雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭


4ヶ月ぶりの羽生「天地会」
業界最大と言われる小店のオークション、猛暑の中でも、盆栽界を代表する面々が集合してくれました❗️

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木村正彦先生・小林國雄先生・友人でもある鈴木伸二氏。 
3者は日本を代表する盆栽作家として、こうして三人がひとつの場所に集合されることは、滅多にありません。

又、今年から新しくなった日本盆栽協同組合(日本のプロ団体の頂点)の櫻井理事長、
佐々木理事(大観展委員長)、寺澤理事(組合本部オークション“水曜会“委員長)も全員参加して下さいました。

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約100名の全国からのプロ達、海外からの参加、お陰様で、7,000万の出来高❗️
下は3,000円から上は300万台まで、幅広い盆栽達が、競り人(寺澤氏・椎野氏・森前)の素早い掛け声で、競り落とされていきました。
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嬉しかったのが、毎回各地より依頼される愛好家の処分、今回も八王子方面より、趣味家ご本人が残念な事に他界され、
夏の水掛けで樹が痛む事を心配されて、今オークションに出品された奥様。
翌日に結果のご報告と支払い金のお届けにスタッフが伺ったところ、
“次の日にすぐ来てくれた事、思いの外、高額の結果になった事、新盆を迎える前に、亡きご主人にキチンと報告できる事"
それを本当に喜んで下さいました。

トラックでスタッフ達が汗をかいて泥だらけで運搬した苦労が、その言葉と報告で、皆吹き飛びました❗️

私も木村先生の特別参加出品の樹が買えたり、“この樹はこうして作ってみよう“と思うものがあったりの成果でした。

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自分が“会主“と言う立場、参加した方々が、ションボリする方がいないか💦
なるべくひとつでも売れるように声をかけたり、自分で買い落としたり💦

でも、みんながこうして集まってくれる事こそが、何よりも嬉しい会でした。


いつの間にか、夏日の多くなる季節となりました。
潤湿な空気、ともすれば鬱陶しさすら感じる中、盆栽の床飾りだけでも、どこか清々しいものを創りたいものです。

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深山の大木に絡み、天高く花を咲かせる“岩がらみ“、見上げれば、まるで蝶が空に舞うような錯覚をする季節の有難い樹です。

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掛物は、“東の大観“に比肩される“西の栖鳳”、竹内栖鳳の若描きの「雨裏新螢」の図です。
山深い清流の緑蔭に、夕闇近くなると、仄かに光る様は、儚さの極みといった風情を感じさせてくれます。

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脇床に「駿河千本竹細工」の虫籠。
飾り道具として、夏景色には本領を発揮する小道具です。
繋ぎ目もわからない程の精緻な作り、職方の数も減り、今では入手も難しくなってきた道具です。
まだ観ぬ螢、籠の戸口を開けて、“ほ、ほ、ほたる来い“  の人の心の願いが聞こえてきそうです。

観るだけで、スッと涼を感じる席、こんな飾りもこの時期は楽しみたいものです。

【 盆栽・水石・約1000点‼️】

コロナの様々な規制が解除されて初めての観照会❗️
雨竹亭の春秋恒例の観照会は、季節の移ろいを盆栽や水石を通して、お越しになる皆さんに楽しんで頂くものです。

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春の植替えでクタクタの中、こうして園内を整えてお客様を迎える事が、私達の喜びでもあります。
お付き合いの長い方々、新しい出会いとなる方々、盆栽・水石を通して私たちが皆さんに提供できる“楽しさ“をおみやげにして頂けたらありがたいです❗️

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2日間、スタッフみんなで、あれこれと応接室・庭園展示場・水石室・主収蔵庫・そして中央培養棚、
ここに生きる子(盆栽)達を、少しでも喜んで観て頂けるように飾り付けました。

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やっていて思いましたが、ホントにすごい数‼️
“なるほど、いつもお金無いわけだな“  と我ながら呆れました💦

