雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


羽生から東北道~北関東道~関越道で、関越トンネル“谷川岳“を超えて(大袈裟ですね💦車で2時間半!)
越後の国、新潟県長岡市の水石家、中川さんの所へ伺ってきました❗️

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私と干支でひと回り上の中川さん。
煎茶を愛し、水石を愛し、ご自宅の一部を、来訪される趣味の皆さんとの語らいの場にして、悠々三昧の生活‼️

相変わらずの水石に対する目筋の良さ!

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拝見するものすべてが、“ズレてない“ 秀石揃い!
水石は勿論の事、水盤の話(当日は“幻の呑平“で盛り上がり!)道具の話、尽きる事ない楽しい時間でした!
ひとりの目利きが、創った“自分の世界“ 皆さんも長岡の方へ行く時、連絡して拝見すると良いですよ!
すぐ近くに、銘酒「久保田」の朝日山酒造があって、ショップやレストラン、楽しめます❗️


5月16日~7月15日、長野県岡谷市で活躍した、
盆栽水石界の巨人、小口賢一翁(号・寉甫)の書における足跡を遺された作品によって、市立岡谷美術考古館で開催されています。

5月18日は、翁の足跡を顕彰する刻があり、ご子息小口博正氏を中心のこの企画に私も久しぶりに岡谷市へ伺いました。

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出典:市立岡谷美術考古館HP https://okaya-museum.jp/

盆栽や水石を書と同じく、日本人の感性が成し得た芸術と捉えた翁は、
生涯生業の傍ら、自身の内なる研鑽によって、独自の境地へ達した書風を創り上げました。

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私も若輩の頃、賢一翁には、多くの薫陶を頂き、時にはその書を制作している隣で拝見する機会も得ました。
翁が逝ってもう長い時が過ぎました。
果たして今の盆栽水石界に、翁のような気概でこの世界を見つめた方がいるでしょうか?

文化財として登録されている盆栽庭園と建築「寉龍庵」は今も博正氏と奥様が、守って下さっています。

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翁の遺された盆栽達も、この庵で変わらぬ刻を送っています。
“顕彰する心“  多くの天界に逝った先人達が願った事、私達は今日を生きる事に傾注して、
巨人達が示してくれた“何を求めているのか?“を、もう一度再考すべき!という事が心に沁みる時間でした


もう半年以上、全国で盆栽の盗難が続いています。
関西を中心に、盆栽園からの被害報告が続いた昨暮。
中品盆栽の高級品など、“昨日の深夜、アソコもやられたらしい“ ・・こんな知らせを毎日聞く辛い日々が続いていました。

業界挙げて、情報の共有をしたり、過去の被害からの注意勧告など、
“受け身“ではあっても仲間の被害を何とか食い止めようとする業者間。

海外の犯罪チームの犯行らしい事は、初期より指摘されていました。
盆栽園は勿論来園される方々を歓迎します。
その来園を利用して、下調べをして、僅か5~10分で10~15鉢を持ち出してしまう💧 
計画指示役・下見役・実行犯・ヤミ取引役など、完全に組織化されているようです。

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私共も、アラーム、防犯カメラ、パトロールなど、大切な盆栽達を守る為に様々な設備や契約をしますが、犯罪は中々止まりません💦
毎日水を与えて、その成長を見守る盆栽。
商売とは言え“愛情“がなければ出来ません。

基本的に盆栽業に携わる者は、“盆栽を盗むなんて有り得ない“という、自分と同じ考えが、基本になってしまいます。
また、そうであってほしいと言う願望もあるかと思います。

羽生には、培養場の各区画に“番犬“がいます。
広い庭内、彼らはいつも夜には庭に放してあります。

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ゴールデンレトリバーやラブラドール、優しく大人しく、盲導犬も多い犬種です。
やっぱり、どんな設備よりもこの子達の“守り“が、何よりも頼りになります。
自然を愛する趣味の盆栽。
どうか、金銭としての悪意が1日も早く消えてくれますように❗️


25歳の時から40年のお付き合いのある愛好家の所へ伺いました。
同じ65歳!
定年して盆栽三昧の日々を送られる手入れ好きの穏やかな方。

北関東の寒気を避ける為、納屋を冬室代わりにして、雑木類を保護されていました。

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もみじ・花梨・楓・椿・・花物がお好きな方。
苗木のような樹から刻を惜しまず40年❗️
いつの間にか、丹精が形になり、美しい樹相を見せるまでになりました。
“太くなくても、展示会向きでなくても、自分の好きな盆栽を!“と言い続けて来た方。

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五葉松・赤松の文人形もお好きで、“ウチの樹達は、風がすり抜けていくよ(笑)“と
いつも変わらぬ方です。
実用で集めた、山秋や鴻陽、そして秀峰、数えれば500点‼️

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あれを入れよう!これに合えば!としているうちに、集まっちゃった‼️と笑顔。
趣味家と言うもの、誰かに評価してもらおうとか、高く売れるようにとか、そんな事全く無い盆栽人生。
羨ましくもあり、見習うべきところもあり、の1日でした。


YouTube「WABIチャンネル」の撮影を兼ねて、雨竹亭がある羽生、飾りの求道に生涯を費やした、
故根岸庄一郎先生(号・雨卲)の遺された本格数寄屋建築の中に、盆栽飾りを今年初めてしました❗️

“明けやらぬ春“・干支の辰(龍)が不二(希望や夢)を目指して昇る。
こんな想いを、玄関・寄付床・書院・茶室、これが“ひとつの主題“で構成されている世界観でまとめてみました。

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玄関脇には、雪屋の香炉、京都清水焼の名工、清水六兵衛の作。
寄付には枯淡の幹味の野梅、掛け物は「雪に独雀」横山大観と並ぶ近代日本画の巨匠、竹内栖鳳の筆。
この2か所に込めた想いは、深々と降り積る雪、梅の花もまだ咲かず、雪上の一羽の雀は、寒さの中翔ぶ刻を待っています。
初春から早春へと移る手前、季節の訪れをじっと待つ“今“を表している世界です。

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本床(書院床)に飾られた真柏、細身ながらも厳しさを宿す姿は、まさに“龍が翔け昇る様“を感じさせています。
天を仰げば、そこには神厳なる霊峰。
不二は山でありながら、その姿を超越した“仰ぐシンボル“。
真柏の“龍“は、この神山に登ろうとする私達の心。
あえて脇床に大型の“大八洲・おおやしま“を配したのも、
“山“の被りと言う“忌み飾り“を承知の上で古典を超えて、年の初めの様々な“願い“を飾りに込めてみました❗️

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茶室には、数少ない門司梅花石。
“まだ咲かぬ梅の花、石の上だけでも咲き待ちの心を伝えたい“、これも願いを込めました‼️
掛け物は、若き“飾り道具としての掛物“の研究に尽力される、石川清秋師の“細雪“。
今年も早く“春よ来い“‼️

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