水石協会が来春開催する『日本水石名品展』の選考審査、図録撮影が、都内春花園さんで行われました。

小雨降る美術館の休館日、合間を縫って、見慣れたはずの数々の名木を眺め散策して気がつく事がありました。

“樹が皆んな老成の美を呈している!“ 


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10数年前、「盆栽は“面“で捉えるのではなく、“線“で表現したい」と謳い始めた小林師。

その頃に大胆に枝をはずし、樹を“裸“にするが如く改作の限りを尽くした樹々達が、

あらためてふと観れば、ぞっとするほどの“古感“と“雅格“を示し始めていました。

懐や枝先にまで流れる線と命、枝の厚みで本質を隠すのではなく、すべてを晒しながら生きる姿を捉える。


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小林師が見つめ続けた象形(カタチ)は、その完成形を歩み続けているよう。

“只々、樹が好きなんだよ“と、屈託のない笑顔で答えてくれる小林師。


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本当の盆栽作家とは、人がその樹とどれだけの刻をともに生きて、己の“想い“をその樹に注いだか、かもしれない。

その意味では、小林國雄師とその庭園にある盆栽達はいつの間にか“共鳴“して“共生“しているように思えます。