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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:手入れ


【ダグラス・ポール邸  名盆栽群!】

ニューヨーク州北部ロチェスターでの講演を前に、
毎年羽生の庭に来て下さるダグラスさんの庭に伺いました。
私は何度も訪れていますが、アメリカ初訪問の白石君 森山君は、
そのコレクションのレベルに圧倒されていました。

現在は自邸の中にある検疫用ハウスで、日本からの盆栽を2年間隔離管理していますが、
以前は来日して根洗いの上 苦労してアメリカに運んでも、
そこから2年間自分の所へは運べない中でコレクションを増やしてこられました。
美しい自然に囲まれたダグラス邸は、まさに盆栽達の楽園です。
私が講演に出かけている間、二人は手入れに取り掛かります。
若い二人が初めてのアメリカを見て感じて・・
いつの間にかそんなことが嬉しい年になってしまいました。


【海を渡った"命達"と向き合う刻】

私とスタッフの白石君、そして木村正彦先生の愛弟子 森山義彦君、
北京・南京 などの日本から多くの名盆栽を求められた愛好家の方々の所へ、樹の手入れ管理指導で訪れました。

ひとつひとつ、日本の盆栽界が刻と労苦を惜しまず作出した樹々。
遠く離れたこの地でも元気に格調高く生きて欲しいと願いを込めながら鋏を入れました。
手入れに対する諸々技術を地元の若い管理者に少しでも伝えたい、
いつかはこの国の人達だけで守って欲しい、
自分がここで出来る事はどこまでなんだろう?と、
この盆栽達が生まれた「山青く水清き国」日本を離れて生きる彼等と共に過ごす僅かな時間の中で想いました。
"もっともっとお互いの国のプロアマが、交流を深めないといけない、
特にプロは 売り渡す事で仕事が終わるのではなく、始まるんだと心に刻んで欲しい"
そんな事を胸の中に感じながら鋏を進めました。


【木村正彦先生のお弟子さん達とのひととき】

盆栽の中国輸送の準備で、江蘇省常州市の王永康氏の大庭園に訪れました。

雨竹亭とは家族のような間柄でスタッフ達も仲良くさせて頂いています。
先日 江蘇省の式典出席の為、協会福田理事長と共に木村正彦先生もここへ訪れた時、
先生の一門で間もなく羽生隣の加須市で盆栽園を開園される森山義彦さんも同行されました。
その時「もう一度手入れに来よう」とみんなで決めていたので、今回の訪問となりました。
数千点の数え切れない盆栽達、少しでも日本から盆栽を運んでいる私達が、
この国へ来た日本の樹達が少しでもよくなる為に、お互いの技術を高めようと考えた旅です。
年が明ければ58歳となる私から見れば、同行した3人は前途洋々の若者達。
この記憶がこれからの盆栽人生に役立てばと願っています。


【80歳  圧巻の棚揃え   名木がずらり】

先週 、お世話になっている小田原の小泉薫先生の所へ
棚の整理とお手入れで伺いました。

今月15日に満80歳になられた先生の盆栽棚は、
黒松名樹「天寿」五葉松「大樹」など、
界を代表する名木群で埋め尽くされていました。
数年前、不慮の交通事故でご不自由になったお身体の為、
ご蔵樹の一部を斯界に放出されましたが
"どこが減ったのか?"
分からないくらいのレベルと量です。
あらためて先生の度量の大きさに感服した1日でした。


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