2015年11月
岩﨑大蔵先生が遺された「盆栽界への遺産」の意味
縁があって世界盆栽友好連盟(WBFF)の名誉会長であった故岩﨑大蔵先生の遺産盆栽を全て譲って頂いて半年になります。
この五葉松も先生が半世紀以上をかけて苗木から見事な盆栽に導いた労作です。
かの五葉松名樹「春高楼」を彷彿とさせる丸幹薄模様の逸材で先日基本的な整姿作業を終えた所です。
生前岩﨑先生は
“売ることを覚える前に樹を作り、種を蒔きなさい。”
をおっしゃっていました。
夥しい数の松柏盆栽を遺された先生はその言葉を実践されて天寿を全うされたのです。
この樹を見ると人が変わらぬ愛情を注げば、一本の苗が人に感動を与えるまでになると解ります。
私も羽生で約5000坪の培養場を預かる者として、
“売れる樹”だけではなく、“次代に遺すべき素材”を大切に育てようと思います。