巷にさつき盆栽の花々が展覧会を彩る頃になれば、“新緑から緑蔭“へと、深山も静かに季節を移してゆきます。


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紫陽花の原種?と捉えられる岩がらみ、葉の上に咲くその姿は、

分け入った山々の巨木を仰いだ上に、まるで美しい蝶が翔んでいるかのような錯覚を覚える景色です。

この樹も冬込みの間は、誰もが気にも止めない枯木の姿でした。


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“山ほととぎす“が一閃に空を切り、遠くには滝音も微かな岩清水。

この石も、“羽生河原“と呼ばれる培養場の用水の脇に置かれた数千の“裸石“の中に埋もれ続けていたものです。

樹も石も衣装と舞台を与えられれば、その子の持つ“本当の姿“を出してくれます。

羽生の応接はいつも“少しだけ早い“季節の移ろいを設えています。