5月16日~7月15日、長野県岡谷市で活躍した、
盆栽水石界の巨人、小口賢一翁(号・寉甫)の書における足跡を遺された作品によって、市立岡谷美術考古館で開催されています。
5月18日は、翁の足跡を顕彰する刻があり、ご子息小口博正氏を中心のこの企画に私も久しぶりに岡谷市へ伺いました。
出典:市立岡谷美術考古館HP https://okaya-museum.jp/
盆栽や水石を書と同じく、日本人の感性が成し得た芸術と捉えた翁は、
生涯生業の傍ら、自身の内なる研鑽によって、独自の境地へ達した書風を創り上げました。
私も若輩の頃、賢一翁には、多くの薫陶を頂き、時にはその書を制作している隣で拝見する機会も得ました。
翁が逝ってもう長い時が過ぎました。
果たして今の盆栽水石界に、翁のような気概でこの世界を見つめた方がいるでしょうか?
文化財として登録されている盆栽庭園と建築「寉龍庵」は今も博正氏と奥様が、守って下さっています。
翁の遺された盆栽達も、この庵で変わらぬ刻を送っています。
“顕彰する心“ 多くの天界に逝った先人達が願った事、私達は今日を生きる事に傾注して、
巨人達が示してくれた“何を求めているのか?“を、もう一度再考すべき!という事が心に沁みる時間でした