雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


昨年暮れに同業者から入手した真柏。

細身ながら真柏盆栽の真髄を感じる樹、それでもどこか“枝が重い“と言う感覚と、

“見せる所が隠れている“と言う思いが始めからありました。


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昔の私ならすぐに“道具を持ってこい“と、刹那の仕事をしたものですが、

この樹とて今までの方々の愛情が受け継がれて来たからこそ、今に生き続けている事を思えば、

正しい改作だとしても、出来るだけ“胸にスッと落ちる“程の納得をしたいと思って、幾日も幾日も時々の自分の心の在り処を替えて観続けました。

その上で、“やっぱり枝が重い、樹に空間を出したい“の思いが固まりました。


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樹の樹勢を上げるために伸ばされた枝々、余分な枝を外し、“腰を軽くする“ことも❗️

山採り真柏の舎利幹が捻転する姿、立ち姿と枝の“間調子“!

何となく、納得する姿になりました‼️ 


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でも・・これが終わると、“雨竹亭の家族“になって、あっという間に“お嫁“に行ってしまう💧

嬉しいやら😅・・因果なものですね😓


新春盆栽展が終わり、エスキューブ主催の業界大型オークション「天地会」も過ぎ(9100万の出来高❗️)

いよいよ、盆栽界最大の祭典「国風盆栽展」を20日後に控え、

私達プロは、展示の審査結果に一喜一憂しながら、商売の方の『立春盆栽大市』への支度が始まります。


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エスキューブは、創業当時より、上野グリーン倶楽部2階に、最大規模のスペースをお借りして、

毎年その年にあった品揃えに悪戦苦闘しながら、“美しい展示“としての売店を作っています。

今年もその準備!


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飾る盆栽は、手入れや植替えを施すものもあり、松柏から雑木盆栽、最後には水石・盆器・道具類にまで、収蔵庫の中を行ったり来たり💦 

少しでも遠方から国風展をご覧にいらした愛好家の方々と、ここから始まる“ご縁“の糸が繋がるようにと願っています。


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近年は、初日の前日(今年は1/7)午後から、バイヤーさん達に開放する“プレオープン“が倶楽部で行われます。

“木村チーム“、木村正彦先生と合同で展示の方をする私どもは、売店搬入と美術館搬入が同じ日程で重なります💦 

事前に設備を作って、同時搬入の差配をしなければなりません!

今年は暖冬の影響で、野梅など、梅の盆栽の開花が早く、東北のお得意様にお願いして、

半月ほど北国の寒さの中で梅の商品としての時期を調整させて頂くという苦労も増えました😅


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“雨竹亭らしいもの“・・拙いものでも、名木名石でも、どのようにお越しの皆様にご覧入れようか?

ここから毎年の“戦い“が始まります‼️


【盆栽家の頂点を極めた人生訓❗️】


新年のはじめ、都内江戸川区の「春花園BONSAI美術館」に“鬼才“小林國雄先生を毎年のように年賀で訪れました。

今年は普段の時にも増して、伝えたい事がありました。

昨年の暮れに小林先生が上梓された『人も盆栽も枯れるから面白いんだ』という本。


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タイトルもさることながら、エッセイとしてまとめられたその内容は、悪戦苦闘の盆栽人生をありのままに綴ったもの❗️

人柄そのままに恥じる事もなく赤裸々にご自身の歩かれた道の中で感じた事を書かれている。

勿論“人間学“の部類において質の高い出版で定評のある到知出版が手がけただけの事のある深みある内容。

長年小林先生への取材や紙媒体に協力してこられた、編集者、高谷治美さんの構成力が光る本とも言えます。

私が何より高く評価したのが、盆栽の作り方や、名品の紹介ではなく、

この本には“小林國雄が盆栽と歩んで掴み取った生き方“が、ギュッと凝縮されていることです❗️

人間の高みを見つめた盆栽の本というものは今まで皆無でした。

勿論直接的ではない形での尊敬すべき本は数多ありましたが、

見事なエッセイ式での組み立てで読める盆栽関連のものは今までありませんでした。

私は“親方、この本はホントに素晴らしい❗️“と、率直に言うと、満面の笑みで喜んで下さいました。


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“鬼才“という表現で、独自の歩み方をされた小林國雄先生。

しかし、八十路を前にあくまで“真っ直ぐに“盆栽と生きる姿は、既に鬼才ではなく、

“王道“の盆栽人として仰ぐものになっていると思います。

いつもそばでその姿を拝見している私には、盆栽を突き詰めて来たひとりの男が、言葉ではなく辿り着いた境地がここにあるように思います。

こんな本を興してくれた事に素直に感謝したい気持ちです。

ぜひ皆さん読んでみてください‼️

盆栽の作り方ではなく、人間の歩き方を感じる事ができる本です❗️


明けましておめでとうございます。

羽生雨竹亭は、関東の元旦らしい穏やかで晴々とした天気の中、新年を迎えました❗️


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昨年も多くの出来事、そして多くの方々との出会いを頂きました。

今年も盆栽と水石を通して、皆様に“何が出来るか?“  

精進を重ねながら歩みを進めたいと思います。

どうぞ宜しくお願いします🤲


雨竹亭は、1/4より恒例の『新春盆栽展』を1/12まで開催します。


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清々しい新珠の清浄な気の中、ゆっくりと盆栽や水石を楽しんで頂ければと願っております。

今年の御勅題は「明」 

明るいとも、“めい“とも“みん“とも読みます。

昨年は世界を見回しても、紛争や戦争など、人が決して起こしてはいけない出来事がニュースで報じられました。

悲しい事です。

各国各自、それぞれの想いや歴史、感情もあるでしょうが、争いが起きて誰よりも辛い想いをするのは、幼い子らや、年老いた方々です。

勿論、盆栽のように日々“人の愛情“によって数百年生き続けるものは、

紛争など、人が命を守る為に他を見捨てなければならないような時に命を失います。

盆栽が健やかである事は、その国の人達の“心“が豊かである証拠でもあるのです。

今年も、盆栽を通して、平和と美しい時間の役に立ちたいと思います。

皆さんにとっても、ここからの1年が、素晴らしい時間になりますように‼️


除夜の鐘が近づくこの頃、毎年欠かさず作ってきた「ふきのとう」の鉢植え。

数年前から温暖化と作り手の激減で手に入れる事が困難になりました😓

27年前、独立して銀座の店を開いて初めての暮れ、お世話になった方々のお姿を思い浮かべながら、

盆栽庭園も持てなかったあの頃、小さな庭先の星空の下、栃木県のかじかむ寒さの中、ひと鉢ずつ丹精こめて作ったあの頃を思い出します。


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ようやく手に入れた今年のふきのとう、届いてみれば、ふっくらとしていなければ使えない蕾が少なく💧

500芽仕入れて、使える“玉“は僅かに50あるかないか💦


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梅や松を使って、目出度い新春の鉢物をお届け用に作りながら、

ほんの少しでも、ふきのとうを添えて、初春の“なぞらえ“を楽しんで頂こうと思います。


“ ふきのとう・富貴の塔“  今年も宝の芽がたくさん出ますように❗️

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