来月11月21日から開催される、日本盆栽大観展。 

毎年そこで企画される「京都国際文化振興財団」通称“慶雲庵“の展示、

今年は“昭和百年の軌跡“と銘打った展示を考えています。

財団が保有する数多くの盆栽や水石・盆器など、飾る名品は限りないのですが、

その中で、訪れるすべての人達に伝えたいメッセージを込めた樹を仕上げています。


“被爆の松“  

80年前、広島に投下された原子爆弾、爆心地から僅か2キロにあったこの樹は、

共に生きていた殆どの盆栽が、爆風と熱風で枯死する中、奇跡的に半身を枯らしながら命を繋ぎました。


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それから80年、盆栽を愛する人達に守られながら、勿論飾れる姿にはなっていませんでした。

今回、私のところで5年、只々元気にする培養に心がけた結果、思い切った整姿施術を行うことにしました。


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普段の“見た目を大切にする“樹造りではなく、“この樹がどのように命を繋いであの時から生き抜いて来たか? 

“壮絶な記憶“のかけらを消さぬよう、それだけを心がけてみました。

ここから京都に運ぶまでの時間、日々少しずつ樹に向き合って仕上げてみようと思います。

“作りすぎてはいけない樹“と、対話をする気持ちで!


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不様(ぶざま)でも、必死に生きて来た姿、京都でご覧頂きたいです。

(大観展終了後は、京都大徳寺、芳春院盆栽庭園で、忘れてはいけない“命の軌跡“の樹として、ずっとそこで守り育てるつもりです)