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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


修行に入った昭和49年の頃、毎月届くこの雑誌を食い入るように見て読んでいた『盆栽世界』が休刊になります。


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1970年、昭和45年創刊、実に56年の歴史です。20歳で銀座三越の「名盆栽の店」の店長として歩み始めた頃、

“どうやって商売をしていくか?“  そんな悩みをこの雑誌を見て多くの発見をして挑戦をした思い出が蘇ります。

その頃(1979)には、もう一つの盆栽専門誌『近代盆栽』も創刊まもない頃で、2誌がそれぞれの特色を持って競い合っていたように覚えています。


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盆栽世界の当時の編集長は、中山一さん。

文京区の白山にあった編集長室によく通ったものです。

“紙媒体からウェブサイトの中に情報というものが意向した今、それでも見たい時にスッと見られる雑誌は、記憶でも記録でも有難いものです。

残された『近代盆栽』の役割と成し得てほしい意義は大きいものになります。

私達専業の者も、このような雑誌が長く続くお手伝いをして行きたいものです。

『盆栽世界』長い間、ありがとうございました。


先日、もう40年近くお世話になっているお客様の所にご挨拶にお伺いしました。

国風賞級の名樹、歴史的名石など、長い愛好歴の中で、多くの名品の邂逅などを経て、

今は八十路を迎えられる中、日々を盆栽や山野草、そして美術工芸で楽しまれています。

今回も、目利きのご本人を笑顔に出来る品揃えに、頭の中は七転八倒💦

なんとか取合わせをしてみました。


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歓談の席の小床には、老爺柿の石付、掛物は大観の“雨後山水図“  。

玄関の向かい席には、南蛮キセルの生えた糸ススキ、その脇には木彫の芭蕉像、銘は「野分け」秋の先取りを設えてみました。


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玄関脇の付棚には、石彫の童子が石の上に寝て微笑む置物、銘はご主人如く「果報は寝て待て」笑❗️壁には若手日本画家、石川清秋の「月に雁」。


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こんな其々の場面を語らいの“箸休め“になるような飾りを楽しまれるのも、

頂点まで究めた愛好家が余技として楽しむからこそ、感慨深く観えるものです。

私もいつかはこんな“衒いのない“設えを楽しめるようになりたいものです。


70年ほどに1回、花を咲かせて立ち枯れる姫孟宗竹。

今年6月に20年来作り続けたすべての鉢が全滅になった悲しい出来事。


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本当に一斉に立ち枯れる事に驚きを覚えました。


そして・・昨日培養場の片隅にあったこの鉢群は、若い芽を一斉に吹き始めていました❗️

根は生きていました❗️


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勿論、ここから元の姿にするには5〜6年かかるでしょう。

1・2年丈を伸ばして、そこからすぐって、生きてくれた根から生まれた“ひこばえ“が、

また新しい感動を与えてくれる事に、命というものの“輪廻“の有り難さを本当に感じました。


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このブログを書いている次の日は丁度終戦記念日。

私の親の世代は、“焼け野原“から今の平和な日本を作ってくれました。

小さな出来事ですが、この姫孟宗竹達も、私に“諦めずに作る“心を教えてくれました。

必ず皆さんの前に飾れる作品に戻してみる❗️と。


毎日35度の埼玉県💦

羽生は勿論ですが、30分離れた名匠木村正彦先生の庭も変わらぬ猛暑の日々です。

そんな中でも、86歳になられる先生の創作活動は続いています。

先日も、“樹冠をどのようにして樹相を作れば良いか?“と、3年も考えがまとまらない真柏を、思案に暮れる中、先生に依頼しました。


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“いつでも良いですから“とお願いしたのですが、僅か1週間で改作に入られました❗️

30センチほど、高さを下げて、水吸いを芯抜きしてたたみ、上部の舎利を彫刻して、

あっという間に将来の姿を創られました‼️

ひとつの未完の樹を観て、完成図を頭の中に描き、まさにその通りに樹を仕上げてゆく・・

唯一無二の仕事です❗️


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先生にとって樹造りとは、ご自身が“生きている“そのものなのかもしれません。

見習いたいです‼️


先日木村正彦先生に呼ばれて、樹相作りをお願いしてある真柏の構想の件でお話をさせて頂きました。


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“森前君、この上部3分の1は、樹冠を立て変えて低くして、天舎利にしたらどうだろうか?“と、

バサバサだった樹にある程度の樹姿を出した後に相談を受けました。


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勿論私が言えるのは“先生にお任せします“です💦

40度になる先生の伊奈の地!

その中でも日々樹と向き合われる姿には、唯々頭が下がる思いです。

併せて“こっちへ来てみて“と、邸内奥の作業室、芽切りの季節の後に先生の所に来た黒松2点。


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芽の伸びを抑える為に、鉢の縁周りを掘り下げ、土中まで水切りが進むようにして、4~5日水を切る特殊な管理❗️

一般の方や、先生ですらお預かりの樹には危険を伴うのでなさらない特殊な事‼️

“ギリギリの水で、芽の動きを止めるんだよ“と、当たり前のように仰る先生。

それぞれの老樹の状態を知り尽くした先生だからこそ出来るプロでも怖い仕事。

飽くなき探究心の塊りの木村先生。

いつになっても、見習うべき事ばかりです。

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