雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 大徳寺・芳春院盆栽日記

【芳春院盆栽庭園・秋の入替、庭園観音開堂‼️】

彼岸も過ぎて、大徳寺の庭園も秋の入替となりました❗️

IMG_1300
姫林檎の貴賓種“紅姫“や、国風展出品の赤松大樹に同じく杜松の名樹、
盆栽観賞の佳き季節を迎える中、日除けの為にひとつずつ掛けていた、“夏帽子“の寒冷紗も取り外して、スッキリとした“庭構え“になりました。

IMG_1299
通玄庵の床の間には、“十三夜“に因んでの糸すすき。
扁額に篆刻されているのは、この庭園に隣接する「如意庵」大徳寺の名僧、立花大亀老師による“閑雲“。
脇には野仏とも取れる丸い瀬田川石。
席全体を糸すすきに合わせて、真行草の“草“の設え!

そして、数日前に、芳春院和尚様と副住職の宗俊師によって、開園よりの念願であった、
“盆栽庭園の守り本尊“ 如意輪観音様が鎮座開眼されました❗️

IMG_1298
約300年前の、お貌の慈悲深い観音様。
ここから庭園の盆栽達を守って頂く仏様です❗️

東の比叡山を仰ぐ形で座すお姿、生きとし生けるものの苦悩や煩悩を掬い取って下さる仏様に
盆栽はもとより、私達“煩悩のかたまり💦“も、救って頂ければと😅願っています❗️

【天然井戸水の良さ💦水枯れの辛さ💦】

関東と同じく、猛暑が続く京都。
芳春院盆栽庭園も、朝夕の盆栽への水掛けが大切になっています。
この庭園は昔から大徳寺にある天然の井戸水を使っています。

IMG_0911
真夏でも冷たい有り難い水ですが、夕立も少ない8月になって、昨年以上に水かけの途中での井戸の“水枯れ“が連日起きています💧
朝は盆栽だけの水ですが、夕方は庭園を構成する築山(杉苔)への水が欠かせません。
半分ほどかけると、突然蛇口の水が、スッと眠るように止まります😭

IMG_0910
30分ほど待つと何とか残りの部分をかけることが出来ますが、
早く雨が降ってくれないかと、京都の空のどこかに居る?陰陽師“安倍晴明“に、雨乞いをしたい気持ちです❗️

昔の人達は、ホントに大変だったでしょうね!

【徳を高めた末の“変わらぬ平易な姿“❗️頭が下がる芳春院和尚様‼️】

大徳寺・芳春院盆栽庭園、第二次庭園拡張工事が始まる中、初期着工から4年!
在りし日のバックヤードは、日々その姿を変えて行きます。

先日、大徳寺にお伺いした際、8時に庭園に行くと、誰か庭の草取りをしていました?
誰だろう?と思えば、なんと和尚様でした❗️

IMG_0440
修行道場で、二十代から四十近くまで、近年の最長の修行をされた名僧。
一昨年まで、臨済宗大徳寺派の宗務総長を務められた高僧。
76歳となられる中、“和尚様、私達がやりますから💦“とお伝えしても、
“気にしないで、暑くなったら止めるから“と、汗をかかれながら、黙々と草取りをなさる姿💧

三十年近いお付き合いを頂き、公私共に尊敬する人格者。
どんな時も、どのような方にも、同じ態度での応対。
感情的に怒ったりした事を見た事がありません。
それでいて、質実剛健!質素倹約!
和尚様に見栄や驕りなど、縁の無いものに思います。
いつもお優しい方、今までもどれ程の事を、語らずとも教えていただいた事でしょう。
今朝のお姿も頭が下がりました。

第二次庭園拡張工事が始まりました。

IMG_0443
長くお世話になった小屋も、あっという間に更地になり、“ここはこんなに広かったんだ!“と、びっくりする大きさです。
和尚様より11歳も年下の私💦 

IMG_0444
年だなんて言えません💧
出来る事を頑張ろうと思います。

【芳春院盆栽庭園・第二次工事開始❗️夢の舞台へ‼️】

コロナ禍直前の開園からまる3年、芳春院和尚様の英断で、庭園の拡張を目的とした第二次工事が始まりました❗️

IMG_0245
宣伝もせずに、一年二年、まずはこの京都大文字山の麓の気候と盆栽の生育状態を理解する時間と心に決めて、
拝観者が殆どいないコロナ禍の時も、“百年の計“を思えばたった二年💦と覚悟を決めて、
盆栽、そして訪れて下さる海外を中心の拝観者の方々に、笑われないよう、
“日本の本物の盆栽を観て頂く事だけは崩さない“と努めてきました。

庭園の専従担当の渡邉さん(通称ナベさん)と共に守ってきた姿を、和尚様は“次の舞台“としての答えにして下さいました。
西側の建築物を撤去!
約2倍の面積になる庭園。

ここから1年、現在の盆栽庭園と連続してご覧頂く、“禅寺ならではの盆栽庭園“が広がります。

IMG_0246

欧米の方々半分、国内の方々半分、“真の日本の盆栽“を、常時見ることの出来る庭園“として、何を伝えようか? 
戦国時代の歴史がタイムスリップしたその大徳寺、ひとりの盆栽人が考える“時間“など、他愛も無い刻かもしれません。

“ああなるといいな、こうなると面白いな“ 色々な思いもあります。
しかし、そのすべては、公私共に尊敬する和尚様の考えに委ねて、唯々盆栽と共に頑張ろうと思います。
大阪万博の頃、この庭がどんな景色になっているか!
楽しみにして下さい‼️

それでも、庭園は今まで通り、
季節の盆栽・歴史ある名樹が、訪れる皆様を迎えて、日々開園しています。

IMG_0247
京都にいらした時、五摂家筆頭“近衛家“をはじめ、千利休・織田信長・石田三成・前田利家・細川家・畠山家・大内家、
数えきれないその他戦国大名の足跡濃いこの大徳寺と盆栽庭園にいらして下さい‼️

【五月雨の庭園・禅林の静謐・至福の雨】

YouTubeで続ける『WABI CHANNEL』も一年、英訳付のこの動画は、海外の方々も多くご覧頂いているようです。
その影響?もあるのか、数多く訪れてくださる海の向こうからの来園者が、
ご自分でアップしてくださる盆栽庭園の姿が、また新しい来園者を呼び込んで下さる。

IMG_0066
ありがたい事に、この春からの拝観者数は右肩上がりです。
開園時間中は途切れる事なく、庭園を鑑賞される方々で賑わっていますが、
ひとたび、雨の日となると、大徳寺という“拝観禁止“の塔頭が殆どの禅林。

IMG_0065
散策だけが観光となるので、訪れる方も少なくなります。
“今日は静かだな“と思う反面、その時が至福の時なのも事実です。
雨の雫が、蹲や水瓶に水滴の輪を作ります。

IMG_0064
元々が電線一本も見えない巨刹、庭園は霧煙るような空気に包まれて、その中に佇む盆栽達の“声“が聞こえてきそうな程です。
庭を眺めることが出来る展示棟の腰掛けから、静かに庭と盆栽を眺めれば、聴こえるのは雨音と時折の修行道場からの鐘の音だけ。
まるで座禅をしているような、自問自答する刻が流れてゆきます。
多くの皆さんに楽しんで頂きたい盆栽庭園。
でも時にはこんな雨と盆栽だけの時間も嬉しいものです。

↑このページのトップヘ