雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2026年06月

フィレンツェに近い“中世の街並み“のパドバ。

ここに暮らす盆栽家のエドワルドご夫妻。

今回のイタリア講演旅行の多くのサポートして下さった方々の中でも、公私に渡って帰国するまで、私達に寄り添って下さったお二人。


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とても変わった経歴の方で、何と!30才まで(現在私とひとつ違いの66才)イタリアを代表する管弦楽のオーボエ奏者❗️

20才の頃から盆栽を趣味にされていて、どうしてもプロの作家として人生を謳歌したいと、

奥様を説得してご苦労して現在の盆栽園を作られたそうです。

古典的な盆栽観を大切になさるエドワルドさん。

基本的にご自身が手がけた盆栽を売ることなく、盆栽教室で生計を立てるのに10年かかったとのこと!

現在生徒さん150名!週3回開催、1回の参加費約1万円!(日本ではとても無理!)

しかも奥様は1回8~10名が9時〜18時までいるので、お昼ごはんも全員分毎回作られるとの事💦


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“自然を観よう!“と2泊で連れて行ってくれた北イタリアのアルプス「ドロミテ国立公園」の美しさは言葉になりません。

遥かに聳える氷河が削り取った山々。

“イタリアの方々の水石の心の中の原点はここにあるんだ“と、交流をここから深めるためにも来て良かったと思いました。

帰国の前夜は、“1年ぶりに演奏する“オーボエを聴かせて下さいました。


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ナマでクラッシックの演奏を目の前で聴くなんて初めての体験。

“本物はすごい!“と思うと共に、これを日本の盆栽展で演奏できないものか?“と、いつもの悪い“思い付きの面白い事“の病気が発病しました(笑)

水石に対するイタリアの方々の慧眼の深さ、日本の文化や歴史に対する研究。

講演する私にとっても楽しいものでした。

外国で“森前、谷崎の陰翳礼賛はどう思う? “もののあはれ“は、水石でどのように表現されるか? 楽しくてゾクゾクしました❗️


エドワルドさんご夫妻は、秋のヨーロッパでの展覧会の打合せで9月には来日の予定、今回のお礼を込めて何処かに案内したいと伝えると、“桂離宮“❗️日本人も頑張らないと💦‼️


5年以上前から懇願を受けていたイタリア水石講演。

今回あくまで私的な旅程の中で組む事になりました。

イタリア・トスカーニャ地方のイエナ。

ワインの里として、500年を超える建物が当たり前の地❗️

現地の著名盆栽家、ロレンツォさんの邸宅をお借りしての講演。


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ローマ・フィレンツェなどから集まった熱心な方々。

どこかでお会いしたような…?

皆さん都美水石展の時などに、羽生までいらした方が半数以上❗️

3時間の予定を4時間半‼️ 

果たして日本で今これだけの水石に対しての探究の熱意があるものか!驚きました!


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持参できる講演用の水石や掛物にも限界がある中、少しでも私が培った水石の知識が役に立てばと、

模造紙に筆で書いたり、各自が持って来た石をみんなで“見立て“たり、楽しい時間になりました。

目の前には1000年前の教会や十字軍遠征の記念碑など、イタリアは日本と同じく、歴史の積み重ねが人々の生活の隣にありました。

そのアイデンティティが、盆栽や水石に対するこの国ならではの考え方にも影響しているようです。


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特にロレンツォさん自身も、盆栽に対しての姿勢が、私達が小僧の頃に教わった、

“作りすぎるな!自我を出し過ぎるな“を探求されていました。


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ご自身の盆栽は売らないらしいです。

それもそのはず!聞けば近くに古城もお持ちとの事❗️

恐れ入りました💦


5年前より頼まれていたイタリアへの水石講演。

ローマ・フィレンツェ・ベネツィア、レベル高いイタリアの方々との交流がようやく実現します。

出かける前に庭園応接の飾りを少し早めの“夏越の祓“に因んだ飾りにしてみました。


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2週間の留守は、15年以上前、中国への“正規の松柏盆栽の移送“に挑戦したあの頃以来です。

それだけ留守に出来るようになったのも、一緒に歩んで来たスタッフ達が立派に守ってくれるようになったからです。感謝🥲


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掛物は毎年夏越の時に使ってきた日比野白圭筆「薙刀鉾」 

空に向かって刃を光らせる薙刀鉾。

京都の祇園祭りでも山車の先頭で邪気を祓っています。

帰国する頃はまさに夏越!

それまで羽生の盆栽やスタッフ、勿論皆さんにも災いがありませんように‼️


毎年、梅雨から暑気の始まり、清々しい涼風を感じさせてくれる姫孟宗竹の寄せ植えは、

この時季“夏至から名越の祓“そして七夕へと、移ろう季節を竹の盆栽として私達を和ませてくれました。

ところが、桜が過ぎた後、庭内培養場の姫孟宗竹に70~80年に一度と言われる花が一斉に咲きました。


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“竹は花を付けると枯れる“と言われますが、実際に本当にそうなる事は見た事がありませんでした。

しかし、日が経つにつれ、徐々に孟宗竹の“生気“が弱くなり、少しずつ枯れて行きました😥

最終的に5月の末頃には、殆どの鉢が枯れてしまいました。


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独立して銀座の店を開いた頃から作り続けてきたものもあります。

残念というより悲しく、“なぜ“ と言う疑問が消えません。

聞けば近隣の盆栽園の友人達も同様だったそうです。

竹は本当に周期的にそんな事が起きるのでしょうか?

本物の孟宗竹の竹林を持つ友人の所は何も変わらないとの事。

枯れた鉢の上からかすかに新芽が出ていますが、期待虚しく、余力が芽を吹かせているらしいです。

命の輪廻、私達人間では計り知れない出来事が数多くあるようです。

めげずにまた一から作ってみせます❗️

ここから70年‼️次の世代のために‼️


私がナビゲーターを務めるYouTubeチャンネル、「WABI CHANNEL」の撮影を兼ねて、

木村正彦先生門下、若手頭角の作家、森山義彦先生の協力を得て、この季節がベストタイミングの真柏の皮剥き施術を行いました。


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苗木の頃から畑で捻転曲芸を付けて無駄枝を走らせて太らせた素材。

僅か数時間の間に森山先生の手で、将来の中品逸材の片鱗が見えるまでになりました。


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“明日売れるもの“に偏りがちな我が業界💦 

出来れば少しでもプロ仲間の皆で、このような“次の時代への作出というものも、心掛けたいものです。

荒ぶれた素材が価値あるものに変貌するこの作業、楽しいものです❗️

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