日本の盆栽鉢作家達が、次々と亡くなり、“本物の盆栽鉢“を作る方が、本当に数少なくなりました。
不足する分を補うように、中国より大量の“新渡“と呼ばれる鉢が、我が国に届きましたが、
20~30年前の作品は、それでも1点造りのしっかりしたものがありましたが、
経済成長著しい中国では、“陶都“ 宜興ですら、大量の胎土と手間のかかる盆器から、
アトリエの一室でも作れる茶陶関係に、若い陶工は向いてしまっています。
8年程前、中国の最上質の陶土を用いた、往時の“失われた盆器“の再現をしてみようと、泥物の宜興、釉薬の広州(広東)に赴いて、
30年50年の後、多くの盆栽界の方々が、良質の鉢として楽しめるように“実用の名器“を作り始めました。
本物の土、本物の焼成、本物の釉薬、幾度も訪れて、現地の陶工の人達と交流を深める中、
少しずつ、お互いが、“良い物を作りたい“という意識で共通した人間関係にまで、辿り着きました。
出来上がった鉢を少しずつ日本に運び、試験的に、展覧会のブースなどで発表して行くうちに、
プロの方々から“良い鉢だね“ “森前さんの作った鉢は、寒さに当てても割れたりしない“など、一定の評価を頂くまでになりました。
“全国に広めたい“ そんな思いから、カタログによる地域性を無くした通信販売への計画を立てて、
現在、その集積地と設備を模索しているところです。
制作・輸送・様々なコストが値上がりする今、実際に事業になるものか!不安なところもあります。
しかし、“この仕事はやるべきものか?“と、自問すれば、“必ず未来に答えがある“と確信出来るのです。
私がいなくなる頃(15~25年後💧)には、国風展などでも見かける鉢になってくれればと思います。
それにしても、いろいろ“係り“が加算して、頭が痛いです😓