雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2019年02月

【雨竹亭盆栽教室入門!】

雨竹亭の盆栽教室の平均年齢を大幅に若返らせる生徒が入門しました!
清水ちえりちゃん、なんと11歳。
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(本人、お父様に許可を取って写真とお名前を掲載させていただきました!)
群馬県高崎市・お爺様・お父様も盆栽愛好家で、お爺様は今年の国風展にも出品されている大家!
ご家族で行った国風展でも、盆栽協会に最年少入会されたとの事。
夢は 自分で考えて盆栽を手入れして“国風展に飾ること” !!!
盆栽で言えば、将来の名木になるかもしれない大切な素材。
それでも 私は盆栽を通して命の大切さや、人に対する優しさを 感じてもらえる事を1番に伝えたいです。
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羽生雨竹亭の庭が出来た時には、生まれていなかった子が、こうして盆栽をジッと見ている,,,
盆栽人として 何をすべきか、教えてもらっているようです。
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【圧巻の名木達!】

第93回国風盆栽展。
15歳でこの世界に入って、次の年 49回国風展を始めてみてから、長い時が経ちました。
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会場で水かけ当番をやったあの頃、商売が忙しくてグリーンクラブから美術館へ動けず、結局国風展自身を見られなかった頃。
友人の多くが協会・組合の役員となった今、前期後期共に観覧させて頂きました。
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愛好家の皆さんが、大切に培養手入れした作品、出入り方のプロと入選を心待ちにした気持ち。
名樹の裏側にある人間模様が感じられてしまうのも、プロとして長くやって来た者の性かな?と自分で笑ってしまいます。
それでも、日本盆栽界 最高峰の展覧!
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飾られた木々達は、唯々 有難いばかりの気持ち湧く、日本の宝達でした!
木村正彦先生のご協力で、私のお客様達も9名飾られました。
“もっとこうすればよかった、もっと時間をかけるべきだった”など、
プロならではのお客様より任された身の反省ばかりを感じるものもたくさんありましたが、
国風展が、私達プロにとっては、“次への目標”にもなっています。
来年こそはこうしよう!と思うもの多い機会です。
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【「鉢作り」の歓談!】

先日 古老の訪問を受けました。
雨竹亭の庭に ご老体がいらして、“何処かで見た方”と思い 声をかけたら、日本鉢名工「中野行山」先生本人でした!
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ご本人とお話しするのは初めてで、本物の鉢作りに対する問答で
“こんなに制作に詳しい盆栽家にお会いしたのは初めてで、今日は会えなくてもと伺って良かった”
と言われて、少し照れてしまいました!
八十路を目前に 政策に対する考え方は、壮年期のまま。
「最近は 注文の額面長方などに飽きてしまいました。次の時代に受け入れられるもっとデザインを考えた作品を目指したくて、森前さんの意見を聞きたかったのです」

!!!

同じように 盆栽の創作に情熱を輝かせる木村正彦先生と通じる
「到達した名人のみが感じる境地」があるのだなあ、と 還暦を迎える私など、まだまだ修行が足りないと痛感しました。
“見てほしい”と言われた2枚の新作鉢の内、一作を無理を言って譲って頂きました。
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「全盛期で年収1000万・普通は500万に届くかどうかが、鉢作りの職人の価値ですよ」
の言葉にもビックリ!
中国の奥地に行って「失われた盆器の歴史と技術」を追求する私。
振り返って、日本鉢の陶地・常滑に次代の盆器を共に描ける人物がいないものか?
もう一度色々と考えようと思う行山先生との時間でした!


【羽生の総力を会場最大ブースに展覧!】

日本盆栽界の最大最高の祭典「国風盆栽展」に併催する、
上野グリーンクラブ(私は昔の名前の 東京池之端盆栽倶楽部 の方が好きですが!)での『立春盆栽大市』(2/9〜2/17)に、
恒例のエスキューブ特設ブースが設けられます。
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いつのまにか、会場内で最大のブースになって、内外の多くの愛好家の皆様とお会いして
名樹・名鉢・名石・などをご紹介する舞台となりました。
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“エスキューブの森前さんの売店を見たか!”といつも噂の的にばかりなっていますが、
今回も過去に国風展に出品された名樹8点・日本に秘蔵される古渡盆器の中型作の至宝『あさぼらけ』
紀州徳川家旧蔵の永楽善五郎(初代保全作)『紫紺釉葵紋入蘭鉢』
木村正彦先生作品 5点等々、ご来場下さる皆様に 私達の出来る限りの“今”をご提供出来ればと願っています!
17日までのロングラン!お越しをお待ちしています!
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【名筆 森 寛斎と瀬田川古石に五葉松】

立春も過ぎて 明けやらぬ春待ちの冬空。凍みる空気の中、床飾りをしてみました。
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昨秋 栃木県のご老体から譲り受けた五葉松。
三幹仕立ての持込古いこの樹は、木村正彦先生門下・森山義彦さんの手で、空間優美な典雅な松へと生まれ変わりました!
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“梅を使わない2月初旬の飾り”・・季節感を捉えた王道の飾りが すぐに浮かぶ季節こそ、それとは違う飾りをするのに 知恵熱が出そうです。
(手持ちの少なさと言う家庭の事情もありますが・笑)
久々に書斎の奥にしまっておいた森 寛斎の『朧月』の大幅を掛けてみました。
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仄暗い 雪模様の曇天の空、画中 天井部に大月。
幕末から明治にかけて京都画壇に君臨した名筆はやっぱり良いです!
「明治の応挙」と謳われた寛斎の作品の中でも、独特の構図を取る作品に、
これもずっとしまっておいた(実は大きくて重くて ずっと蔵の奥にありました!)2尺を超える瀬田川古石を、
“明けやらぬ朧なる春待ち”の想いを込めて取り合わせてみました。
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月の朧が冬すぎての春を・瀬田川石の稜線穏やかな山容が、泰然とした中に何処かしら長閑さを。
松は変わらぬ翠を湛えながらも、僅かに“水揚げ”の色を濃くし始めている姿。
微妙な季節の移ろいをどうやって捉えて飾りをしつらえるか、これも盆栽水石の楽しみのひとつです。
是非 羽生雨竹亭の床飾りをご覧にいらして下さい。

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