雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: レンタル盆栽


今年も銀座店を中心に、“レンタル盆栽“  が始まります。

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20年以上前、銀座店に“新しい店を作るので、店内に盆栽を飾りたいから何本か売ってほしい“と訪れて下さった方がいました。
「和食の鉄人」道場六三郎さんです❗️

その時、管理や季節の入れ替えなど、5本の盆栽を毎日飾らなければならないなら、50~60本の樹が必要になるし、
毎年花や実が成るとは限らないなど、部屋に飾り続ける事の難しさを伝えました。
腕組みして悩まれている“六さん“を見て、毎月何回か入れ替える、昔で言う、“レンタル形式“を提案しました。

あれから20有余年、今では企業のエントランスから、“億ション“ の入り口、“ミシュラン三つ星“ 等々、
多くの方々に愛される、“銀座雨竹庵のレンタル盆栽“になりました。

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普通、貸し鉢と言われる盆栽は、大阪松(銀八)などの園芸的な樹を貸す事が多かった世界。
出来れば社会の違う世界に、“ホンモノの盆栽“を見てほしいと言う願い、
そして、大切に作って仕上がれば、“お嫁に行く“事が生業の私達ですが、
売らずにまた戻ってくるサービス業が成り立てば、若いスタッフ達に、長い間の樹の成長と完成を見せられる、
このシステムを望んでのレンタルサービス業でした。

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この四半世紀で、盆栽を取り巻く環境は大きく変わりました❗️
若い方々、海外とのワールドワイドな盆栽界の広がり❗️
何よりも社会全体が盆栽に対して、“日本の文化“として見て下さる事‼️
毎日大変ですが、ありがたい事です。

飾られる為に、化粧して送り出す樹達、“いってらっしゃい❗️“  そして役目を終えて、
しばらく培養場での成育の日々となる“お帰りなさい“と心に思う樹々。

古典名木を数多く扱い販売する事が、盆栽業としてのステータスと思っていたあの頃。
今は、会社や若い者達の為にも、名品を売らずに、盆栽と言うサービス業の可能性に未来の夢を描いています。


非常事態宣言が解除されたばかりの東京。
勿論キチンと“三密“を避けての日常生活が必須ですが、そんな毎日にも「春」はチャンと来ます。
オフィスも店舗も休業が続いた去年の春。
そんな中でも私達「銀座雨竹庵」の盆栽が、
店先・エントランス・窓口・などに飾られる事を喜んで下さるクライアントの皆様!
本当にありがたいものです。
さあ!日本の花木の象徴「桜」の晴れ舞台の季節に入って来ました!


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各所のレンタル盆栽のお得意様達に、一番喜んで頂く花物盆栽です!
一年365日の内、室内に飾ると、その花姿はわずかに1週間。
その為に羽生雨竹亭のスタッフは、残りの350日以上を、“花のない桜“達と過ごして過ごしています。ホントにご苦労様!


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でも、いろんな場面に飾られる桜の盆栽達は、何処でも人気者です。
その花姿を見て、人が一瞬でも優しい心に包まれてくれるなら、一年の苦労は報われます。


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役目を終えて“我が家“へ樹達が帰ってきたら、消毒・植替え・手入れ・等々、また長い1年が始まります。
考えてみれば、クリスマスのモミの木・お正月の松竹梅・みんな1年を1度の時の為に生きています。
私達も、今日、今、この時、が「一期一会」の一瞬と思って日々を過ごしたいものですね。
ありがとう、桜たち。



“盆栽を社会の窓に“このコンセプトで始めたレンタル事業も、もう20年を過ぎました。
“貸し盆栽だからこれでいい“
こんな考え方が当時は蔓延っていました。
“本物の盆栽、本物の考え方を見て欲しい“、その一心で、作品の内容や季節感を大切に続けてきました。

いつの間にか、年間で3000万円を超えるご注文を、銀座を中心に、
オフィス・レストラン・集合住宅のエントランスホール・等々に、日々スタッフが心を込めて飾っています。
週に2回のメンテナンス、月に2〜3回の展示品の交換、樹の手入れ、苔張り、消毒、正直年で1000万になるまでは、経費損を繰り返していました。
“売らずにお見せするサービス“。
これは若い盆栽家が、精魂込めてやっと完成した盆栽を生活の為に手放さなければならない事を防ぐ役目にもなりました。
生活さえ出来れば、盆栽を愛する者たちは、自分で手がけた樹を売りたくはないのです。

今年の新春も、日頃からレンタルの年間契約でお世話になっている各所へ、特別な新春飾りをお届けしました。 


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古くより宮中などで設られていた「季寄せ飾り」松や梅、南天に笹、寿ぎと長寿の徴をひと鉢に込めたものです。

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20年前、先頭に立って作り上げていたものですが、今は熟練となったスタッフが一生懸命にお届け先に合わせた作品を用意しています。

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一本ずつでは見てもらえない樹達、それを一年大切に培養して、ハレの舞台に寄せ植える。
飾られた所で、来る人達に“おめでとうございます“と彼らは声かけています。
苦しい年が過ぎて、今年も“春“が来たことを。



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