雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会


5/19~5/22に開催されている大阪EXPO盆栽水石展に展示される名木達の手入れを完了しました❗️

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五葉松名樹「天帝の松」そして、日本盆栽作風展で内閣総理大臣賞を受賞した真柏。
木村先生の門弟として、この真柏の作者でもある森山義彦さんと、
私共エスキューブのスタッフで、毎週木村先生の所で、技術研修をさせて頂いている近藤瑞希君。

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福島の舩山邸から運び、2日間かけての作業💦
大きくて手入れ室に入らず💦
外の屋根下で名樹の“仕上げ仕事“‼️

数年間、何処にも飾らず、福島の風の下で、ゆっくりとしたせいか?
樹はとても生育の良い状態です❗️
繁茂した枝々を“透かし技“で空間を作り、葉先が美しく揃うように仕上げるのは、
簡単そうに見えて難しく、さすが木村一門ならではの手入れが進みました。

下がり過ぎた効き枝のバランスをそろえて、万博に飾る姿が完了しました。

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14年前、四国高松市で開かれた、「アジア太平洋盆栽大会in高松」で初公開され、
1億円の価格が表示された巨大五葉松!
後に京都「日本盆栽大観展」で、栄えある内閣総理大臣賞を受賞したこの樹は、
ずっと福島“吾妻山“麓で、静かな刻を過ごしていました。

四国で公開され、京都で冠を獲り、そして今回万博に展示される・・・。
この樹が背負った名樹の道を表しているようにも思います。
世界の方々が、どのように観てくれるでしょうか?楽しみです‼️


連休明けの“五月雨“の降る中、盆栽教室生徒さん達による、初めての「生徒作品展」を開催しました❗️

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前日までに集められた、各展示品!
生徒さん達と、“作る事から飾る事へ“と、今まで経験のない、展示会を開く!飾る!という勉強を実践形式で、私と一緒に行いました。

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卓や地板を決めるのに、雨竹亭の巨大な収蔵庫(100坪!)に入り、自分達で選んでもらい、
それを使ってまず飾り、何が合っていて、何が替えるべきか? 
隣の席とのバランス、展示される盆栽の“飾る前の清め作業“、ひとつひとつが、
いつも月2回の教室で、自分達の樹を持ち寄って、その時その季節に大切な手入れ作業を指導している中、
“盆栽は最後は飾って楽しむもの“という事を伝える良い機会になったかと思います。

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ご自身のコツコツ作ってきた作品が、ささやかながらも“晴れの舞台“に飾られた時の、生徒さん達の表情は嬉しいものでした❗️

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これも雨竹亭の教室が教えたい事!
出来れば、春と秋に定期的に開催できればと思っています。


5月2日、全国的に雨模様の日、毎年恒例の福島県、盆栽協会吾妻支部の展示会の搬入飾り付けのお手伝いに伺いました。

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“五葉松の故郷“として、吾妻五葉松の名産地。国内で“那須五葉松“として流通する樹の内、本当はこの吾妻産が半数を超えていると思います。
この展示会に関わって、もう20年💦 
会員の皆さんもいつの間にか、70歳を超える方が多くなりました。
会場の設営(公民館の倉庫からパネルを出して、組み立て、布を張り、腰巻き、薄縁敷き😅 
ようやく会場が出来たのが、
午後3時‼️

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それぞれが想いを込めた自分の盆栽を持込み、“この樹は右だな、これは逆の方が見栄えが良いな“など、皆んなで喧々諤々❗️
それでも盆栽をこよなく愛する方々と1日一緒に居ると楽しいものです。

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愛らしいもの、季節のもの、名木、将来の名木、愛好会ならではの雰囲気が会場を覆っていました❗️三日間の展示、地域の皆さんが楽しみに来られる“温かい展覧会“です‼️

 

東京都美術館で水石展を始めて、もう12回目になりました。


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今年は大名茶人片桐石州の伝承石を首座に約150点の展覧!

今まで殆どがカブる事なく、合計で1800点近い水石が、ここで公開されてきたことになります。


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今も月刊『近代盆栽』に“水石よもやま話“と題して“エッセイもどき“❗️の文を寄稿していますが、

“水石文化をより多くの人達に伝えたい“  それにはやっぱりこの都美術館での水石展に代わるものはありません❗️

特に海外からの来館者、勿論出品者の方々の、水石に対する研鑽の深さには驚きます。

YouTube『WABI CHANNEL』も1年半、80回以上の発信をする中、

多くの方に“WABI観てます!頑張って!”と声をかけて頂き、

この水石展も、協会の好意で、展示内容の撮影をさせて頂きました❗️


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62回、過去先輩達が紡いできた歴史が作った数字。

あと38年で100回‼️

次の時代を守るプロ後輩達に、想いをキチンと伝えていきたいと思います。


100回を目前にした国風盆栽展。世界に広がる盆栽の趣味を反映するかのような、出品者の国際化!
以前はアジア、特に中国を中心とした流れを感じましたが、
今回などは欧米はもとより、南米や初めての参加者の国も多くありました。

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勿論植物検疫などの為、出品者の方々の樹は、すべて日本で得た盆栽達です。
この10年来の傾向を見ると、大型化は否めないにしても、少し以前の盆栽サイズに戻り始めたようにも感じます。

相変わらず、作出によって新しく世に出やすい、真柏の台頭が目立ちますが、
残念なのは盆栽の最高位とされてきた、五葉松の古作古盆が激減してきたことです。
松柏盆栽の中でも、一番“誤魔化しの効かない“五葉松。
作出にも他の種類と比べれば、2~3倍の時間と労力がかかるもの!
そんな種だからこそ、ゆっくりと育まれる中で、樹相を創り上げてゆく。
これが王道の盆栽だったのですが、気候の変化に弱い種でもあり、衰弱することを恐れて、海外には移送が難しい事も確かです。

それでも会場を彩る雑木盆栽や季節の花物盆栽は、やはり冬枯れの今、ひときわの“命“の美しさを感じます❗️

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また、現代の生活環境に合った、中品盆栽や小品盆栽は、頭が下がるほどの出来栄えばかり‼️
培養や技術の向上と地域なく向上していることが窺えます。

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愛好家の方々が、出入り方の盆栽園と二人三脚でこの展覧まで漕ぎ着けた作品達は、まるで舞踏会の衣装を纏った紳士貴婦人のようです‼️
プロは悲しいもので💧美しい盆栽達を眺めていても、性分でしょうか💦
すぐにその市場価値と“これ売れるなあ!“と、無礼な心がフッと浮かんでしまいます💦
修行が足りませんね😓

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