【脇飾りで様々な景色を!】

コロナウィルスの影響で、自宅に籠りがちな今年の花見。
盆栽飾りでいろいろなロケーションを楽しめます!
主木の枝垂れ桜は、珍しい“一重咲”の枝垂れ性の富士桜。
IMG_6138
咲き始めは白っぽい花色ですが、徐々に紅色を帯びてきます。
そのコントラストも美しく、気品ある花型と色、何よりも「儚い美」の結晶と言えます。
初めは京都清水焼の人形と。
IMG_6139
十二単の姫が桜の樹の下にいる姿は、絵になります。
人形の名は「紫の上」つまり紫式部を表しています。
『源氏物語』の絵巻の中のようです。

次は木彫の農家風との合わせ。
IMG_6140
IMG_6141
山里のくず屋の脇に咲く枝垂れ桜の風情。
温かい陽射しを感じます。

3番目は「旅の老爺」本当は芭蕉の像ですが、旅僧に見たてています。
IMG_6142
IMG_6143
鎌倉時代の有名な僧・西行が詠んだ名句、
「願わくば 花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ」
は、桜を題にした日本人の死生観を歌った言葉として今も共感の多いものです。

ひとつの枝垂れ桜の盆栽、これだけを愛でて楽しむのも良いですが、
このように添えの道具とそこに見える日本の情緒で、目の前の景色は、果てしなく広がります。
これも盆栽趣味の醍醐味ではないでしょうか。