雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 飾り


猛暑の中、盆栽の飾りも面倒になりがちな季節。

それでもこの季節ならではの飾りもあります。

勿論“重たい樹“や、重厚な名樹よりも、見ていてどこかスッと心地良さが感じられる涼やかさも欲しいものです。


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中国北部原産の御柳(盆栽界では中国名の檉柳の方が一般的)は、飾れる盆栽も数少なく、この樹は同種として白眉の作品です。

これだけでも涼やかな風情を感じますが、これに立秋の季節感を足す形で、名月の掛軸、脇には水辺の景の水石。


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柳(六角堂)には、川面の脇に立つ柳と、月の下を飛び交う蝙蝠の図。

水面には夕涼みの舟の置物。

夏の終わりの夕暮れの景色をそのまま切り取ったような席です。


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勿論、松柏盆栽でも夏飾りは出来ます。

真柏の“細身ながら厳しさを隠し持つ樹“は、大家、横山大観先生の霞む山々の図が、心象風景として溶けあっています。

下にはその深淵な世界を眺める老師像。

深山の中に自分が佇んでいる錯覚を得る事が出来る席です。

季節を大切に、夏を飾る楽しみも良いものです。


5年前より頼まれていたイタリアへの水石講演。

ローマ・フィレンツェ・ベネツィア、レベル高いイタリアの方々との交流がようやく実現します。

出かける前に庭園応接の飾りを少し早めの“夏越の祓“に因んだ飾りにしてみました。


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2週間の留守は、15年以上前、中国への“正規の松柏盆栽の移送“に挑戦したあの頃以来です。

それだけ留守に出来るようになったのも、一緒に歩んで来たスタッフ達が立派に守ってくれるようになったからです。感謝🥲


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掛物は毎年夏越の時に使ってきた日比野白圭筆「薙刀鉾」 

空に向かって刃を光らせる薙刀鉾。

京都の祇園祭りでも山車の先頭で邪気を祓っています。

帰国する頃はまさに夏越!

それまで羽生の盆栽やスタッフ、勿論皆さんにも災いがありませんように‼️


巷にさつき盆栽の花々が展覧会を彩る頃になれば、“新緑から緑蔭“へと、深山も静かに季節を移してゆきます。


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紫陽花の原種?と捉えられる岩がらみ、葉の上に咲くその姿は、

分け入った山々の巨木を仰いだ上に、まるで美しい蝶が翔んでいるかのような錯覚を覚える景色です。

この樹も冬込みの間は、誰もが気にも止めない枯木の姿でした。


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“山ほととぎす“が一閃に空を切り、遠くには滝音も微かな岩清水。

この石も、“羽生河原“と呼ばれる培養場の用水の脇に置かれた数千の“裸石“の中に埋もれ続けていたものです。

樹も石も衣装と舞台を与えられれば、その子の持つ“本当の姿“を出してくれます。

羽生の応接はいつも“少しだけ早い“季節の移ろいを設えています。


観照会も皆様のご来園をたくさん頂き、無事に閉幕しました。

心から御礼申し上げます。

相変わらず💦ここからも雑木の葉刈り!

その後を追いかけて赤松~黒松の芽切り😓


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そんな時でも、皆様をお迎えする“応接庭園“の床の間は、季節の飾り、

そして盆栽飾りの王道と言える“松の飾り“の夏前の最後の時を迎えています。


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今回は五葉松の三幹、大観の富士!

貴船の滝石、相向かいには青葉のもみじの寄せ植え。

爽やかな雑木盆栽の飾りも美しいものですが、やっぱり「本床」に松柏盆栽が来るとピッとします❗️


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真柏や黒松が流通市場で高値を呼んでいますが、五葉松の美を忘れたくないものです。

仰ぐ霊峰富士にはやっぱり“常盤の翠“ 五葉松の葉色が似合います‼️


今年も桜を愛でる季節が来ました。

富士桜の枝垂れ性。

今から60年ほど前、埼玉の西部秩父地方のひとりの盆栽を愛する古老が、山中で珍しい桜を見つけました。

枝垂れ桜でも一重咲きの可憐な花、枝も細やかで、富士桜の変種であったこの樹の枝を挿し芽で増やして、

今では日本の盆栽界の春の人気種のひとつにまでなりました。


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私もこの枝垂れ桜が大好きで、羽生には培養作品も含めて50本以上が大切に作られています。

この樹も毎年羽生雨竹亭の応接を飾る樹として、良き花姿を楽しませてくれています。

今年は去年とはまた少し変えた飾りをしてみました。

朧月の掛物に大きな水を湛える水石との取合わせ。月と桜が水鏡に映るような世界!


千年前の都人達が桜に想った歌が残ります。


「ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく 花の散るらむ」

(古今和歌集・紀貫之)

「糸桜 しづくこぼるるさま見れば 春の涙のかかるなるらん」

(江戸時代・読み人知らず)


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久しぶりに応接に銀屏風を立てて、この桜に“牛車”(ぎっしゃ)を脇飾りにしてみました。

“都大路”(千年前の京都の中心部)を行き交う貴族達の世界、目には桜の美しさ、そのままの“あの頃の都“を創ってみました。


この飾りをして“散り桜“となる頃、さあ💦押し寄せるほどの“植替え“です😅

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