雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2019年12月

【雨竹亭のレンタル盆栽】

私が銀座に店を出して1年たった頃、“和食の鉄人” 道場六三郎さんがいらして
「店を新しく作るので、飾る盆栽を売って欲しい」のご要望から、痛んだり管理の難しさ・季節感・などをご相談した結果、
“季節の美しい盆栽を飾るサービス”が始まりました。
都心を中心に22年たった今では、年間4000万円を超えるサービス業になり、
盆栽界という趣味の狭い世界にいた盆栽達が、幅広い多くの皆さんにご覧頂く仕事になりました。
年末は大忙しです!
年間契約のレンタル先に、雨竹亭ならではの「季寄せ盆栽」
つまり宮中などで設えられる松・梅・竹・千両・柚子・福寿草・フキノトウ・等々、新春の目出度さをひと鉢の中に込めた盆栽の製作作業にスタッフみんなで頑張っています。
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盆栽としては、1点ではどことなく物足りない樹達が、ひと鉢の中に組み合わされるで、“醜いアヒルの子が白鳥になる”ような独特の盆栽が生まれます。
場所や大きさ、高さや奥行きなど、1年間お世話になっている所に合った季寄せ盆栽、新春の迎春盆栽として 
多くの方々が 園芸店などで市販されている松竹梅とは違う嬉しい驚きを持って観て下さいます。
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昔は自分で鉢合わせや、流れなど、率先して創っていましたが、今ではスタッフみんなに任せておいても大丈夫になりました。
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“季節を寄せる”と書いて季寄せ盆栽。鏡割りの頃には、役目を果たして庭に帰ってきます。
そして来年までの力を蓄える為に、また元の鉢に戻し植えする作業が待っています!
常しえの栄の徴「松」寒気の中葉も付けずに凛と咲く梅の魁、節目を持ってまっすぐに生い立つ竹、そこに色とりどりの実物花物の“宝尽くし”。
皆さんもご自身の生活に合った「季寄せ盆栽」に挑戦してみて下さい!​​

【木村正彦先生応援📣】

羽生雨竹亭の盆栽教室に毎月通う 群馬県高崎市の清水ちえりちゃん。
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盆栽愛好家のお爺さんの影響で、“自分で手入れして国風展に出してみたい”という夢。
そんな彼女の熱意に名匠木村正彦先生が応えてくれました!
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持っている樹の最終調整・中品3点飾りのポイント・鉢合わせ・等々、お父さんお母さんに見守られて 準備が順調に進んでいます。
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今年2月の国風展の際、来春の出品を夢見て 史上最年少で盆栽協会に入会しました!
来春1月20日の審査が「桜咲く!」か「桜散る」かは 祈るばかりです。
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12歳で盆栽を作り始めたら、30年かけていろんな名品が出来ます。
60歳の私には 羨ましいばかりの時間です!
 ガンバレ!シンデレラ!


【愛弟子達の活躍・木村正彦先生一門と共に】

漆畑大雅君が内閣総理大臣賞を受賞した日本盆栽作風展が12日から開幕しました。
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羽生の研修生 ハオ君ツァオ君も若手部門で無事に入選し、ホッとしています。
若い盆栽家が少しずつ頑張っているのはとても嬉しいことです。
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会場で木村正彦先生と一緒に「この樹はこうなるね」など、いつのまにか年長者の立場になったんだなあ と笑ってしまいました。
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会場では 日本盆栽界の宝と言える『貴重盆栽展』も併催され、名樹の数々が一堂に飾られました。
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この樹達を守り伝える役目が私達にはあると あらためて古木の大切さを感じました。
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中堅と言われる盆栽業者の方々こそ、商売も大事ですが、もっと競い合う気持ちで、作品づくりに励んで頂かないと、若手の手本にならない事も痛感します。

【今年もあとわずか!】
年賀状用の盆栽飾りの撮影、毎年の恒例ですが、お客様に年の始めのご挨拶となるものです。
新春は何故か盆栽と触れ合う刻として、一番似合う季節のように思います。
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やっぱり松を選びました。
松は遠い昔「枩」と書いたそうです。
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「おおいなる木」樹木の中の王として、どんな時も旺盛な緑を湛えて、大空に向かって扇を広げるように葉を開く・・。
皆さんは門松の由来をご存知ですか?
家の入口に松を立てて
「我が家は このように松が緑を湛えた豊かな家です。どうかふり降りて下さい」
この願いが門松となったそうです。
黒松の名樹・海原に昇る日輪・脇には金色の小槌。
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来る年がすべての方々にとって幸せな豊かな年になりますように・・
盆栽しか出来ない私の願いです。

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