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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2024年06月

【徳を高めた末の“変わらぬ平易な姿“❗️頭が下がる芳春院和尚様‼️】

大徳寺・芳春院盆栽庭園、第二次庭園拡張工事が始まる中、初期着工から4年!
在りし日のバックヤードは、日々その姿を変えて行きます。

先日、大徳寺にお伺いした際、8時に庭園に行くと、誰か庭の草取りをしていました?
誰だろう?と思えば、なんと和尚様でした❗️

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修行道場で、二十代から四十近くまで、近年の最長の修行をされた名僧。
一昨年まで、臨済宗大徳寺派の宗務総長を務められた高僧。
76歳となられる中、“和尚様、私達がやりますから💦“とお伝えしても、
“気にしないで、暑くなったら止めるから“と、汗をかかれながら、黙々と草取りをなさる姿💧

三十年近いお付き合いを頂き、公私共に尊敬する人格者。
どんな時も、どのような方にも、同じ態度での応対。
感情的に怒ったりした事を見た事がありません。
それでいて、質実剛健!質素倹約!
和尚様に見栄や驕りなど、縁の無いものに思います。
いつもお優しい方、今までもどれ程の事を、語らずとも教えていただいた事でしょう。
今朝のお姿も頭が下がりました。

第二次庭園拡張工事が始まりました。

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長くお世話になった小屋も、あっという間に更地になり、“ここはこんなに広かったんだ!“と、びっくりする大きさです。
和尚様より11歳も年下の私💦 

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年だなんて言えません💧
出来る事を頑張ろうと思います。


鬱陶しい梅雨の季節、今年も半分が過ぎる中、日本では古来より疫病などへの“厄“を祓って、
ここからの暑気を乗り切り、後半の半年の安寧を願う様々な“神事“や季節の文化があります。
全国の神社で行われる6月末の“大祓い“は「茅の輪潜り」などでも知られる大きな祭事です。
そして古都京都の夏の風物詩ともなっている「祇園祭り」これも八坂神社の神事のひとつで、
“山鉾巡幸“は、洛中の“邪気“を祓う願いが込められています。

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“七夕“に因んだ、姫孟宗竹の飾りをしてみました。
もう20年以上、この姫孟宗竹が好きで培養していますが、中々“さやけき姿“にならず💧
ようやくこの数年、少しは思うような形になってきたかなと思います。
竹にはその葉に強い抗菌力があり、新年の門松と同じく、“神迎え“や、“厄害を水に流す“とされる事から、神事にもよく用いられます。
七夕の風物もそんな所から来ているのでしょう。

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“さやけき竹林に吹く風“  掛け物には、祇園祭りの「長刀鉾」そして加茂川や白川に浮かぶ“笹舟“の姿。
暑い夏が来ますが、誰にも病災のない事を祈るばかりです!


明治神宮『奉納盆栽水石展』と“丸かぶり“💦で、毎年恒例の東北六県合同の銘品盆栽展が、
今年は宮城県岩沼支部のホスト役で、仙台の“奥座敷“秋保温泉の展示場で開催されました❗️

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35席の選りすぐりの盆栽達!
特に今年はホスト支部にいらっしゃる著名愛好家、大沼佑翁が、名樹2点を出品されました。

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真柏の大名品と、五葉松の伝承名樹「菊扇」。
久しく展覧の場に登場しなかった「菊扇」、古感を増して元気な姿を見て、嬉しかったです❗️

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来年は、福島県吾妻支部のホスト!
行き慣れた地域ですが、なんとか明治神宮と被らない事を祈るばかりです🙏


帝都の鎮護社、明治神宮での恒例『奉納盆栽水石展』が、開催されました。

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水石協会の年少理事になった40代の初め、企画立案から開催に走ったあの頃を思い出します。
あれから四半世紀近く!
いつの間にか、海外の方で溢れるような観覧を得るに至った展示。
今年は過去最大の出品数となりました💦

展示会場での盆栽水石展が多い我が業界ですが、このような歴史と格式、
何よりも御社殿内陣の回廊と言う、神域の中での盆栽達は、普段と違って、どこか“おごそか“に見えます。

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大徳寺の盆栽庭園もそうですが、海外の方々にとって、盆栽がどれほど“日本の文化遺産“として評価を頂いているか、実感します。

昨年までは、この展示に併せて、“水石界の歴史“と言える『日本水石名品展』が、社務所講堂で開催されていましたが、
この文化の更なる広がりと多くの水石趣味の方々を趣味も正業も共に発展させる目的で、
8月に展示とオークションが続けて行われる『日本水石逸品展』として新たに始まる形になりました。

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回廊に飾られた盆栽と水石を記録に残そうと、iPhone片手に展示品が見えないくらいの人達が終日ご覧になっていました。
こんな光景をいろんな所で見られたら!
何処まで出来るか!頑張りたいです‼️

【芳春院盆栽庭園・第二次工事開始❗️夢の舞台へ‼️】

コロナ禍直前の開園からまる3年、芳春院和尚様の英断で、庭園の拡張を目的とした第二次工事が始まりました❗️

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宣伝もせずに、一年二年、まずはこの京都大文字山の麓の気候と盆栽の生育状態を理解する時間と心に決めて、
拝観者が殆どいないコロナ禍の時も、“百年の計“を思えばたった二年💦と覚悟を決めて、
盆栽、そして訪れて下さる海外を中心の拝観者の方々に、笑われないよう、
“日本の本物の盆栽を観て頂く事だけは崩さない“と努めてきました。

庭園の専従担当の渡邉さん(通称ナベさん)と共に守ってきた姿を、和尚様は“次の舞台“としての答えにして下さいました。
西側の建築物を撤去!
約2倍の面積になる庭園。

ここから1年、現在の盆栽庭園と連続してご覧頂く、“禅寺ならではの盆栽庭園“が広がります。

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欧米の方々半分、国内の方々半分、“真の日本の盆栽“を、常時見ることの出来る庭園“として、何を伝えようか? 
戦国時代の歴史がタイムスリップしたその大徳寺、ひとりの盆栽人が考える“時間“など、他愛も無い刻かもしれません。

“ああなるといいな、こうなると面白いな“ 色々な思いもあります。
しかし、そのすべては、公私共に尊敬する和尚様の考えに委ねて、唯々盆栽と共に頑張ろうと思います。
大阪万博の頃、この庭がどんな景色になっているか!
楽しみにして下さい‼️

それでも、庭園は今まで通り、
季節の盆栽・歴史ある名樹が、訪れる皆様を迎えて、日々開園しています。

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京都にいらした時、五摂家筆頭“近衛家“をはじめ、千利休・織田信長・石田三成・前田利家・細川家・畠山家・大内家、
数えきれないその他戦国大名の足跡濃いこの大徳寺と盆栽庭園にいらして下さい‼️

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