【空の彼方から見守って下さい。芳春院盆栽庭園】
深まる秋の中、大観展準備の為、何人かで時間を見つけて、庭園の掃除に入りました。
普段は少ない人数で慌しく開園の準備をしていますが、
今日は隅から隅まで、禅寺の庭園らしく、ゴミや落葉ひとつもない程に掃除しました。
この庭には、開園当時より変えずに飾ってある樹があります。
細い黒松、私が20歳の頃(45年前)からお付き合いを頂いた、舞鶴の亡き西村さんの樹。
戦争で2度も潜水艦で被弾したにも関わらず、九死に一生を得た方です。
戦後、故郷の舞鶴の「青葉山」に登り、山採りされた樹がこの黒松です。
亡くなられた時、奥様より「長くお世話になったから、どれでも好きな盆栽を持って行って」と
有難いお言葉を頂きましたが、大恩ある方より高額な盆栽を頂けば、
人に欲しがられて売ってしまう気弱さを自分で分かっていたので、“これを大切にさせて下さい“とお願いして私の下で生きてきた樹です。
不思議なご縁で、この禅林名刹の盆栽庭園をお預かりする事が決まって、
羽生より多くの名樹を運ぶ時、“この樹は必ず庭に“と思いました。
生きていたら、今頃になって、京都に、しかも大徳寺にいるなんて、西村さんは天国からプンプンしているでしょう(笑)
先日、業界の後輩、神奈川の近藤君が急な病に斃れました。
愛蔵品の整理を頼まれた中に、可愛らしい五色カズラがあり、形見に頂きました。
今はこの庭の通玄庵前のもみじの庭木の足元にあります。
震災の余波で命を亡くした弟子、熊谷君の真柏、銘「忘れ形見」と一緒に、黒松や草も私を見守ってくれています。
ありがとう。
深まる秋の中、大観展準備の為、何人かで時間を見つけて、庭園の掃除に入りました。
普段は少ない人数で慌しく開園の準備をしていますが、
今日は隅から隅まで、禅寺の庭園らしく、ゴミや落葉ひとつもない程に掃除しました。
この庭には、開園当時より変えずに飾ってある樹があります。
細い黒松、私が20歳の頃(45年前)からお付き合いを頂いた、舞鶴の亡き西村さんの樹。
戦争で2度も潜水艦で被弾したにも関わらず、九死に一生を得た方です。
戦後、故郷の舞鶴の「青葉山」に登り、山採りされた樹がこの黒松です。
亡くなられた時、奥様より「長くお世話になったから、どれでも好きな盆栽を持って行って」と
有難いお言葉を頂きましたが、大恩ある方より高額な盆栽を頂けば、
人に欲しがられて売ってしまう気弱さを自分で分かっていたので、“これを大切にさせて下さい“とお願いして私の下で生きてきた樹です。
不思議なご縁で、この禅林名刹の盆栽庭園をお預かりする事が決まって、
羽生より多くの名樹を運ぶ時、“この樹は必ず庭に“と思いました。
生きていたら、今頃になって、京都に、しかも大徳寺にいるなんて、西村さんは天国からプンプンしているでしょう(笑)
先日、業界の後輩、神奈川の近藤君が急な病に斃れました。
愛蔵品の整理を頼まれた中に、可愛らしい五色カズラがあり、形見に頂きました。
今はこの庭の通玄庵前のもみじの庭木の足元にあります。
震災の余波で命を亡くした弟子、熊谷君の真柏、銘「忘れ形見」と一緒に、黒松や草も私を見守ってくれています。
ありがとう。