雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2015年09月

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長岡市にある朝日山酒造は「久保田」の蔵元として有名ですが、
この蔵主の旧宅は「松籟閣」と称する見事な明治の邸宅です。

ここで開催された水石の本格座敷飾り
「楓石展」は地域を代表する見事な展覧でした。

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やはり水石は、飾られる空間で醸し出す美的余韻が大きく違うものになることが
あらためて実感できました。

“かわりゆくもの”と“かわらずに伝えるもの”があることを教えて貰った気がします。


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二十歳の頃から私のような者を見守って下さる愛好家の方々と
中国盆栽と歴史の旅をして来ました。

1500年前の都「長安」の今
 西安で中国最大の愛好家「西安唐苑」の張会長の自邸に招かれ、
巨大な真柏群を見て全員その規模と大きさに圧倒されてきました。

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現在は枝接ぎの最中ですが3~5年後にはとてつもない巨大真柏群の博物館になるでしょう。

日本の愛好家の方々も張会長がとても腰が低く紳士的な方なのを見て中国に対する
“見ると聞く”の違いを実感されたようです。


それでも日本には日本の盆栽の姿があります。

日本刀の持つ“気品”を大切にする盆栽を我ら日本盆栽界は目指そうと
再確認する旅でもありました。

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 私の下に来て四年目となる新井君。

この秋初めて作風展の新鋭若手作家部門に挑戦します。
作風展といえば見事な改作による古木の姿が有名ですが、
年々コツコツと培養管理が続けられてきた樹や人がもっと再評価されるべきだと私は思います。

この若手部門のように様々な形で門戸を開いて多くの人々が
“挑戦”出来るシステムを広げていってほしいものです。

さて新井君は花梨の中品株立ちです。
親心としてなんとか入選することを拝んでおります。


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10年振りに千葉県の九十九里方面に出掛けた時、偶然に手に入った古木真柏。

枝配りも時間をかけて創り上げた“本物”で将来はプロの眼を引く名樹となる可能性を持った樹です。
舎利芸の“磨き直し”や鉢映りの再考など、
まだまだこの樹本来の素晴らしさは半分しか表現されていないと思います。


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現在よりもやや左からの見付の方が真柏らしい“流麗”な線を強調できると思います。


全ての手入れが終わった後、またご覧にいれましょう!

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岩﨑大蔵先生の遺愛石を手に入れたので、三点飾りをしてみました。

「遠くに見える穏やかな景色」が感じられる石なので、
取り合わす盆栽も“険しい姿のものを避けて五葉松の文人系の“流れ”を持つものにしました。

真黒系の石と五葉松の取り合わせには、季節感が出づらいので掛軸に「来雁図」を使って
“穏やかな老松の彼方に見える山並み、空から今年も雁が降りて来て秋の訪れを教えてくれる”

そんな景趣を想って設えてみました。

季節感、流れの調和、全体の間調子など、何十年やっても満点は叶いませんね!

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