雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 中国


風光明媚な江蘇省の揚州へついた翌日、まずはこの地の歴史と素晴らしい景観、
そして“楊派“と呼ばれる独特の形式美を持つ、揚州の盆栽を見学に行きました❗️

「痩西湖」杭州の名勝“西湖“に因んだ“痩せた西湖“の名を持つ景勝地。
水の都らしい美しい景色!

IMG_1586
加えて200年前の豪商たちが遺した住居など、久しぶりに中国の佳き文化的世界を堪能しました。
併せて、この地で長く伝承された“楊派“と呼ばれる、樹冠も枝も、水平に形造られた盆栽達が、
見事な公園に展示されている様子は、行政機関も応援する盆栽文化が、この国にはある事が羨ましくも思えました。

IMG_1584
今回の揚州に招かれた展覧と交流会は、この地を代表する盆栽家、赵庆泉先生の業績を称えて、
その作品達と共に各地から友人が集うものです。

盆景公園にあった、赵先生の大型作品には、木村先生も、“これは素晴らしい!“と、
ご自身の創作盆栽と一脈通じるものを感じられているようでした。

IMG_1585
明日はいよいよ正式な式典となります。
中国全土から集まる盆栽家達は、その多くが旧知の方々です。
日本代表として、姿勢を糺して臨みます‼️


コロナ後、2度めの中国、木村先生とは2019年以来5年ぶりの訪中❗️
今回は、京都大観展にアジア代表審査員としてお招きしている
蘇州の張小宝先生達が主催されている2つのイベントに来賓として招かれての事です。

IMG_1571
まずは、成田から中国の“旧都“南京へ降り立ち、迎えの車で揚州へ。
ここは三国志時代、孫策孫権が治めた歴史深い地。
“楊派“と言われる盆栽のスタイルが古くから受け継がれている所!

IMG_1570
83歳の木村先生の随行者の気持ちで、無事に9日間の旅を終えて日本に帰る事が、私の大切な役目❗️水と翠豊かな揚州、今回の旅はここから始まります‼️
宿泊のホテルにも、楊派の盆栽が各所に飾られている事が嬉しいですね!


中国、唐の時代の都、西安で出会った少年達は、日本での3年の修行を、私の所と、木村正彦先生の所で、必死にその腕を磨きました。

IMG_0144
“2度と出来ない貴重な時間“  彼等は誰よりもそれを理解していました。
朝から晩まで、自分に与えられた時間すべてを盆栽の為の時間としていました。

IMG_0142
言葉すら誰が教えるでもなく、帰国の頃には、日常会話には困らない程になっていました。
コロナ発生直前に帰国してもう3年余り、名匠、王永康先生の所で過ごす2人は、
私の“目先の商売などに捉われるな、王先生の下で、盆栽の作出技術の研鑽だけに集中して頑張れ!“ 
という教えを頑なに守って、彼等は私の思った通りの技術者に育ってくれました。

“もう一度日本で更に深く教えたい“ そんな身勝手なことすら思う2人です。

IMG_0143
2人の故郷である中国で、ここからどんな幕を開けてゆくか?楽しみでもあり、不安でもあります。
“染まらないで欲しい、生粋の盆栽人であって欲しい“ 
それを願うばかりです。

そろそろ、悠久の大陸を久しぶりに周遊したくなりました。
“何を伝えるべきか?“  65歳になる今、そんな事を思います。


『日中農林水産物貿易発展協会』

先日、都内「日中友好会館」で、日本と中国の間の様々な農林水産物の円滑な流通を促進するための、
諮問協議を目的とする社団法人が設立され、その記念式典が開催されました。

IMG_9001

2年前まで農林水産省の事務方トップであった、枝元真徹元事務次官を会長に迎え、
農水省・外務省の数多くの審議官や局長連、その他、歓談の刻を頂いた駐日中国大使館公使の宋耀明先生、
東大農学博士で中日青年促進会々長の張煜先生、官民合わせて100名を超える要職達が、この協会の発展を祝いました。

