雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2025年05月


5/19~5/22に開催されている大阪EXPO盆栽水石展に展示される名木達の手入れを完了しました❗️

IMG_3420
五葉松名樹「天帝の松」そして、日本盆栽作風展で内閣総理大臣賞を受賞した真柏。
木村先生の門弟として、この真柏の作者でもある森山義彦さんと、
私共エスキューブのスタッフで、毎週木村先生の所で、技術研修をさせて頂いている近藤瑞希君。

IMG_3421
福島の舩山邸から運び、2日間かけての作業💦
大きくて手入れ室に入らず💦
外の屋根下で名樹の“仕上げ仕事“‼️

数年間、何処にも飾らず、福島の風の下で、ゆっくりとしたせいか?
樹はとても生育の良い状態です❗️
繁茂した枝々を“透かし技“で空間を作り、葉先が美しく揃うように仕上げるのは、
簡単そうに見えて難しく、さすが木村一門ならではの手入れが進みました。

下がり過ぎた効き枝のバランスをそろえて、万博に飾る姿が完了しました。

IMG_3419
14年前、四国高松市で開かれた、「アジア太平洋盆栽大会in高松」で初公開され、
1億円の価格が表示された巨大五葉松!
後に京都「日本盆栽大観展」で、栄えある内閣総理大臣賞を受賞したこの樹は、
ずっと福島“吾妻山“麓で、静かな刻を過ごしていました。

四国で公開され、京都で冠を獲り、そして今回万博に展示される・・・。
この樹が背負った名樹の道を表しているようにも思います。
世界の方々が、どのように観てくれるでしょうか?楽しみです‼️


連休明けの“五月雨“の降る中、盆栽教室生徒さん達による、初めての「生徒作品展」を開催しました❗️

IMG_3379
前日までに集められた、各展示品!
生徒さん達と、“作る事から飾る事へ“と、今まで経験のない、展示会を開く!飾る!という勉強を実践形式で、私と一緒に行いました。

IMG_3381
卓や地板を決めるのに、雨竹亭の巨大な収蔵庫(100坪!)に入り、自分達で選んでもらい、
それを使ってまず飾り、何が合っていて、何が替えるべきか? 
隣の席とのバランス、展示される盆栽の“飾る前の清め作業“、ひとつひとつが、
いつも月2回の教室で、自分達の樹を持ち寄って、その時その季節に大切な手入れ作業を指導している中、
“盆栽は最後は飾って楽しむもの“という事を伝える良い機会になったかと思います。

IMG_3382
ご自身のコツコツ作ってきた作品が、ささやかながらも“晴れの舞台“に飾られた時の、生徒さん達の表情は嬉しいものでした❗️

IMG_3383
これも雨竹亭の教室が教えたい事!
出来れば、春と秋に定期的に開催できればと思っています。


大型連休も過ぎれば、暦の上での「立夏」。
新緑や若葉ともてはやされた、もみじをはじめとする葉物盆栽達も、
徐々に葉数を増やして、“緑陰“と言う言葉が似合う季節に向かいます。

雨竹亭の庭園応接室も、“夏の始まり“を感じさせる、「岩がらみ」を飾る季節になりました。

IMG_3332
薄緑の葉上に咲く、まるで“紫陽花“のような花
(正確には花ではなく、真花のまわりの萼片が進化した“装飾花“)は、
まだ私が二十代の頃、尾瀬など、標高の高い高原を山々を分け入っていた時、
巨木を見上げると、登れぬ程の高い所に、まるで蝶が群舞しているように見えたあの樹です。

5月から6月、岩がらみは、毎年私の目を楽しませてくれます。

IMG_3330
織田杏斎の「雨中の杜鵑」に合わせてみました。
霧煙る里山、一羽の杜鵑が“一閃“と言う、ホトトギスならではに使われる、
スーッと翔ぶ姿を、日本画家達は、見事に描いています。

“潤湿な空気“と言う季節をそのまま受け入れて感受する日本人の感性はいいものですね!

IMG_3331
脇に飾った、瀬田川梨地の山形石。
月明かりを照らすような美しい石肌、「樹・石・画」が、ひとつの“今“と言う、この国の“何処かにある“自然を床の間に現出しています❗️


5月2日、全国的に雨模様の日、毎年恒例の福島県、盆栽協会吾妻支部の展示会の搬入飾り付けのお手伝いに伺いました。

IMG_3309
“五葉松の故郷“として、吾妻五葉松の名産地。国内で“那須五葉松“として流通する樹の内、本当はこの吾妻産が半数を超えていると思います。
この展示会に関わって、もう20年💦 
会員の皆さんもいつの間にか、70歳を超える方が多くなりました。
会場の設営(公民館の倉庫からパネルを出して、組み立て、布を張り、腰巻き、薄縁敷き😅 
ようやく会場が出来たのが、
午後3時‼️

IMG_3310
それぞれが想いを込めた自分の盆栽を持込み、“この樹は右だな、これは逆の方が見栄えが良いな“など、皆んなで喧々諤々❗️
それでも盆栽をこよなく愛する方々と1日一緒に居ると楽しいものです。

IMG_3311
愛らしいもの、季節のもの、名木、将来の名木、愛好会ならではの雰囲気が会場を覆っていました❗️三日間の展示、地域の皆さんが楽しみに来られる“温かい展覧会“です‼️


普段より京都へ着く時間が早かった先日。
時にはゆっくり歩いてみようと、大徳寺に向かって“北へ北へ“と歩みを進めました。 
海外の観光客の方々で賑わう中心地のアーケード街、懐かしく歩いていると、アパレル関係の店舗に、見事な盆栽❗️

IMG_3264
現代的な展示スタイル。
全体がモノトーンの世界に浮かぶ100年の命❗️

私が初めて京都へ仕事で訪れたのが、46年前の20歳の頃。
佳き意味で“時代は変わってきている“と感じ入りました。
苔玉もショーウィンドウも良いもんです❗️

IMG_3265
ところで、ここに飾ってある盆栽の内2本が、私が手掛けて持っていたものだったのに、もう一度ビックリ‼️
懐かしくもあり、“元気そうだな!“と心の中で声をかけました。

↑このページのトップヘ