中国、唐の時代の都、西安で出会った少年達は、日本での3年の修行を、私の所と、木村正彦先生の所で、必死にその腕を磨きました。
“2度と出来ない貴重な時間“ 彼等は誰よりもそれを理解していました。
朝から晩まで、自分に与えられた時間すべてを盆栽の為の時間としていました。
言葉すら誰が教えるでもなく、帰国の頃には、日常会話には困らない程になっていました。
コロナ発生直前に帰国してもう3年余り、名匠、王永康先生の所で過ごす2人は、
私の“目先の商売などに捉われるな、王先生の下で、盆栽の作出技術の研鑽だけに集中して頑張れ!“
という教えを頑なに守って、彼等は私の思った通りの技術者に育ってくれました。
“もう一度日本で更に深く教えたい“ そんな身勝手なことすら思う2人です。
2人の故郷である中国で、ここからどんな幕を開けてゆくか?楽しみでもあり、不安でもあります。
“染まらないで欲しい、生粋の盆栽人であって欲しい“
それを願うばかりです。
そろそろ、悠久の大陸を久しぶりに周遊したくなりました。
“何を伝えるべきか?“ 65歳になる今、そんな事を思います。