雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 水石


“水石界の発展の為“と思って書き始めた「名石探訪」は、

各地に眠る未公開の水石名品を誌上でご紹介する企画として、100回を迎えるまで続けました。

これだけ書けば少しは水石界の役に立ったものと思ったら、出版社側より、

“こういった記事は森前さんしか書けないので、何か形を変えて続けてほしい“と、即座に言われて、

思案の末に

“ここからはその時書きたい事を自由に書かせて頂く“として「水石よもやま話」は始まりました。

今回で19回💧

毎回“何を書こうか“と浅学の身をつくづく感じながら、その時その時に思い付く内容を認めてきました。

時にはニュース性、時には展覧会内容、そして今回のような“自分が今本当に思っている事など、

水石界を取り巻く様々な事を気ままに書いています。

今回は久しぶりに、“ちょっと重く“ 水石の飾りの事などを書いてみました。


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季節を捉えた“当たり前の飾り“には大切な基本がありますが、

そこに届く心の有り様、更には石を深く見つめてこそ観えるその石しか醸し出せない“何か“を捉える自分。


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伝えたい事多く、堂々巡りになってしまいそうな解釈の難しさなど、

飾る事なく有りのままで読者の方々に綴っているつもりです。


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盆栽も水石も突き詰めて行けば、最後に引き算をし尽くした端的なものへと導かれると言う原理、

それでもそこに届くには多くの“まわり道“をした末でないと見えてこない道がある事。

どこまで行っても尽きぬ道ですが、“その先にあるもの“があるなら只々歩いてみたいと思っています。


水石協会副理事長として交流の深い、長岡の中川さんが肝入りをされる

“越佐水石同人会“が主催する「楓石展」に今年も見学に伺いました!


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銘酒「久保田」の蔵元、朝日山酒造が所有される国指定重要文化財“松籟閣“は、

朝日山酒造の創業者平澤與之助が、昭和9年に主屋として造った建築です。

和洋折衷の匠の技が随所に散りばめられた今では再現不可能な建物。

この座敷を使っての本展は、水石のみならず、

この建築と水石の融合を観る機会としても楽しいものです。


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八海山石を主人公とする地元、今回も逸品石の数々が各室を彩っていました。

こんな素晴らしい定例会場がある事、羨ましい限りです。


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中川さんに相談して、いつかここで盆栽と水石の数奇者が集うまた別の展覧をしてみたいと思います。


日本水石組合主催の第2回全国水石逸品展が、月末の土日、残暑厳しい都内上野グリーン倶楽部で開催されました。


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全国から100点近い水石の出品❗️

水石協会が催す早春の「日本水石名品展」※於・東京都美術館 とは、趣向を替えた、各ジャンル別の審査会を設けた展覧。

台座・水盤・姿・紋様・抽象・探石、水石趣味の楽しさを幅広く社会に伝える展示会として、私達業界人が“手弁当“の気持ちで構想したものです。


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水石展は基本的にその文化性を重んじる為、販売会場を設けないものが主流となっていますが、

市場や流通と言う愛好家も楽しみになる側面を融合した展覧を、水石協会と言う公益団体ではなく、

水石の専業者の団体だからこそ出来る企画を実行したものです。

“審美の趣味“とされる水石も、時代や社会の捉え方で、その趣味性も大きく変わりつつあります。

業界としても次代の愛好家の窓口としての展覧を目論んでの企画です。


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暗中模索しながらも、私達プロもこのような裾野を広げた企画の中で、勉強になる事も多く、

今後も多くの方々との親交を深める楽しい展示会になればと願っております。


大宮盆栽美術館と日本水石協会による、夏恒例の同美術館の水石展、「山水涼景〜水石の世界」後期展(8/8~8/27)の展示を担当しました。

盆栽村開村100年にあたる年、様々なイベントのある中、盆栽と両輪とされる水石の素晴らしさが少しでも伝えられればと、

愛好家の方々の見事な水石をカテゴリーを変えながら構成してみました。


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美術館ならではの床の間設え、真の間の台座石「五色高原」は歴史名石として久々の展示!

行の間には、水盤石に合わせて名筆“池大雅“の「月湧大江流」。

草の間は、水石界の恩人、渡辺如学庵旧蔵の「孤亭」。

ギャラリー展示は、大名風の水盤仕立の滝石、小品石の段飾り、夏飾りらしい渓流石の水盤仕立、

月明かりに照らされるような瀬田川石の台座石。

そして、伝来名石としての名高い、徳川家旧蔵の鞍馬石「瑞雲」。


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盆栽に比べれば、静かな趣味と言える水石ですが、対時して“石と会話“してみれば、色々なものが心の中に浮かび出るもの。

毎年重ねる展示会で、ほんの少しでも水石に興味を持って下さる方がいて下されば嬉しいです❗️


なお、展覧会中の8/16(土)13:30より、展示会場で、私のギャラリートークをさせて頂きます!

各席に込められた“想い“をお話しようと思います!是非いらして下さい❗️

(ギャラリートークへのご参加は当日有効の観覧券が必要です)


さいたま市大宮盆栽美術館

企画展「山水涼景〜水石の世界」

 前期展は終了しています


今年の大雪は、この数年雪の少なかった新潟県長岡市でも、久しぶりに“雪除けの軒塀作り“を見る事になりました。
水石協会、組合でお付き合いの深い古老先輩、中川さんの所です。

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庭の盆栽は勿論雪除けで軒下に!
加えて大雪が軒に入らないように、仮塀は雪の量に合わせて少しずつ高くなっていく💦
私達関東人には実感のない冬の苦労を間近に感じました❗️

そんな中でも、中川さんは変わらず“水石三昧“の日々を過ごされているのが、歓談する部屋に感じられました!

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煎茶を長く研究される中川さんは、その見識を活かし加えた水石美を捉えられています。
いつ伺っても、そこここに目を惹く石達!

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時の経つのを忘れて、玄虹会展の飾りの話題、水石界の現状、話は尽きません‼️
あっという間の時間!
いけない!帰り道の関越トンネル迄の、豪雪地帯(魚沼・六日町・越後湯沢)、数メートルの雪だったのを思い出しました💦

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