先日、私共羽生雨竹亭で数ヶ月に一度の盆栽業の流通オークション「天地会」が開催されました。
良品の“品薄“状態が慢性化している業界においても、天地会は、木村正彦先生・小林國雄先生・鈴木伸二先生はじめ、
名園蔓青園さんを筆頭に全国の有力盆栽業の方々がみな集う賑やかな会です。
出品数も多く、この日も現金取引の会としては最大級の総出来高6,000万を超える結果となりました。
ありがとうございました。

流通の要の役割を持つ私共ですが、懸念材料も多く、“次の時代“に対する暗中模索の部分も否めません💧

例えば、樹種による値段の格差が広がる一方で、“売れる物はより高く、明日売れない物は声もかからず“と言った風潮が業界全体に漂っています。
海外でも環境の変化に強い、真柏と黒松は、需要の高さから、“買いづらい“状態。

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逆に五葉松と特に蝦夷松は、温暖化の影響で、関東域での培養がとても難しくなる中、
国風展出品の大型名樹でさえ、50万前後で放出される始末。

本来、日本の盆栽文化の中心的位置にあった五葉松・蝦夷松。

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プロである私達こそ、こんな時作品の大切さを含めて“守っていかないと“ いけないのですが、
みんな正業の中で苦労している仲間達💦
余裕が無ければ棚場を取る“売れない物“を買い守るわけにはいきません。

愛好家の方々も、大型すぎるもの、環境的に難しいものは敬遠されます。
その間髪を縫って、海外勢が“叩き買い“をする、と言う悪循環。
何とか守ってと思い、買うのですが、傷みやすい事や、将来的に相場が不安定なものを、お得意様に無理にお願いするわけにもいきません。
悩みは尽きません。

それでも、持ち易い大きさ、手頃な価格の物は、是非五葉松で蝦夷松でも、楽しんで頂きたいです。
数十年と言う培養の手入れの時間を考えても、その数十分の一の価格で手に入るのです。
日本の盆栽樹種をご一緒に守って下さい!

価格ではなく、真の価値を見つめて下さい‼️