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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽管理


年の瀬の中、売約済みの五葉松の未完の大型素材十数本を、プラポットを抜いて、運びやすいように、“根巻き“の作業をしました。

四国から畑揚げの樹をまとめて買い取ってもう5年。
根の育成の為に、深めのポットに下3分の1を発泡スチロールで冷えないようにして、しっかりとした根作りとなりました。

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フォークリフトで吊り上げても、根崩れしない程になった樹は、この根巻きにしても、培養上何も問題はありません。
四国からまとめて来た時は、“何年かかるものか?“と、不安もありましたが、
こうしてしっかりとした根になって、遠方でも出荷出来るようになると嬉しいものです。

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ただ、スタッフに、
"会長!減ったからと、いつの間にか四国に行って、また大量に買い付けて来ないで下さいね❗️適量を考えて下さい‼️"
と、お小言を頂きました💦

私の性格でしょうか!
やっぱり太くて大きいものは、いいもんですね‼️


10年の歳月をかけて、唯一残された“東北真柏の神“は、名匠木村正彦先生の手によって、糸魚川真柏へ生まれ変わろうとしています。

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上部の東北真柏部分は、樹の水上げの為に残して、下部の糸魚川真柏の枝接ぎ部分は、
もう2回の針金施術による“枝伸ばしを進めています。 
今年の春も巨大な“鉢“(ステンレス製)の内側に乗って、手入れをしている事で、
表土を踏み固めて硬くしてしまっています。
今日はその表土を柔らかくする為の、“耕し“をしました❗️

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こうする事で、表土からの水の浸透、肥料などの養分の安定した効果を生む事になります。

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目に見える姿の作出・そしてこのような目に見えない部分への心配りが、
未来の盆栽界のシンボルを作る事になります❗️
あと!3年❗️夢の巨大真柏の誕生へ‼️


最大瞬間風速50m❗️という台風の接近、私達盆栽業、特に羽生のように庭園と培養場合わせて5,000坪の盆栽園は、
暴風雨が近づく前に、強風に対する防御準備に1日かかります💦

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特に“葉物“と呼ばれるモミジや楓、葉先を“揉まれる“と、台風一過、陽射しを受けて、茶色になってしまいます💧
風を避けて“込める所へ込む“作業に追われます。
勿論臨時休園。

無事に被害を免れて、さて元に戻す時の苦労😥 腰が痛くなります🥵

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それでも鉢に入っている子達。
私達が守らなければ❗️

こうして台風の試練を何度か経て、澄んだ空の秋を迎えます。
早く秋よ来い‼️(秋台風も恐いです😅)


この数年、気候温暖化のせいか?
高温記録で有名な埼玉県熊谷市に近い、この羽生雨竹亭も、梅雨明けと同時に、
日中は36~39度の日が続いています。

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外での作業をするスタッフ達の体調が心配なくらいの暑さ😥
天候の動きをみて、梅雨明け前に松柏類の培養棚へのフララ遮光を設置出来て良かった!と思っています。

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異常高温と言っても、地域でその姿は大きく変わります。
例えば、京都大徳寺や、福島市ですと、同じ38度となっても、両方ともに、“山“をそばに抱えているので、朝夕の気温が下がります。
残念ながら、我らが関東平野は見渡す限り、のどかな“だだっぴろい“平野💧 
日が落ちても30度を切りません!

夕水の欠かせない日々、空を見て“夕立降って“と手を合わせる想いです🥵

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番犬の中の長老“レイ“君も、夜の番犬仕事以外は、涼しい所でグッタリ😅
今日は夕立来てくれるかな🙏

【芳春院盆栽庭園・老樹の健康を守る・“嵩下げ“の作業❗️】

大徳寺の境内にホトトギスの鳴く声が聞こえてくる季節、盆栽達も新芽を伸ばし、
根は水を吸い上げるのに、鉢の中で懸命に伸ばしています。

樹齢を重ねた大型の古樹は、植替えの間隔も数年に一度、それでも表土は肥料などの塵で“目詰まり“しやすく、
水掛けをしても、鉢中に沁みる前に、外へ流れてしまう樹もあります。
特に“今年植え替えようか?来年しようか?“と迷って、見送った樹達は、
暑気が強くなって、朝夕の水が必要になる前に、“嵩下げ“の作業が大切になります。

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世界大会のポスターにもなった一位の名樹「麒麟」もそのひとつ。
根元を覆う苔を取り、表土を一段丹念に掘り下げてやり、水をかけた時に、
鉢の上にまるでダムに水が溜まるようにしてあげると、その貯まった水が、ゆっくりと鉢中に沁み込んでいくのです❗️

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透し切込み💦古葉抜き💦
季節に合わせて、私達の仕事は追いかけられるように続きます❗️

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