雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会


福島県の日本盆栽協会吾妻支部の毎年の盆栽展❗️

今年も会場作りからお手伝いに伺いました。


IMG_6828


阿部倉吉先生に始まる吾妻五葉松の世界、この地元で30年近く開催されているこの展示会も、

会員の皆さんの高齢化で、手作りの公民館の会場も設営に苦労される様になって何年も経ちます。

リーダーで雨竹亭も日頃お世話になっている舩山支部長、現地の盆栽家の二瓶さん。

平均年齢で70~80歳💦 


IMG_6825


東北で愛好家の細やかな手入れのお手伝いをしている雨竹亭の“卒業生“、加藤君の応援を得て今年も愛好家主体の和やかな展示が出来ました。

五葉松のふるさとだけあって、展示品の殆どが五葉松❗️ 


IMG_6826


著名な愛好家でもある舩山支部長は別としても、中にはここから数年で国風展へ挑める逸材もありました。

聞けば、土地の名峰「吾妻山」に戦後出来た“吾妻スカイライン“の工事の際、

行政の許可で工事に隣接する所の自生樹の採取が認められた時に、里へ運ばれたとの事‼️ 

数百年の命がこうして見事な盆栽へと変貌している事に嬉しさを覚えました。


IMG_6827


国風展や日本の名樹達に世の中は目を取られるものですが、こんなその地元ならではの世界も大切にしたいものです。

たいした事は出来ませんが、これからも毎年盆栽を愛する方々と

“この樹はこうするともっと良くなりますね“など、展示会という名の交流の楽しいひとときであって欲しいものです❗️


春の盆栽イベントとして、過去には『緑風展』として始まったグリーン倶楽部の催事。


IMG_6671


今は『翠緑展』に名を改め、今年は小品盆栽展とのコラボによって、昨年の3倍❗️の来場者となりました‼️


IMG_6672


館内の展示も年々レベルは高くなり、季節を彩る藤の盆栽などの他、真柏の一列すべての展示、

名画横山大観を配した席など、その充実は素晴らしいものでした。


IMG_6673


時に屋外の特設売店の充実は目を見張るものがありました。

多くの来場者達が、楽しそうにご覧になる風景、若い方々が半数を占めている事も、驚くと共に嬉しくありました。

盆栽を取り巻く社会の在り方、見方、少しずつですが変化している事を肌で感じるイベントでした‼️


下階の国風盆栽展が百回となる記念の年、開催初日から特に欧米からの来場者で、昨年の5割を超える連日の来場❗️


IMG_6035


今年は水石展も普段に増して、展示の内容に趣向を加えました。

寺内家にお願いしての、歴史的名石15石の企画展示、

小品石の愛好家として慧眼深い小林公一様による「茶席風水石飾り」の特別設え席など、

水石の深さや魅力をより広くお伝えする為の構成をしました。


IMG_6036


展示会そのもの自体、来場者の皆様に好評を頂き、特に海外の皆さんの水石に対する熱心さが年々高まることに驚きを覚える程でした。

“河原にあった石を美術館に?“と、当初この展覧そのものに疑問を投げかけられていたあの頃が、遠い昔の出来事のようです。


IMG_6037


50年以上、諸先輩達が願っていた、“文化としての水石“と言う世界の僅かでも、この展覧が役に立っているように思います。

“本家“日本の水石界や水石文化が、どれほど深いものか?

私達運営側がしっかりと構えないといけないほど、海外の水石熱は、追いかけてきます。

アメリカばかり行っていた水石講演、今年からは欧州にも行ってみようと思っています❗️


2月13日、国風展前後期の合間、「日本水石名品展」飾付け当日、帝国ホテルで開催された

「国風盆栽展百回記念式典」の中で催された座談会、僅か10日ほど前に“司会進行を頼めないか“と協会より言われ、

水石展の搬入責任の立場、とても無理と伝えましたが、美術館での作業が終わった後の事、懇願され、

打合せの時間もないままに、登壇となりました💦


IMG_5991


青蔭理事長・木村先生・櫻井組合理事長・春花園小林親方、その他業界の重鎮達を隣に、

内容の打合せもないままのぶっつけ本番🥵

流石に緊張しました。


IMG_5992


総合司会進行として、登壇された各位様に座談の形をお願いするには、その人にこそお話ししてほしい事を考えながらの進行❗️

あっという間の1時間半でした。


IMG_5993


もっと辛辣な問いもしたかったのですが、会場の半数は国風展を楽しみにそしてこの式典に参加される事を思い出にされる海外からの皆さん。

“良き思い出を持ち帰ってほしい“ そんな事を念頭に進めました。

翌日は朝から水石展の開幕式💦

羽生に遅く戻ってからの水石式典の司会準備‼️

何となく、“困った時は森前さんに“みたいな、歩くコンビニエンターになりつつある自分を反省しています🙇‍♂️


1月19日、第100回の記念展となる国風盆栽展の審査会が上野グリーン倶楽部で行われました。

雨竹亭チームも、毎回名匠木村正彦先生と合同編成の準備をして、私達の方だけでも今年は11点の応募をしました。

羽生でお世話になっている愛好家の方々でも、10回以上の入選をされている方もあり、

今年も秋口から木村先生と樹の手入れや鉢合わせなど、“その時に出来る限りの“ 準備をして臨みました。

国風賞候補クラスの加点を頂くものもあり、順当な成果!と言いたいのですが、

残念な結果になってしまった樹がありました。


IMG_5764


姫林檎の中でも実が硬く、寒さの中でも実をしっかり残す『紅姫』

5年ほど前に埼玉西部の古老盆栽園より譲り受け「先代が突然変異で見つけたもの、実が落ちない」と言われました。

案の定、大観展の頃、大徳寺芳春院盆栽庭園に毎年実成りの時期に飾っても、年が明けても

実は実色と共にしっかりしている不思議な樹でした。

“一度世間様に見てほしい“と言う思いで、10回以上連続で国風展に出品されている大家にお願いして応募しました。

結果は当落の境から1点足らぬ落選💧

暖冬の影響か?実が萎み始めた中での審査、

“珍しい樹、少ない応募樹種は入選しやすい“と言う、自分の固定概念が招いたもの。

何よりも国風展を楽しみにされていたお客様に申し訳なく、遠方ではありましたが、

頭を下げに関西まで伺って平身低頭、お詫びを申し上げました。

“落ちるような樹は要らない“と言われて当然のところ、懐の深いお優しいお客様、

“あまり気にしないように、また作ってみよう“と🙇‍♂️  

プロとして、50年以上の経験を持つ者、己の甘さ、傲慢さ、それがお客様に要らぬ想いと態度をとらせてしまった事、

忘れてはならない出来事になりました。


IMG_5765


樹の引取りの申し出をしようとしていた私を察してか、お客様は“今年の秋の実をまた楽しもう“の言葉🙏

まだまだ、人としての修練が足りない自分を恥じ入る経験となりました。

↑このページのトップヘ