最近の盆栽市況は、“次の盆栽“を作るための素材の入手が難しくなっています。
この10年、市場が世界規模になる中、日本の愛好家の方々が、時間をかけて仕上げた盆栽達の多くが、私達プロの誘導で市場に流れました。
勿論愛好家の方々の事情(高齢で少し減らしたい・大きなものが扱い辛くなったなど)もありますが、
“要望のある売れ筋“を求める業界側の事情も関係しています。
年明けからの交換会(業界の卸売市場)も希薄になっている中、業界本部交換会(水曜会)では、様々な要因を含めて、
海外からのリモート参加(相手国の応札希望者を代行してライブでオークションに参加する仕組み)を一時的に中断する決断をされました。
市況を考えれば、中断は収益を減少させる事になりますが、
国内の業界保護や、卸売り市場の適正化という点では、英断と言える事だと思います。
それでも、“この樹ならこう作れば“と思えるような盆栽が激減しています💧
第一から第三培養場まで、総数は数え切れないほどの羽生雨竹亭。
買い付けてから培養の安定まで1~2年、作ることよりも健常にする事を心がける樹達。
“こうしてみよう“と思う樹を少しずつ手入れと植替えをし始めました❗️
山採り後、根元の切り落とした舎利幹がそのままになっていた真柏、整姿と植替えで、皆さんに観て頂ける盆栽へと導く。
当たり前の事ですが、そんな時間を今まで以上に大切にしないと!と思う春になりました。
※画像の真柏の植え替え風景はWABI CHANNELでご覧頂けます
春の真柏植替え鉢合わせ解説~盆栽に応じて使い分けたい根捌き根締め方法~