雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭


艶やかなサツキの花々が過ぎ、いよいよ“初夏“の兆しが感じられる季節になってきました。
毎年“せめてひと鉢ふた鉢、花をつけて!“と、祈るように培養している菖蒲の鉢物。

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お蔭で今年は床の間に飾れるものが、佳き花をあげてくれました。
邪気を祓う願いを、菖蒲の葉姿を剣に見立てたのは、京都祇園祭りの“長刀鉾“にも表れています。

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清流の上を飛び交う二羽の燕!
大好きな田中以知庵の作品です。

脇には、明治神宮の菖蒲園にも見られる、“八橋“、ひとつの木からこの桟橋を彫り出したのは、名工田中一光先生。
白木造りなのが、菖蒲の清廉さと似合っています。

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季節を捉える飾り、盆栽と違って、菖蒲が売り物になる訳ではありません。
炉均窯の丸水盤に映える菖蒲も飾る前には足元を綺麗に“剝き込み“をしてからの席入れ!
盆栽人として、プロとして、怠る事なく、ご覧に入れ続けたいと思っています。
それにしても、気候変動? 
季節の草物花物、何とか上手く育って下さい💦


誰も居ない中での、盆栽と向き合う時間の素晴らしさ‼️

遅々として進まない、植替えや樹の手入れ💦 
季節が移る中でどこまで今年の作業が出来るかの闘いが続いています。
そんな中、
“会長、昼間は来客や水掛け、他の事多く、中々本気の手入れが進みません。良ければ亭を締めてから夜やりましょう“
と具申してくれて、さあ!盆栽屋らしく、植替え手入れの特別の時間が始まることになりました❗️

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作り途中の黒松、差枝に力を乗せる為の、徒長枝の“伏せ込み“針金かけ、
カチカチの状態の大型松柏、
3時間で4本の手入れが終わりました。

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私がこうして若いもの達と、手入れの時間を共にする機会も少なくなりました💧
仕事を進めながら、“なぜこうしているのか? なぜこの鉢に入れて、この観付き角度になるのか?“
実践を一緒に進めながら、そんな話をしていることが、彼らにとっても勉強になってくれればと願いながらの、大切な時間の共有でした。

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大型連休の間は、羽生雨竹亭も「春の観照会」 道路も渋滞するので、1年で1番長く在園する時です。この間、参加出来るスタッフと日々こんな時間を過ごしたいと思います。
ただ、1日目の次の朝、さすがに朝7時から、この夜間作業21時まで、体がバキバキでした💦
“寄る年並み“には勝てません💧 
でも何も考えず、樹と若者と共にする時間は最高です‼️


2月末頃から毎年、“植替えの季節💦“と、本庭2000坪、培養場2000坪を埋め尽くす、盆栽達の手入れに追われる春が間もなく過ぎていきます。

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“無尽蔵“かと思う程の雑木盆栽から始まり、遅れ気味の五葉松へ💧
そこへ外からお客様からの依頼の植替え💦
長く植え替えていなかった樹、根が張って鉢を割ってしまった樹、まるで救命病棟のような手入れ小屋💦
春の手入れの季節は、盆栽業には朝も夜もありません。
しかし、雨竹亭のように、会社組織になっていれば、休日も超過残業に対する厳しい考え方も存在してしまいます。

季節と時間は待ってくれません💧
その中で、“この季節にしか出来ない手入れを進める“

勿論、お客様の応対・仕入れや交渉事など、他用で留守もあります。

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鋏を持って、樹に対峙している時は、何も考えずに向き合っている自分が居て、
“ああ、こんな時間が一番だ“と感じてしまいます。
やりたい手入れ、やりきれない手入れ、やむを得ず今年を飛ばして、やり過ごす樹。
私達盆栽業は、盆栽に支えられ、愛好家に支えられるもの!
お金持ちの扱いだけしていれば商売としてはいいかもしれないけど、樹に貴賎はありません❗️
体力がなくなったな!と感じます。
“明日は夜明けから頑張ろう“とすれば、
翌朝が体が言う事を訊きません(笑💦)
でも、どんなにキツくても、盆栽と生きてゆくのが、私達の生き方なのは変わりません。

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毎日が良い天気でありますように❗️
忙しい時は雨がしっかり降りますように❗️

わがままですね💧
さて、腰に鋏を差してもうひと頑張りです💦


五葉松の植替えの最適期を待って、3年間、唯々樹勢の回復を待った樹を植え替えました❗️
友人の盆栽園に訪れた時、庭の片隅に木箱に植えられた状態で、
プロの言う“半枯れ“の姿の左右が2m近い“パラパラ“の五葉松がありました。

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よく見れば、なんと1本の“根連り“の山採り樹でした!
細身の連々とした黄ばんだこの樹、
“売り物にはならない大きさだけど、生きてくれれば他には無い景色がある唯一の樹❗️“ と思って、譲ってもらって3年。

木箱は半分朽ちてきたけれど、広い非公開培養場の片隅にこの子が居た3年は、
自然界でどのように生きれば、こんな根の状態から幹や枝が生い立つものか?
と生きる力の凄さを感じる程に、その樹勢は回復しました。
樹は自分の命を自分で蘇生させるものなんだと実感しました。

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満を持して、この子の為に探しておいた、幅218㎝の平石(正確には人の手によって作られた平石)に穴を開けて、
木箱を外して、大切な根をそっとほぐして、植え付けてみました❗️

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おそらく深山で倒れた幹に残された枝が幹となり、さながらひとつの松林を描くようになった、
“自然が創り上げた“姿そのままの景色ある作品となりました。

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ここから何年かかるか?わかりませんが、
いつかは人が眼を留める“唯一の樹“になる事を祈って、一緒に歩み始めたいと思います。

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もう半年以上、全国で盆栽の盗難が続いています。
関西を中心に、盆栽園からの被害報告が続いた昨暮。
中品盆栽の高級品など、“昨日の深夜、アソコもやられたらしい“ ・・こんな知らせを毎日聞く辛い日々が続いていました。

業界挙げて、情報の共有をしたり、過去の被害からの注意勧告など、
“受け身“ではあっても仲間の被害を何とか食い止めようとする業者間。

海外の犯罪チームの犯行らしい事は、初期より指摘されていました。
盆栽園は勿論来園される方々を歓迎します。
その来園を利用して、下調べをして、僅か5~10分で10~15鉢を持ち出してしまう💧 
計画指示役・下見役・実行犯・ヤミ取引役など、完全に組織化されているようです。

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私共も、アラーム、防犯カメラ、パトロールなど、大切な盆栽達を守る為に様々な設備や契約をしますが、犯罪は中々止まりません💦
毎日水を与えて、その成長を見守る盆栽。
商売とは言え“愛情“がなければ出来ません。

基本的に盆栽業に携わる者は、“盆栽を盗むなんて有り得ない“という、自分と同じ考えが、基本になってしまいます。
また、そうであってほしいと言う願望もあるかと思います。

羽生には、培養場の各区画に“番犬“がいます。
広い庭内、彼らはいつも夜には庭に放してあります。

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ゴールデンレトリバーやラブラドール、優しく大人しく、盲導犬も多い犬種です。
やっぱり、どんな設備よりもこの子達の“守り“が、何よりも頼りになります。
自然を愛する趣味の盆栽。
どうか、金銭としての悪意が1日も早く消えてくれますように❗️

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