雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭


花咲きを進めないように、東北のお客様に半月お願いして預けておいた梅類の売り物。

売店搬入数日前に持ち帰り、夜を徹しての植替え鉢合わせ❗️

ギリギリまでそのままにして、“お嫁に出す“寸前で、美しい鉢合わせをした数々❗️

羽生の地で育てて姿を整えて、売店で“お披露目“ をする前には、少しでも“良き衣装“ とお化粧をしてあげたいものです。

それでもまだ寒気強いこの季節、根を捌くのにも生育を気を付けないといけないです。

この梅はその昔、私がまだ修行中の頃(45年ほど前)栃木県真岡市にいらした大家、石川先生の愛蔵樹でした。


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盆栽の目筋は勿論のこと、お人柄もまさに“紳士“そのものだった方。

一時衰弱していたものを手に入れて、5年以上培養に努めたものです。

ようやく、先生がお持ちだった頃の樹格に近くなったので、お披露目とすることにしました。


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盆栽は命が繋がれば、姿を新しくして私たちの前に現れます。

古樹と呼ばれるもの、ひとつでも次の時代に残して行きたいものです。


新春盆栽展が終わり、エスキューブ主催の業界大型オークション「天地会」も過ぎ(9100万の出来高❗️)

いよいよ、盆栽界最大の祭典「国風盆栽展」を20日後に控え、

私達プロは、展示の審査結果に一喜一憂しながら、商売の方の『立春盆栽大市』への支度が始まります。


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エスキューブは、創業当時より、上野グリーン倶楽部2階に、最大規模のスペースをお借りして、

毎年その年にあった品揃えに悪戦苦闘しながら、“美しい展示“としての売店を作っています。

今年もその準備!


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飾る盆栽は、手入れや植替えを施すものもあり、松柏から雑木盆栽、最後には水石・盆器・道具類にまで、収蔵庫の中を行ったり来たり💦 

少しでも遠方から国風展をご覧にいらした愛好家の方々と、ここから始まる“ご縁“の糸が繋がるようにと願っています。


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近年は、初日の前日(今年は1/7)午後から、バイヤーさん達に開放する“プレオープン“が倶楽部で行われます。

“木村チーム“、木村正彦先生と合同で展示の方をする私どもは、売店搬入と美術館搬入が同じ日程で重なります💦 

事前に設備を作って、同時搬入の差配をしなければなりません!

今年は暖冬の影響で、野梅など、梅の盆栽の開花が早く、東北のお得意様にお願いして、

半月ほど北国の寒さの中で梅の商品としての時期を調整させて頂くという苦労も増えました😅


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“雨竹亭らしいもの“・・拙いものでも、名木名石でも、どのようにお越しの皆様にご覧入れようか?

ここから毎年の“戦い“が始まります‼️


長年の交流と友情を重ねる、中国常州市の盆栽園「随園」王永康先生の所で、盆栽の勉強をする陳子淇君。


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羽生の地で日本の盆栽技術、そして文化の習得に、もう数回学びに来ています。

今回は週に一度は朝7時から、私との交流によって、名匠木村正彦先生の所にも、研修に通っています。

今月には“春節“を前に故郷常州に戻りますが、来る度に少しずつ“上の仕事“を体験させて、 プロとしての力量を高めてもらおうと思って指導しています。

寡黙に盆栽と向き合う彼。

12月から1月は、羽生の応接庭園に飾る赤松の仕上げ手入れも任せてみました。


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盆栽はその人が持って生まれた“感性“が大切です。

その点では、よく色々と習得していると思います。

ひとり黙々と手入れ室で盆栽と向き合う彼。

帰国が近づく中、施術が難しいと言われる大阪松の大樹を任せてみました。


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何年も枝が傷んで、健康状態が落ち着くまで何もせずに培養した樹。

ひとり樹と向き合って舎利を剥きあげ、樹種独特の“堅い枝“を“樹の声“を聴きながら曲げて・・。

5月の時が彼に授けた盆栽人としての知識と技は、日本と中国の皆んなが見守る中で育まれました。

幾度もの何本もの盆栽達が、彼と対話したり葛藤したり、その中で盆栽も人も成長します。

私も王永康先生も、彼が一人前のプロになる頃には、もう居ないかもしれません。

しかし、人を育てる事こそ、老成する私たちが最もしなければならない事だと思います。

頑張れ❗️陳君‼️


羽生雨竹亭で1年に4回の大型プロオークション「天地会」が間もなく開催されます。

今回ここで半世紀を超える盆栽趣味、名樹の数々を含めて約150点の盆栽を一斉に盆栽界に放出される愛好家がいらっしゃいます。


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30年のお付き合い。

これまでも、天寿を全うされて、ご家族様からのご依頼で盆栽の整理を頼まれる事は、

私も長い盆栽業の人生でどれほどあったか数え切れませんが、

お元気な中で、しかもここからもご正業の引退はご年齢から止むを得ないとしても、

その機会に大好きな盆栽をすべて放出される方は経験がありませんでした。

趣味家に寄り添う事が私達盆栽業の姿ですが、それ以上に盆栽を捉える眼力、考え方、どれ程のご教授を頂いた事か!

まさに“目利きの旦那様“と言える方。

“儂はここからも、もう一度儂らしい盆栽をやっていく“と、ゼロからの趣味の幕を開けると仰っています。


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“この中で少しでも残されておけば良いではないですか!“と何度もお伝えしましたが、

ご自身の“生き方“の矜持というものが、中途半端な事が嫌いな方💦

二十代から半世紀以上、ご自身で世に送り出した名樹、雅盆、“盆栽の味わい“という事を含めて、どれだけの趣味家に影響を与えたか!

そんな方が全品の放出。

私もこのような方とは、そのレベルの高さを含めて出会った事がありません。

出入り方の1人である私は、この「天地会」をこの方に“そうか、ご苦労さんだった“と言われるように取り計らう事、

そして何より“八十路のここからの再出発“をされるこの方の盆栽趣味を、どのように寄り添えるか!試されているようです❗️

盆栽も人の心も、“受け継ぐ“事を学ばせて頂いています。


明けましておめでとうございます。

羽生雨竹亭は、関東の元旦らしい穏やかで晴々とした天気の中、新年を迎えました❗️


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昨年も多くの出来事、そして多くの方々との出会いを頂きました。

今年も盆栽と水石を通して、皆様に“何が出来るか?“  

精進を重ねながら歩みを進めたいと思います。

どうぞ宜しくお願いします🤲


雨竹亭は、1/4より恒例の『新春盆栽展』を1/12まで開催します。


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清々しい新珠の清浄な気の中、ゆっくりと盆栽や水石を楽しんで頂ければと願っております。

今年の御勅題は「明」 

明るいとも、“めい“とも“みん“とも読みます。

昨年は世界を見回しても、紛争や戦争など、人が決して起こしてはいけない出来事がニュースで報じられました。

悲しい事です。

各国各自、それぞれの想いや歴史、感情もあるでしょうが、争いが起きて誰よりも辛い想いをするのは、幼い子らや、年老いた方々です。

勿論、盆栽のように日々“人の愛情“によって数百年生き続けるものは、

紛争など、人が命を守る為に他を見捨てなければならないような時に命を失います。

盆栽が健やかである事は、その国の人達の“心“が豊かである証拠でもあるのです。

今年も、盆栽を通して、平和と美しい時間の役に立ちたいと思います。

皆さんにとっても、ここからの1年が、素晴らしい時間になりますように‼️

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