雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


明けましておめでとうございます。

羽生雨竹亭は、関東の元旦らしい穏やかで晴々とした天気の中、新年を迎えました❗️


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昨年も多くの出来事、そして多くの方々との出会いを頂きました。

今年も盆栽と水石を通して、皆様に“何が出来るか?“  

精進を重ねながら歩みを進めたいと思います。

どうぞ宜しくお願いします🤲


雨竹亭は、1/4より恒例の『新春盆栽展』を1/12まで開催します。


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清々しい新珠の清浄な気の中、ゆっくりと盆栽や水石を楽しんで頂ければと願っております。

今年の御勅題は「明」 

明るいとも、“めい“とも“みん“とも読みます。

昨年は世界を見回しても、紛争や戦争など、人が決して起こしてはいけない出来事がニュースで報じられました。

悲しい事です。

各国各自、それぞれの想いや歴史、感情もあるでしょうが、争いが起きて誰よりも辛い想いをするのは、幼い子らや、年老いた方々です。

勿論、盆栽のように日々“人の愛情“によって数百年生き続けるものは、

紛争など、人が命を守る為に他を見捨てなければならないような時に命を失います。

盆栽が健やかである事は、その国の人達の“心“が豊かである証拠でもあるのです。

今年も、盆栽を通して、平和と美しい時間の役に立ちたいと思います。

皆さんにとっても、ここからの1年が、素晴らしい時間になりますように‼️


除夜の鐘が近づくこの頃、毎年欠かさず作ってきた「ふきのとう」の鉢植え。

数年前から温暖化と作り手の激減で手に入れる事が困難になりました😓

27年前、独立して銀座の店を開いて初めての暮れ、お世話になった方々のお姿を思い浮かべながら、

盆栽庭園も持てなかったあの頃、小さな庭先の星空の下、栃木県のかじかむ寒さの中、ひと鉢ずつ丹精こめて作ったあの頃を思い出します。


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ようやく手に入れた今年のふきのとう、届いてみれば、ふっくらとしていなければ使えない蕾が少なく💧

500芽仕入れて、使える“玉“は僅かに50あるかないか💦


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梅や松を使って、目出度い新春の鉢物をお届け用に作りながら、

ほんの少しでも、ふきのとうを添えて、初春の“なぞらえ“を楽しんで頂こうと思います。


“ ふきのとう・富貴の塔“  今年も宝の芽がたくさん出ますように❗️


【ここから始まる、新たな盆栽家としての歩み】

 

羽生雨竹亭の盆栽教室に、小学5年生の女の子が訪れてから7年。

テレビ番組「博士ちゃん」で盆栽を愛する小学生として紹介され、一躍その名を知られる存在となった清水ちえりさんですが、

あれからも変わらず、盆栽と向き合い続けてきました。


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国風展に史上最年少で出品したこと。

そして、思うような結果が出ず、悔しさに涙したこと。

私の子どもよりも若い世代でありながら、それでも盆栽の魅力を追い求め、ここまで歩んできたことを、何より嬉しく思います。


来春には大学生。

名門進学校での高校生活の締めくくりとして、卒業論文では「盆栽」をテーマに50ページを書き上げるとのこと。

すでに進学先も決まり、次のステージへ向かう準備が着々と進んでいます。

大学生となり、社会と向き合う中で、ものの見方や価値観はさらに深まっていくことでしょう。

その中で、盆栽をどのように見つめ、どのような表現へと昇華させていくのか。

将来、大きな可能性を秘めた素材を前にしているような気持ちで、私は静かに見守っています。


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先日、来春の国風展への出品を希望する盆栽の最終調整のため、木村先生のもとでご一緒する機会がありました。

落ち着いた佇まいの中に、これまで積み重ねてきた時間がにじみ、

まるで若木のもみじを眺めているかのような、心和むひとときでした。


自分自身の感性を大切にしながら、

盆栽への深い愛情を作品として表現できる盆栽家へと成長してくれることを、

一人の盆栽人として、ただ願うばかりです。

 

人も盆栽も、育ちゆく姿にはそれぞれの美しさがあります。

これから先、ちえりさんがどのような盆栽家になっていくのか——

その歩みを楽しみにしています。

国風展、中品飾りの相談で、十数年ぶりに千葉県野田市の「野田藤樹園」

浜野光晴さんの所へ行ってきました。


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中型盆栽の“隠れた名手“とプロの間で知られる浜野さん、その名の通り、

伺った棚場には、見事な中品盆栽が、手入れと管理素晴らしくビッシリ❗️

“人手も少ないので、ほとんど付きっきりです💦“と、いつも通りの明るく気の良い浜野さん。

名門藤樹園の一門としての重責にも、“無理せず自分らしく“を貫く中にも、

国内著名愛好家の方々との深い信頼と交流が、棚場からも感じられます。


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“1人だとこれが精一杯ですよ“と言う中にも、ここにある樹の完璧な手の入れようには頭が下がります。

中品部門での国風賞がここからどれくらい世に送り出されたでしょうか!

盆栽園其々の末に辿り着いた、ある意味の完成形を見たように思いました。


大観展を間近にした中、福島の舩山邸に伺いました。

約200点の盆栽が息づく庭園、吾妻五葉松のふるさととして、五葉松を中心とした盆栽達。


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朝の気持ち良い冷気を纏った空気の中、庭を歩いて思ったことがあります。

82歳でこれだけの盆栽の水掛けを日々なさる趣味家、振り返れば舩山会長は、

どちらかと言えば、"山採り“のような天然の樹相を持った樹がお好きです。


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若き頃、現在のような叙勲を受けられるお立場になるずっと以前、

二十代の頃は、ワンダーフォーゲルとして、日本各地の山々を縦走されていた事をよくお伺いしました。

裸一貫で「舩山工業」を築かれた苦労は私達には計り知れないものがあると思いますが、

おそらく舩山会長は、厳しい自然界で命を繋ぎ、誰に認められるではなく、

自らの“姿“を創り上げた樹々達に、共鳴するご自身をご覧になっているのかもしれません。

厳しさと深い“薄っぺら“ではない愛情、まさに人に対する会長の姿に似たものを感じます。


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枝がひとつ枯れても、何も仰らず、只々日々の管理をなさる姿。

この庭にいると、盆栽が教えてくれる様々な事を思います。

その樹にしかない“何か“を求めて、答えを急がず、静かに盆栽達と語り合う。

庭に出てこられる僅かな刻でしたが、朝日を浴びた樹々の中で、日頃忘れかけている大切なものを感じさせてくれた時間でした。

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