雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会


45回目となった日本盆栽大観展も美しい京都の紅葉と共に閉幕しました。

来場者も昨年に増して多く、訪れて下さった方々にも好天に恵まれた良き展覧会だったと思います。


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展示内容も年々のレベルの高さは、盆栽界全体のこの展覧会に対する意識と意欲の表れ!

私も慶雲庵財団の大型ブースの企画・構成・展示、お世話になる“御三家“とされる、舩山・本出・寺内各氏の特別企画展示💦 

毎年の事ですが、企画構成の段階から、知恵熱が出る想いで取り掛かりました。


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財団は今年が100年となる“昭和“にちなんで、“昭和百年の軌跡“  として、

様々な斯界を彩った貴重な盆器や資料、何よりも、初公開となる“広島被爆の松“を展示しました。


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世界が紛争などで、混沌とする中、盆栽に一杯の水をあげる事を忘れずに苦難の時を乗り越えた先人達への感謝、

“生きる“という何よりも代え難い命題を感じさせてくれる盆栽達。


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御三家は、王道の舩山さん、“平安のみやび“を源氏物語54帖を中心に飾られた本出先生、

10年前、仲間の皆さんと旅したシルクロード“敦煌“への想い出を水石で表した寺内先生。

普段の盆栽展の展示も楽しいものですが、テーマを決めたこんな展示も、大観展ならではかと思います。


売店の方も、仲間のみんな、其々に良き結果だったようです。


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手入れの行き届いた盆栽達、様々な道具や水石に盆器、各出店の特色や多くのお客様、

普段は最終日となれば、少し閑散となるものですが、閉館時間まで、途切れる事ない賑やかな時でした❗️


春と秋、年2回、羽生雨竹亭で開催する観照会。

今年も秋の飾りを庭内に設えてみました。

普段、どうしても“その時にお客様に求められるもの“を中心の商売や店作りになってしまいますが、

この時だけは、細やかな足元にあるような樹なども、精一杯のお化粧をして、展示場や庭を彩るようにしています。


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雨竹亭の特徴である、“盆栽も水石も最終的には飾るもの“と言う意味で、水石や盆器、掛軸に飾り道具。

収蔵庫も含めてすべてを開放してご覧頂けるようにしています。


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応接の床の間には、“松風“を感じる、名匠木村正彦先生の施術による、五葉松の根連り!

季節を添える為に掛軸には、今井景樹の“月に散り紅葉“、そして彼方に見える佐渡赤玉石の名石。


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脇には山里の景色そのままの柿の盆栽。


私がナビゲーターを務めるYouTube「WABI CHANNEL」などの影響で、若いご夫婦連れの来園も多くなった雨竹亭。

訪れた方々すべてが、名木名石だけではなく、盆栽水石の素晴らしさを満喫頂ければと願っています。


秋の観照会についてはこちらから


来月11月21日から開催される、日本盆栽大観展。 

毎年そこで企画される「京都国際文化振興財団」通称“慶雲庵“の展示、

今年は“昭和百年の軌跡“と銘打った展示を考えています。

財団が保有する数多くの盆栽や水石・盆器など、飾る名品は限りないのですが、

その中で、訪れるすべての人達に伝えたいメッセージを込めた樹を仕上げています。


“被爆の松“  

80年前、広島に投下された原子爆弾、爆心地から僅か2キロにあったこの樹は、

共に生きていた殆どの盆栽が、爆風と熱風で枯死する中、奇跡的に半身を枯らしながら命を繋ぎました。


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それから80年、盆栽を愛する人達に守られながら、勿論飾れる姿にはなっていませんでした。

今回、私のところで5年、只々元気にする培養に心がけた結果、思い切った整姿施術を行うことにしました。


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普段の“見た目を大切にする“樹造りではなく、“この樹がどのように命を繋いであの時から生き抜いて来たか? 

“壮絶な記憶“のかけらを消さぬよう、それだけを心がけてみました。

ここから京都に運ぶまでの時間、日々少しずつ樹に向き合って仕上げてみようと思います。

“作りすぎてはいけない樹“と、対話をする気持ちで!


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不様(ぶざま)でも、必死に生きて来た姿、京都でご覧頂きたいです。

(大観展終了後は、京都大徳寺、芳春院盆栽庭園で、忘れてはいけない“命の軌跡“の樹として、ずっとそこで守り育てるつもりです)

【府立植物園で半世紀近い歴史!守り繋ぐ人達❗️】


大徳寺からほど近い、賀茂川を挟んだ向こうにある「京都府立植物園」で毎年春秋に開催される盆栽展を拝見に出かけました。


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普段より芳春院盆栽庭園の管理のお手伝いをお願いしている、

関西盆栽界の中堅(?西風会々長だから“重鎮“!)の大溝さんや、

二代にわたって親交を頂く、河合香艸園さん、そして長老格の岩本さん。

毎年伺っていますが、いつも御三方で迎えて下さいます。

今年は生憎の雨模様の中、外側の愛らしい盆栽即売もない中、ゆっくりと展示を拝見しました。


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本格的な私達が日頃取り扱う盆栽や、趣味会ならではの季節の盆栽達など、飾らぬ愛好家の盆栽が何処か心をホッとさせてくれる展覧です!

それでも秋展は四半世紀だそうですが、春展は間も無く50年❗️

地域の方々に盆栽の楽しさを伝えながら、敢えて爪先立ちの“上を眺める展示“を求めるではなく、

皆さんの楽しみと言う立ち位置で見守られる三人。

頭が下がります。


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数年前より、近隣である大徳寺盆栽庭園を預かる身、小店派遣の常駐のナベさん(渡邉さん)の名前で末席に飾らせて頂いています。

業界の大イベントで、いつも企画展を油汗をかきながら💦構成を考える身からすれば、

本当はこのような地域と愛好家に“寄り添う“活動で日々が過ごせたらと、我が身の在り方をため息まじりで振り返る機会でもありました!


水石協会副理事長として交流の深い、長岡の中川さんが肝入りをされる

“越佐水石同人会“が主催する「楓石展」に今年も見学に伺いました!


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銘酒「久保田」の蔵元、朝日山酒造が所有される国指定重要文化財“松籟閣“は、

朝日山酒造の創業者平澤與之助が、昭和9年に主屋として造った建築です。

和洋折衷の匠の技が随所に散りばめられた今では再現不可能な建物。

この座敷を使っての本展は、水石のみならず、

この建築と水石の融合を観る機会としても楽しいものです。


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八海山石を主人公とする地元、今回も逸品石の数々が各室を彩っていました。

こんな素晴らしい定例会場がある事、羨ましい限りです。


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中川さんに相談して、いつかここで盆栽と水石の数奇者が集うまた別の展覧をしてみたいと思います。

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