雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2021年11月

【圧巻の財団展示❗️】

コロナ禍で昨年中止となった晩秋の京都の大イベント「日本盆栽大観展」第41回展が、
11月19日~22日まで、歴史的文化遺産群の中心地、京都平安神宮前「みやこメッセ」で開催されます。
毎年、友人の盆栽作家である、鈴木伸二さんが実行委員長を務める事、
そして私が旧高木盆栽美術館を継承された、京都国際文化振興財団「慶雲庵」の美術館準備委員会室長を預かる関係で、
企画担当者として、同展の構成をする事になりました。

財団も間もなく美術館建設予定地の発表(場所は現在極秘です!)となる前の大展覧!
今回は、盆栽以外にも膨大な盆器・水石などを所蔵している財団ですが、“ここからの財団の姿“をスッキリと皆さんにご覧頂こうと、
所蔵する名盆栽から精選して、過去、国風賞や内閣総理大臣賞を受賞した作品のみで構成すると言う、前代未聞の形をとります。

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温暖化や盆栽の文化的歴史的価値の再評価が求められる現代、その保存伝承の為に財団が繰り広げている“真の姿“を圧倒的な所蔵盆栽群で披露します。

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海外の愛好家の皆さんの来場が難しい中だからこそ、映像などが、世界に拡散する事で、
“やっぱり日本の名樹は素晴らしい“と思って頂けたら嬉しいです。

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毎年の事ですが、11月は、雨竹亭の観照会・大観展・そして私が懇意にさせて頂く著名愛好家の団体
「玄虹会」の展覧が、京都禅林『大徳寺』で開催、準備、手入れ、展示構成・!!!
目がまわります❗️
それでも、盆栽や水石を皆さんにお伝えするこの仕事、ありがたいと思っています。
間もなく開催!楽しみにしていて下さい!


朝夕の冷え込みで、雨竹亭の盆栽達も少しずつ紅葉の色を増してきました。
応接展示室に、“黄葉“のイワシデを飾って、“秋“を室内に運んでみました。

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京都盆栽園老舗、大溝さんが作られた寄せ株立ちの古盆です。
葉性の良いイワシデを若木の頃に選んで作られたのでしょう。
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枝々の細やかな仕上がりも、自然に出来てゆく性です。

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取合わせの掛軸は、塩川文嶺の「散り紅葉」 時雨に打たれて散りゆく紅葉の葉が、過ぎゆく秋の風情をよく表しています。
脇には、峻厳な岳景を見せる揖斐川龍眼石。
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もうそこには季節を感じるものはなく、荒涼とした厳しい景色が現出されています。

里山の雑木林の黄葉、遠く仰ぐ山々には、吹き荒ぶ風、刻々と変化してゆく日本の四季、
誰もが唸る程の盆栽ではなくても、季節を楽しむことは出来ます。
私がいつもひとつだけ大切にしているのは、鉢の中での培養の古いもの、“持込み“と言われる古感です。
樹は年輪を重ねたものは、じっと見ていると、自然界の風雨に長い間晒されてこそ現れる“貌“を見せてくれます。
室内にこんな景色の表現を、出来れば月に2回はしてみたいものです。


“大型五葉松の山採り逸材が、熊本にある“との情報で、数年ぶりに九州の地に赴きました。
世界大会でその存在が明かされた“幻の五葉松“・『祖母五葉松』の作者、
(正確には江戸期より代々受け継がれた樹達を守り伝えた一族の現ご当主)田中古老の庭園に久しぶりに訪れました。


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祖母五葉松を拝見に伺ったあの頃も、世俗から離れた孤高の雰囲気を感じていましたが、今回お会いした時は、まさに“仙人“!
それでも、田中本家に残してある祖母五葉松群は、相変わらず見事な翠を湛えていました。

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“守り続ける“と言う年月を、人生そのものを捧げて費やした古老。
人も樹も、“生きる“という事を教えてくれるものだなあ“とあらためて教えてもらう時間になりました。

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