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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:小林國雄


【「面」で作る盆栽から「線」の美を!】

新年恒例の水石協会理事長・春花園 小林國雄理事長宅へ伺いました。
盆栽作家として頂点を歩む理事長は「日本の盆栽を"面"から"線"へ」と説かれます。
応接床の間に飾られた真柏は、まさにその言葉を具現化したものでした。

「棚」と呼ばれる枝の面を作る事をせず、幹・枝・そのすべてに命が生き続ける躍動と苦難を
見事に表現されていました。
大陸中国での活動を精力的に繰り広げる理事長だからこそ、
日本の盆栽のあるべき本質を自身の作家活動によって訴え続けているのだと思います。
水石界の再興と発展を牽引する理事長、人は私の事を「水石協会の懐刀・軍師」と呼ばれますが、
参謀は大将が輝いているからこそのものです。
私から見れば、小林國雄理事長は、木下藤吉郎そのものです。
裸足で前を向いて真っ直ぐ走って行く、でもそれは必ず太陽の射す王道。
だから 私は私の出来る私の仕事をするのです。
真柏に込められた理事長の想いを眼福とする年始参りでした。


【春花園 盆栽庭園で開催!】

来年2月に東京都美術館で開催される第5回「日本の水石展」の選考審査会が
協会理事長 小林國雄師の自邸「啓雅亭」で開催されました。
特別出品・床の間席・一般席・道具飾り など、
百数十席の大展覧も5回目となると、その出品内容もレベル高く、
審査でも理事全員から感嘆の声が出るものも多かったです。

頼 山陽・岩崎財閥・山元春挙・水府散人 等々、歴代の名石から初見参のものまで、
流石に日本水石界を代表する展覧らしく、圧倒的な量と質が勢揃いしました。

併せて、この小林理事長邸はいつ来ても、建築は勿論のこと、棚の盆栽達も名木揃い!

木村正彦先生・小林國雄・そして鈴木伸二氏。
日本を代表する盆栽家は、どの庭も溜息が出る庭です。
私の雨竹亭、お三方からすれば まさに百貨店!
でもそれが私共の良さだと思って居ます。
誰にでも楽しんで頂ける雨竹亭でありたいと思っています。


【木村正彦・小林國雄・二大作家の作品群 中国最大美術オークションに登場!!】

以前より取引を頂いている北京の溤さんの「大観堂盆景園」が開園しました。
短い時間を割いて当日の夕方伺いました。
古美術を主体とする世界的な活躍をされるオーナーは、
盆栽を既成の世界から"美術との融合"をコンセプトに新しい切り口での展開をされています。
蒐集された500点を超える盆栽は勿論のこと、室内展示場は現代美術から香木・美術的年代家具など、
幅広い"アート"と盆栽が繰り広げる空間が創出されていました。

「すべての作品や美術が、それぞれの価値観を持ち、共に鑑賞されることで新たな美的喚起を生み出す」
ロンドン・香港・ニューヨーク・北京・上海など、
国際的に数億円の美術品を手掛ける溤オーナーならではの視点が生み出した 捉え方に脱帽です。

併せて、北京で開催された世界五大美術オークション「嘉得オークション」の大舞台に別室ではなく、
各出品作品とコラボするように陳列された盆栽はオーナーの所有する木村正彦先生小林國雄先生らの名木達。
今回の出品で直ぐに成果を求めるものではなく、
盆栽の持つ本来の価値観と将来への市場性価値の変化を睨んでの挑戦は、
日本のプロである私ですらその目標の高さに頭が下がる思いでした。
日本もそろそろ盆栽の美術的市場性の開拓を真剣に考える時が来ていることを痛感しました。


【全員留任!小林國雄理事長・森前誠二事務局長 体制】

社団法人 日本水石協会の総会で、現役員体制の留任継続が承認され、
更に2年間、
協会を小林國理事長と森前誠二事務局長が来年の世界盆栽大会に向けて指揮を執る事になりました。
互いに中国においても活動をする二人ですが、
盆栽水石の文化活動に対して"無敵のコンビ"の奉仕活動は
これからもエンジン全開で進みます!
併せて、協会は「盆栽水石を世界文化遺産に!」の活動も
積極的に支援しています。
総会にも文化遺産会議の西山事務局長が参加して今後の打合せをしました。


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