大徳寺での用向きを早めに済ませて、やっと時間を作って、京都市内から車で1時間半、
京都府北部、日本海へあと40分のところにある、綾部市。
山間の小さな街ですが、私にとっては、水石人生の忘れえぬ大切な土地です。

この地で水石趣味に人生を過ごされた、故横山巌先生(号・雨洛)は、まだ20代前半だった私が、
水石の業者として一人前になるまでを導いて下さった恩人中の恩人です。

天界に逝かれてもう10年になりますが、この綾部で先生が会長として水石展を始めて、
57回目の展示会が、市内のグンゼ博物館で開かれました。

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中々お伺いをする機会が得られませんでしたが、ようやく、横山先生が居ない展示会を拝見出来ました。
現在までも長く交流を頂いている同会の林さんが出迎えて下さいました。

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展示は、今も横山先生がそこにいるような、静謐で会場の設え、
展示された水石のレベル、水盤や卓の取合わせ、砂敷きの丁寧さ! 

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どれを取っても、中央の水石展のそれを凌駕する程の仕上がりでした。
ひとりの誰にでも心温かい対応をされた著名な愛好家であった横山先生が残されたこの会は、
半世紀を超える歴史を“正統な水石展“として受け繋いでおられました。

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水石業界の中でも中堅から老練の組に入りかけている私。
こうして各地で水石趣味を謳歌されている方々と、もっともっと交流をして、
“次の時代“の趣味家の為の“何か“をしなければと、思う1日でした。