IMG_8998

盆栽の海外購入熱は中国を筆頭に年々倍増の勢いの中にあります。
しかし、その殆どが、植物検疫や通関など、“非正規“での流通と輸送で行われているのが現状です。
日本側の“売れれば良い”と言う意識、中国側の“運べれば良い“と言う意識関係が、却って正当な市場形成を遅らせているように思います。

私達も、海外への販売の恩恵を受けているのも事実の中、国内での販売の後の事は関与しないと言う、都合の良い図式の中にいる事も事実です。
しかし、中国も“高度経済成長“を成し遂げた今、かつての日本がそうであったように、
混沌とした市場環境は、徐々に整備されて、コンプライアンスに則った流通形態が熟成していくと思います。

様々な両国間の課題や改善すべき問題点は、当然あります。
だからこそ、このような官民が協議を重ねる環境作りの一端としてのこの協会のような諮問・審議を重ねる組織が必要なのです。
“どうしたら、両国の盆栽文化を円滑に向上できるのか?検疫を伴う流通をどの様に円滑な姿に出来るものか“ 
こんな事をここから数年をかけて創出するのが、この会の目的です。

IMG_8999

盆栽界では、私がボードメンバーに選ばれ、ここから微力ながら、
農水省や外務省の方々、そして両国で活躍される、事業体の方々と意見を重ねるつもりです。

それにしても、予想以上の農産物・水産物に関する官民の要職が一堂に集いました❗️
この産業界的集合の中で、盆栽業など、“大海のイワシ1匹“みたいなものですが、
将来の盆栽業界のためになる事ならと、勉強のつもりで末席を汚しています💦

いつの日か、日本と中国両方に、盆栽の検疫基地を造り、その流通ルートを利用すれば、誰もが自由に安全に、盆栽を販売輸送出来る。
これを夢見て頑張ってみます‼️


【盆栽を愛する若者達に国境はない❗️】


2ヶ月前、4年ぶりに訪れた中国。

今年も日本盆栽大観展で海外審査員に指名された、張小宝先生への招聘状の伝達お届けをした後、

我が“中国の兄“と言える盆栽家、王永康先生の「随園」へ赴きました。

70歳を超えて尚、中日の盆栽文化に寄与される王先生、広大な盆栽園には、

相変わらず“どこまでどれだけあるのか!“と、ため息の出る規模と内容。

羽生で3年間の盆栽技術研修をして、名匠木村正彦先生からも、

“あと数年日本で学べば、本格の技術者になれる資質“と評価された、趙(ツァオ)君と郝(ハオ)君も、

帰国後、更に技術を高める為に、王先生の所に居ます。

久しぶりに会った2人、何より元気そうな事が嬉しかったです。

毎日、盆栽の事だけ考えてこの広い庭の中で暮らす事、若者にとっては、様々に体験したい事もあるでしょうが、

私がそうであったように、学びの時代を振り返れば、“あの頃が何も考えずに盆栽と向き合っていた一番楽しい思い出“になるはずです。


IMG_8437


“森前、頼みがある“ 王先生に1人の若者を紹介されました。陳君、22歳。

先の2人ともう2年ほど、この随園で一緒に盆栽を学んでいるそうです。

ハンサムでいて、凛々しい眼差し。

“この子を森前の所で学ばせてほしい“ 本人の強い希望だそうです。

趙と郝、私がその将来を期待する2人と過ごし、王先生に“行きなさい“と

認められた子、今、陳君は羽生で雨竹亭のスタッフと毎日一緒に、すべての作業を共にしています!

“この子はホントに盆栽が好きなんだな“と、傍でいて感じます。


IMG_8436


長くはいられない環境。

日本にいる間に伝えられる事にも限りがあります。

何よりも私は、盆栽に携わる日本のプロの考え方、日常の社会での礼節を伝えたいと思います。


IMG_8435


どんなに技術があっても、どんなに裕福でも、“人としての優しさと豊かさ”が一番大切という事を。

ポケットの中の自動翻訳機が、大活躍の毎日です💦

↑このページのトップヘ