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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽管理

【新たな盆栽シーンの中で!】


羽生に来て4年の小林隼人君、15年も真面目に会社勤めをされた彼が、私のところで“盆栽を仕事にしたい“と来た時、

家族を持ち、コツコツと奥さんと築いてきた世界の為に、趣味の範囲で盆栽を楽しむ事を再三進めた事を思い出します。

普段は、都内を中心の“レンタル盆栽“、つまりオフィスや店舗などに、盆栽を提供して飾る業務!

週の半分を各所の飾り付け入替、半分がその為の羽生培養場での制作作業。

30代後半からのプロの盆栽世界💦 

本当は日々羽生で盆栽と向き合う中に居させてあげたいのですが、

家族の為にも、日頃の作業の中から自分らしい盆栽との関わりを見つけてくれればと願っています。

そんな彼が、初めて「日本盆栽作風展」の若手部門に挑戦します!

羽生の庭園には、多くの盆栽があります。

でも彼に出した宿題は

「日頃手入れをしているレンタル用の盆栽、それが貴方の“身の丈“の世界、その中から自分が捉える盆栽を作って」

です。


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忙しい中、彼は創作盆栽としての真柏に新たな姿を描き出しました。

100点など、どんな作家でもありません。

大切なのは“今の自分に挑戦する心“だと思います。

私は彼のためにも、そして盆栽が大好きな彼の為に人生の岐路に背中を押してくれた家族の為に、

この機会を楽しんでほしいと思いました。


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10/9は作風展の審査会。

“1軍“のプロ作家の方々の競演の舞台、若手部門に中に彼の作品はあります。

誰かに評価される為ではなく、そこにあるのは、“今の自分“そのもの!

彼の生き方の良い刺激になってくれる事を只々祈るばかりです❗️


畑作りの真柏は、若木の頃に捻転芸を針金で施し、5~7年の間にしっかりと幹を太らせます。
丸幹の舎利のない姿から、一部の皮を剥き、舎利芸を作り上げます❗️

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6月下旬から7月、真柏は旺盛な成長期を迎えています。
この時に“皮剥き“をすると、信じられないくらい、簡単に舎利が作れます。

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スペインから研修に来ているパブロ君や小店島田、若き名匠森山義彦さんから、束の間の作業見聞をさせて貰いました❗️

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この時期に皮剥きをしておく事で、来年からの仕上げ方が決まります。
季節12ヶ月、盆栽は様々な手入れ作業を繰り返すことで、良き作品へと姿を変えていきます‼️
雑誌で見るものと、現実の作業風景は、大きく違います。
目で見て、実践して、本当の自分の経験になる!これの繰り返しが次代の作出者を作ることになります❗️


関東では桜の満開の知らせが聞こえる中、東北のお得意様の所で、春の植替え手入れに赴きました。
大型盆栽が多く、5名で3日間、出来るだけの仕事と思ってきましたが、連日の雨☔

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屋根下をお借りしての作業💦 
気温は初日が最高で4度🥶 
他が5〜6度💧

それでも手入れをすれば、樹達は見違える姿に旦那さんも喜んで下さいます。

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不思議な春で、東北は4月でも梅がまだ咲き、東洋錦は蕾!
それなのに、藤の花があと10日くらいで咲きそうです!

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季節のあり方が変化しているような気がします。
数多いコレクション。
ひとつひとつの樹の表情と健康を読み取って、“今出来る最善の事“を探る何日かでした。


1年ぶりに台湾へ森山義彦氏と出かけました。

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長年のお付き合いのある愛好家の棚の手入れ、特に昨年の巨大台風の数回にわたる直撃で、
風害、塩害があり、手入れ、舎利磨き、植替えなど、僅か2日間を2人で頑張りました💦

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一度出かければ、航空券や宿泊費など、お客様にかかる費用は日本国内に比べて2~2.5倍!
なるべく回数を減らして、とは思うのですが、ご本人は“来てさえ来れれば嬉しい“と仰られ、お気持ちに応えられるよう、朝から晩まで!
帰りには体がバキバキ💦年ですね~😅

併せて同じく台湾の盆栽園「台北景峰園」の詹さんの所にも、数年ぶりに伺いました。

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息子さん登傑さんに店を任せて、“半隠居“と聞いていましたが(私よりふたつ上の68才)
まだまだ熱心な作品作りを奥様となさっていました。

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日本の真柏素材が枯渇する中、“台湾の真柏が逆に運べないだろうか“  こんな話を詹さんと相談して、
来年は様々な検疫や許可を通して、実践してみよう!となりました。

年を重ねて、苗木から盆栽を作り、大型真柏を作る!
羨ましい限りです❗️


3年前、中京の稲沢より運ばれた超大型黒松! 
元々は庭木として育てられた中の、“筋の良い“素材でした。
幹や立ち上がりに“もしかすれば、将来大変な盆栽になる!“と言う夢のような事を思いながら、まずは作を上げることに専念してきました。

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2月下旬、国風展水石展も終わった中、満を持して、枝接ぎと“胴接ぎ“の施術を行いました❗️
岩石性と変わらぬ幹肌は、何層にも皮を抱き、その下の生きている所に、鑿を打ち込み、
木質と皮の間の僅かな「形成層」を、巨木自身の枝から取った穂を楔形に切り、ピッタリと合わせる、といった至難の接木です。

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私とスタッフ、そして内閣総理大臣賞作家の森山義彦さんに協力を得て、必死の作業となりました💦
接ぎ穂が乾かぬようにビニールを被せ、培養場の“春の風“で傷まぬように、
3mの樹の防風設備を作りました。

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ここからビニールを外す初夏まで、気が許せません❗️
5年後、10年後、“あのオバケがその樹⁉️“と言ってもらえるように、作出に努めてみたいです‼️

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