雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


毎年2月、東京都美術館で開催される『日本水石名品展』も来春で62回。
先日、都内「春花園盆栽美術館」で、その出品選考審査会が行われました。

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海外を含めて、全国より集った賓石の数々❗️
その数百数十点‼️

協会役員による審査を経て、単体の撮影、夜までかけての床の間飾りの撮影💦

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開催時に完成させておく、図録制作を間に合わせるには、この時期に撮影を済ませなければなりません。
伝来名石から、出品者が過去に探石(山河で自採した石)まで、幅広い水石が一堂に陳列される一大イベントです。
“水石の文化を未来に伝えたい“   そんな事を願って、美術館開催と言う“開かずの扉“を開けてから、もう12年❗️

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今は“この流れをどうやって次の水石界を担う人達に受け継いでもらうか?“が、私の命題です。
盆栽と違って、“蔵深くに眠れる“水石達。
毎回“こんな石があったんだ“と、目を見張る石が出てきます。 
ここから写真校正、ページ割り、そして各石の解説💧
石は何も語りませんが、こっちは目が回る💦日々が続きます❗️


40歳で初渡米して、8度の講演、25年の歳月が、親しい友人の何人かを偲ぶものになりました💧

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ニューヨークからペンシルバニアへ、水石の友として十数年ぶりの再会を果たしたショーンスミス!
新しいアトリエで、旧交を楽しむ時、五大湖付近、ロチェスターのビルは、10代の頃よりの仲!

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ワシントン国立植物園には、天国へ逝ったロンの水石を寄贈、
25年前、初めての講演で慣れない私の通訳をお願いした、ヒデコ・メタクサスさんは、93歳‼️

アメリカ横断の友人達を訪ねる旅は、人の温かさを感じるものでした。
イギリスから通訳兼案内役をしてくれた、ピーターウォーレン氏にも感謝です❗️

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久しぶりのアメリカ、やっぱり大きな国です。西と東で時差3時間❗️
これからも、国は何処であれ、私ができる事を伝えていきたいと思います。


今年の十五夜は9月17日,翌日が十六夜(いざよい)そしてこのブログがアップされる19日が、立待月!
そこから居待月・寝待月・更待月・夜明け前の“有明の月“・日本人は月をこうして愛でて暮らして来たのですね❗️

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まだ穂は上がりませんが、糸ススキを飾ってみました!
足元の余分な葉を漉いて、スッキリと見えるように。

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掛物は、まさに“中秋の名月!
明治の大家、鈴木松年の秀作。

足下には木彫のうざきの対。
添えにうざきは、日本的な月見の席ですね。

盆栽飾り、水石飾り、その中でも、季節を映すこのような楽しみは続けたいものです。
ただ、暑さが残る時期が少しずつ長くなる中、ススキの穂が上がるのが遅れ気味のこの頃、
季節の移ろいも、温暖化でズレがち💦です😓


昭和49年9月1日、貧しい中、簡単な着替えだけで住み込み修行に入った日。
あれから50年の時が経ちました。
歩いて来た道のりを振り返れば、何度も荒波の中を通って来たようにも、
あっという間に走馬灯のように出来事が過ぎていったようにも思います。

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15から20歳まで、栃木の盆栽園から殆ど一歩も出ずに過ごしたあの頃、
師匠に言われて、右も左もわからない東京銀座の店へ、毎朝
6時に出て、夜9時過ぎに帰る日々。
預かった店で1日何も売れずに師匠の家へ着く前にひとり途中でため息をついたあの頃。
23年、番頭を務めて“寝ずの森前“と言われて走った思い出。
39歳で万感の想いで、無一文で独立した頃、“銀座百日戦争“と小説にまでなった銀座店。
在らん限りの挑戦の末、莫大な借金を抱えて明日すらも思えなかった日々。
私はいつの時代も多くの方々に助けられて此処に居るように思います。

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エスキューブとして盆栽業に邁進する中、出来ることを精一杯やろうと走ったこの20年。
65歳になる今、此処から自分に何が出来るのだろう?
何を残し伝えれば良いのだろう?

そんな事ばかりが頭に浮かぶ今です。

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プロとして、盆栽水石を愛する者として、足元の小さな事でも、仰ぐ夢のような事でも、
次の時代のプロ達の参考になる足跡が作れればと、拙い身で願っています❗️

でも💧体力がなくなりました😅トシですね~💦


久しぶりに長野県小布施町の鈴木伸二さん盆栽庭園に伺いました!

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お互いに60代😅
伸二さんとは朝方ゆっくりと色々はお話をして、盆栽園の方を2代目であるご子息浩章さんと散策しました。

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圧倒的な名木群❗️整然とした美しい庭園。
日々盆栽と対峙して、ほとんど愛好家の庭での仕事とこの小布施で過ごす浩章さん。

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私が初めて訪れた頃、まだ小学生だった彼が今では日本を代表する若手作家❗️
2代続けて卓越した技を持つ盆栽園はホントに少ない中、ここはまさに作家の“アトリエ“の感❗️
さり気ない片隅の飾りにも、親子の心配りが行き届いた空間は、買う買わないではなく、

“盆栽っていいなあ“と感じかせてくれる別世界❗️

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浩章さんに沿う次男の雄大さんも見事な盆栽人、2人の盆栽家を育てた伸二さんは、この日も新しいお弟子さんが2人来る事で忙しそうでした!
ここにある樹達が、いつまでもこの地で“売るのではなく観て頂く“環境が来てくれたならと、
次代の盆栽園がどうあるべきか?考える時にもなりました!

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