雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭


好天が続く秋空の下、羽生雨竹亭恒例の“秋の観照会“となりました。

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常盤の翠をみせる松柏類の数々と共に、季節を彩る実物や紅葉の雑木盆栽達。
応接庭園もお迎えの“衣装“を着たような配置です❗️

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展示場も盆栽をはじめ、水石・卓・古鉢・掛軸など、盆栽や水石を飾る道具立てを大切にする雨竹亭らしい品揃え❗️
スタッフも年に2度のこの催しで、雨竹亭の半年の変化を皆さんに楽しんで頂ければと、庭内の整理整頓に努めました。


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スッキリと配置された盆栽、各所に展示された数々の品々。
やっぱりお迎えする姿が整うのは良いですね‼️
是非皆さんもお遊びにいらして下さい❗️


秋の観照会についてはこちらから


11/1~7日に開催される、羽生雨竹亭“秋の観照会“を前に、紅葉の秋飾りをしてみました!

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猛暑の長い夏から、ようやく訪れた“秋“は、あっという間に過ぎて行きそうです💧
3年培養して、一番綺麗な紅葉を見せてくれた山ツタ。

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神奈川県の愛好家が3
代に渡って大切にして来た樹だそうです。
水谷芳年の「来雁図」、脇床には寄木造りの三重塔。

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山間の巨刹、里山を彩る山ツタの映え!
渡り鳥が、降り来る姿。

秋飾りの楽しさですね❗️

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秋の清々しい空気に、庭々の盆栽達も、ここから観照会にお越しになる愛好家の皆様のために、
最後の“薄化粧“手入れの時です‼️

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羽生の地に、この雨竹亭を構えて、20年の刻が経ちました。
駐車場や応接庭園に植えた若木の桜達、毎年満開の美しい花を私達に楽しませてくれていました。

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「首赤ツヤカミキリムシ」外来種のこの害虫が、染井吉野桜を中心に猛威を奮って、大切な樹々を立枯れまで痛めてしまいました💧
関東平野北部一帯、この害虫による染井吉野桜の被害が急拡大した夏💦 
近隣は勿論のこと、園内の雑木盆栽への波及を考えて、“断腸の想い“で、全樹の伐採を決めました。

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今でこそ、羽生雨竹亭を多くの愛好家の方々、日本全国の盆栽園の仲間達が、周知してくれていますが、
資金もなく、細い桜達をこの手で植えた頃を思い出します。

雨竹亭の成長と共に大きく太くなっていった桜達。
いつも“そこにある“事が当たり前だった樹達が切り落とされて、何もなくなった景色は、
言葉に表せないものが胸を締め付けます💧
満開の花姿、葉桜の姿、未だ来ぬ春の中、枝先に蕾を見せてくれたあの頃、いつも見守ってきてくれて、ありがとう❗️
あなた達の美しさと強さは、いつまでも心の中で咲き誇っています(涙)


羽生雨竹亭を開いて間もなく、地域の盆栽愛好家の方々と楽しい交流が出来ればと開いた「盆栽教室」も、いつの間にか15年を過ぎました!
盆栽教室と言うと、初級・中級、カリキュラム💦実費教材など、事業的にやっているように感じるでしょうが、ここはそうではありません。
““自由““  がすべての基本です❗️

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自分で持っている盆栽の“ここからの作り方?ここからの仕上げ方?“を、楽しく相談しながら、
またそれを一緒に参加している教室の仲間“生徒“達で、共有しながら経験を重ねる!と言う姿です。

近隣で趣味を楽しまれていた方々、この中から、自分の樹が「国風盆栽展」と言う夢の舞台に届いたものも、5点になりました❗️

“盆栽博士ちゃん“で、マスコミでも有名になった、清水ちえりさん(当時は小学生でしたが、今では早稲田大学附属の高校生!)も、現在も教室の生徒さんです❗️
私は、盆栽教室で“物を売る“という事に重きを置いていません。
この雨竹亭を“我が家“の手入れ小屋、“相談に乗ってくれる仲間がいる家“として、アットホームな雰囲気で居てくれれば充分なのです。
業のして盆栽園を営む中、こうして少しでも盆栽趣味の皆さんの役にたつ事を出来ればと願っての事です。

普段は忙しくて、中々参加出来ません💦 
雨竹亭の培養責任者である、“生え抜き“!物静かな角田君(今では常務職!)が、
月2回、コツコツと生徒さん達と積み上げて来た教室です。

