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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2024年11月


上海から2時間、中堅都市(と言っても人口400万!)の常州市にある、
“随園“王永康先生の所で、木村先生と若者達の研修手入れがされました!

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黒松の老大樹!
僅か
2時間での整姿作業でしたが、ここにいる若者6人の中の2人、ツァオ君とハオ君は、木村先生の所で研修を2年した者!

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先生の手入れに対して“先の先“を読み取って、手際よく進める事のできる2人です。
“枝を下ろして、老木が生きようとしている姿を出したい。枝はそれでも上に向かおうとするから、その動きを大切に“
という言葉がありまし
た。

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天空に羽を広げる様な姿!
本来は春先からの施肥・多水・葉透かし・をしての黒松ですが、取り敢えず、“図出し“と言った感じの仕事でした。

一番大切なのは、盆栽が好きで王永康先生の所へ集ってくる若者達は、
目をキラキラさせて、今自分が出来る仕事を頑張っていた事です。

それにしても、ここはどれだけの盆栽があるのでしょう😅
盆栽に囲まれて、一心不乱に打ち込む若者達。
私にもそんな時代があった事を思い出す日になりました。

【晩秋の大徳寺!盆栽庭園の床飾り❗️】


ようやく秋らしい“秋冷の候“と言う言葉がピンとくる空気になって来た京都大徳寺。

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芳春院盆栽庭園も大観展で普段に増してたくさんの方が訪れる中、
「通玄庵」の床の間には、老爺柿の珍しい半懸崖樹形の盆栽を飾りました。

“豊穣の色“、橙色の愛らしい実姿。
細い枝がしなりそうに成る実が、風情あるものです!

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掛軸は、菊池容斎の「散り紅葉に素滝」 
滝は暑気に掛けることが多い画題ですが、紅葉の葉が舞う晩秋の景色を滝姿で表した貴重な作品。
散り紅葉以外が水墨で描かれているので、紅葉の葉色が際立っています。

脇飾りの安倍川のくず屋石は、石質から、まるで“霜“や、時雨の中の“霙“を被ったようにも見えますね!
北山時雨が始まる京都の北部。
大徳寺は500年の刻の中、読経も鐘の音もいつもの通りに盆栽庭園に聞こえています。


晩秋の古都京都の風物詩にもなっている“日本盆栽大観展“、今年で44年目になります。
毎年大型出店をしている私達も、展示品・売店ブース商品、最終的な手入れに追われる時期になりました❗️

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展示品の方は若き名匠、森山義彦さんの手も借りて、最後は“化粧苔“を貼って美しさを出す!
10mのブースとなると、展示に用意する盆栽の数も大変です💦

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25年前、独立して1年目の秋、小さなワゴン車1台で京都へ行き、ひとりで売店を立てたあの頃を思い出します。
今はここで多くの商売をすると言うよりも、スタッフ達にイベントでの大切な事を体現してもらう事のほうに、意識がいきます。
“お客様とのご縁を頂く場“、初めてお会いして立ち話をする方々、ここから長いお付き合いが始まる場所でもあるのです。

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さあ、羽生の庭で愛情を受けて過ごした樹々、晴れの舞台へ出発です❗️

【芳春院盆栽庭園・大観展前の入替!手直し❗️】

日本盆栽大観展を間近に、庭園も装いを変える入替、並べ替えをしました。

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庭園を作ってもうすぐ4年、石柱の歪み(斜めになってしまって)の角度補修に汗をかきました💦
今年は天候不順で、本来の紅葉が進みません💧

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そんな中でも、季節の移ろいをお越しになる世界の方々にお見せする工夫をしました。
昔は今頃、京都の山間は見事な色付きになっていましたが、今は京都の紅葉も、12月になりそうです💦

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どんな立派な展覧会でも、この庭のロケーションは感じられません❗️
静謐な禅寺の空気の中の盆栽を楽しみにいらして下さい‼️
(来園される方々の、8割が欧米の人達❗️喜ぶべきか?悩むべきか?)


11/1~11/5、秋の観照会も11/2の雨天以外、好天に恵まれて無事に終了しました。

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久しぶりにお顔を拝見するお客様、初めて応対させて頂く方々、
日々多くの皆様にお越し頂き、お陰様で、たくさんの盆栽や水石の“ご縁“を頂戴しました。

商売はさせて頂く事はありがたい事ですが、それ以上に、盆栽を眺めて堪能頂く機会として、
庭園内を散策される方々のお姿を拝見出来るこの展覧は、普段バタバタとしているばかりの私にとっても、来園される皆様と語らう楽しい刻でした。

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庭園・展示場・収蔵庫、半年に一度の整理整頓にもなります。
今回は夕暮れ刻に、置行燈が灯された庭園風景も残してみました。

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展示会は終わりましたが、羽生雨竹亭は、毎日開園しています。
いつでもどなたでも、気軽にお遊びにいらして下さい❗️

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