先月、業界の“影のドン“(怒られますね!笑)が、国内有数の名木愛蔵の大家から、
名樹の多くをその行末を委ねられたと聞き、三顧の礼で想いの深い真柏3点を譲って貰いました。

“海外には売るなよ“  これだけが“ドン“の言葉。
この中に日本の現代の盆栽界に一石を投じることになった名作がありました。
『遊』“遊び“と称されるこの真柏は、名匠木村正彦先生が、当時の先生の支援者であった、
大久保直彦氏(元衆議院議員・公明党書記長)によって、国風展に飾られ、
新しい時代の盆栽を提言するインパクトを与えた作品として、余りにも有名な樹です。

譲り受ける時も
「何人もの業者が大金を積んで交渉に来た。しかし森前君は手に入れようとする意味が違うようだ。
だから皆んな断った。殆どの業者が、中国愛好家などからの予約や入手希望を確約してから来ているのが見え見えだったからな」

ドンは私の心の中を見透かしているようでした。

羽生に持ち帰った次の日、木村先生のもとへ伺い『遊』は30年以上ぶりに作者の下へ戻りました。

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“ありがとう。この樹は私の思い出の樹、生涯この庭で守るよ“
と先生は仰いましたが私は
「先生が満足するまで手元において、海外に行くなら、作者である先生が“この方なら“と思う方に、先生の手で送って下さい」
と申し上げました。

先生がこの樹に“枝接ぎ“を施した頃は、枝の力も弱かったこの樹。

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今も旺盛な繁茂を続けて、名樹の相に届いていました。
今『遊』は、毎朝先生と対話する刻を過ごしています。
“創作盆栽“と言う、新たなジャンルの開拓者、盆栽人としてその技において黄綬褒章をただひとり受章された木村正彦先生。
ある意味、創作という盆栽の概念を表現した真柏。

先生と共に、人生百年を楽しんで頂きたいと願っています。