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新緑・花々・老樹・山水石・古鉢・水盤・卓・そして掛け軸。
盆栽水石の“三昧世界“を作りました❗️
お越しをお待ちしています‼️

雨竹亭春の観照会についてはこちらから↓↓
https://www.bonsai-uchikutei.com/news/article/1086.html


季節の早い春も、樹々が一斉に葉を広げる頃となり少し早めの新緑の飾りをしました。

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“もみじ手“と呼ばれる、赤子が愛らしい手を広げたような山もみじの新葉は、新緑の代名詞です❗️
九州まで出向いて手に入れたこの山もみじは、根張りを見ても、どれ程の長い鉢での培養が重ねられたものでしょうか!

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自然な枝打ちは、昨今流行っている、“詰め込んだ枝造り“の園芸的な造形とは違い、
単幹でありながら、“降り下りる“もみじの枝姿を見事に顕しています。

“絵心“と言う考え方から言えば、盆栽は何処かに心の中に描く一幅の絵画のようでありたいものですね。

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掛物も“月にほととぎす“  明治の名筆、今尾景年の作品です。
ほととぎすの題材は、晩春から梅雨の時期、5月から6月の飾り道具として、使い易く、
私も大きさや図柄を替えて何本か持っていますが、今回は “新緑の色を見せたい“  気持ちを込めて、敢えて絵に“色“を見せない水墨画としました。
これによって、このほととぎすは、このもみじがある自然の所から遠く、
ひと声鳴いて山間に一閃を切って翔ぶ“心の中のほととぎす“となります。

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脇には、“水温む“季節を感じて欲しくて、水盤飾りの京都貴船の水石を配しました。
雪蹊から流れる清流、自然の石が心の中で大自然を描き出しています。
水盤も水を感じる色合いを選びました。

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脇には、黄木瓜薔薇が、満開の花姿を楽しませてくれています。
命が謳歌するこの季節はいいですね❗️
“目に青葉・山ほととぎす、初がつお“  
ここで鰹の“タタキ“を食べながら、盆栽談義なんて!

ちょっと贅沢ですね‼️

【名も無い樹を「見立て心」の鉢映り‼️】

植替えのシーズンで、“猫の手“ならず、番犬のルークとレイも手伝って欲しい程の目まぐるしさ!(彼らの昼間は寝るのが仕事💦)
そんな中だからこそ、普段名樹達に追われて見過ごして“放ったらかし“の樹々達を走り回る中で見る度に“悪いなあ💧“と思います。

手入れの合間、ちょっと時間が空いたので、その中の黒松を植え替えました❗️
農水省の検疫関係で、6年前に手に入れた100本以上の苗木達。

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3年前に“ただの苗木にしておいては可哀想💧と思って、若い子達に“曲付け“、つまり幹に針金を巻いて、模様を付ける事をしておきました。
中から作りやすい樹を2本、風に靡いて立つ“文人風“の飾り易い盆栽に仕立ててみました。
培養の“土鉢“には根がビッシリ!
健康を損ねない程度に根ほどき。

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一般の人達から見れば、“そんなに取っちゃうの!?“と思われますが、
樹の健康状態をみながら、これくらい取ってから思う鉢に植えないと、“絵“  になりません!

つい先程まで、立ち入り禁止の培養場の片隅にあった素材。
こうして樹の“姿“を見立ててあげて、鉢を合わせることで、立派な盆栽の仲間入りになりました❗️

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名木・古木・を日頃扱う私達。
それでも「新しい命・新しい盆栽」を作ること!これを忘れずに励みたいと思います。
何も言わずに庭内の小品・中品の棚に置くことで、若いスタッフ達が、これに気がついて、“夜やってみよう!“と思ってくれたら、どんなに嬉しいでしょうか!? 

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64歳になった今、こんな何気ない“創意創作“に、いつの間にか心が安らいでいる自分がいます!

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