の真髄は又このブログの別の機会にお伝えします。

 

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