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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:国風賞

 
私を信頼下さる愛好家の方から新木の頃より15年近くお預かりしている真柏達が、
ようやく完成の段階に仕上がりました。
ご本人はもうご高齢でご自宅に持ち帰り飾る事も叶わず、
この子達も私の所でこれからも誰にも見られる事なく、国風賞クラスと言われながらも静かに日々を過ごしています。
昨年増設した羽生第三培養場も相変わらずの盆栽の数ですが、
写真のような名樹もあれば、名もなき素材樹もたくさんあります。 

最近この仕事も40年を過ぎた頃からは、
そのすべての樹々達に対して"同じ想い"を強く持つようになりました。
「私はこの子達を守る、この子達と共に生きる」
そんな気持ちが何よりも大切だと、口には表せない位の自分がいる事に気付きます。 
盆栽が私に教えてくれる事はキリがありません。
60になっても70になってもきっとそうだと思います。
「いのち」って何だろう?
と自問する自分に苦笑してしまいます。 

【今季最終の大型植え替え】

黒松や宮島五葉松など、やや遅めの植え替えが好ましい盆栽の
"大植え替え"を全員で頑張りました!

太幹の名樹達は鉢抜き・根ほどき・植え付け・と力のいる作業です。
大きいからと言って、植え付けの角度など、僅かなズレがその樹の
これからの数年の鑑賞価値を決めてしまいますから、
決して"手抜き"な扱いは出来ません。
羽生本店雨竹亭「第3特別培養場」には国風賞・内閣総理大臣賞・貴重盆栽など、
一兵卒の素材樹を含めて、約2000点の"子供達"が健やかな日々を過ごしています。


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