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宣伝をするわけでもなく、開催している日曜日に偶然羽生にいらしたご夫婦など、
まずは“お試し“で参加して、自分の生活環境に合えば、通ってみる。
月2回ですが、特に時間の縛りもありません。

私が教室に参加する際に伝える事はひとつだけです。
「自分の樹をどうしたいかも大切ですが、こんなに沢山の盆栽がある羽生、訪れた時は、せめて園内を一周して、様々な盆栽達の顔を見て下さい。それがとても勉強になります」
趣味の皆さんは、それぞれの人生をしっかり歩まれて、盆栽を趣味とされる、立派な方々。
私達も、この“生徒さん“と言う人生の先輩方から沢山の事をいつの間にか教わっているように思います。
月2回、月謝5,000円、ぜひ皆さんも気軽に覗いてみてくださいね‼️

雨竹亭盆栽教室についてはこちら


羽生雨竹亭の100坪の収蔵庫は今、
常蔵の品々以外の約半分のスペースが、“夥しい“と言うべきほどの水石古石で満ちています。
約800点の桐箱入りの水石❗️卓に水盤‼️

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若き頃、私の水石観に深い影響を与えて下さった、“水府散人“こと、薄井正志先生の大コレクションを、
京都綾部市の恩人、横山巌先生の所へ運んだ時の事を日本の名石群を思い出すものでした。

数ヶ月前、関西に仕事で出かけた折、お世話になっている大阪の盆栽愛好家の所へお伺いする予定でした。
その日、空からバケツで撒いたような雨となり、とても盆栽を棚場で手入れをする事が無理となり、やむなく中止しました。
現場の箕面市まで近づいていたので、関西の私共の“基地“、京都大徳寺盆栽庭園に戻ろうかと思いましたが、
箕面から程近い吹田市にお住まいの、横山先生のご友人で、
関西水石界の最長老、本山先生にしばらくお会いしていなかったので、お電話してみました。
お元気そうな声で私が突然お伺いしたいと言う事にも、喜んで下さいました。

5~6年前、ゆっくりお伺いして亡き横山先生との、本山先生と私しか知らない話など、楽しい時間を頂いたことが、昨日の事のように思い出されました。
久方のお伺い、まずびっくりしたのは、
以前ご自宅に所狭しとあった名石群を隣接の住宅を“水石の為“に買い取って、これをすべて水石の展示にされていた事です❗️

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しかも以前よりもその内容が幅広く充実していました。
聞けば、やはり趣味のお仲間でご高齢となる方々が本山先生を頼って、結局その方のコレクションをそっくり入手する事が幾度か続いたそうです。

汲めども尽きぬ40年にわたる水石趣味の皆様との出来事、先生は最後にこんな事を仰いました。
“森前君、この間友人の葬儀に行って、その方の元気な頃の水石趣味の写真を見て思ったよ。
5~6人の良き仲間の写真、もう私しか生きていないんだよ“  

水石・煎茶・文房・そして黄檗禅。
初めて横山先生にご紹介頂いたあの頃から40年、本山先生も当時は40代、八十路を超えた先生は、
もう同じレベルで水石を語らう友が居ないのかもしれません。

コロナ前、先生の主催する水石展に伺った時、思ったことがあり、業者として今まで誰にも喋らなかった事を先生に告げました。

「先生、私達は水石を商売して生活を立てている者、愛好家の方々の下に下にあるべき者です。
こんな失礼なこと、生まれて初めて言いますが、あの展示会でご挨拶した方々、先生のお友達かもしれません。
でも私には先生のご蔵石を“流通市価の数分の一で先生から手に入れる事を先生の顔色を見ながらそばにいる方々“ にしか見えませんでした。」
こんな無礼な事を言えばお叱りを受ける事当然と思っていましたが、意外、先生は複雑な笑みを浮かべておられました。

“先生、もし出来るなら、先生のこのコレクションを私に託して頂けませんか”
この言葉を伝えるのに、それ程の時間はかかりませんでした。

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それから3ヶ月、巨人“水府散人“と並ぶ、関西の大コレクション、曽我山人(本山先生の号)、
ひとつひとつの石に込めた先生の“想い“をしっかり受け止めて、次の時代の愛好家への橋渡しをしたいと思っています。

それでも、ホントにすごい数❗️ 整理整頓でこの夏は終わりそう💦

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