雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


福島県・日本盆栽協会「吾妻支部」の盆栽展が、毎年の恒例で、大型連休の3日間に開催されました。

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15名余りの会員の方々、協力される近隣の関係愛好家、そして大型作品などの搬入飾り付けなどを手伝う、出入り方のプロ達。
高齢化する支部会員の皆さんが、会場作りから手作りで行う展示!
手慣れたプロ達のお手伝いも不可欠です💦

国風展級の名木から、ご自身で何十年も作出されたものまで、幅広いのも、
その土地に根付く趣味の団体の和気あいあいとした世界ならではのものです❗️

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中には“この樹は、鉢を替えて少し作出すれば、国風展へも行ける!“と思う樹もありました!
さすが吾妻五葉松の故郷!
山採りの“将来の日本の盆栽界に大切な素材“と思うような樹も拝見できる機会です!

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業界主催の著名盆栽展に慣れている私達ですが、こんな“皆んなで手作りで開く展示会“、ずっと続けて欲しいですね❗️
1・2点、譲ってくれないかな!って思う樹がありましたが、お手伝いとしての役目、
グッとこらえて“いい樹ですねー!“と眺めていました💧


誰も居ない中での、盆栽と向き合う時間の素晴らしさ‼️

遅々として進まない、植替えや樹の手入れ💦 
季節が移る中でどこまで今年の作業が出来るかの闘いが続いています。
そんな中、
“会長、昼間は来客や水掛け、他の事多く、中々本気の手入れが進みません。良ければ亭を締めてから夜やりましょう“
と具申してくれて、さあ!盆栽屋らしく、植替え手入れの特別の時間が始まることになりました❗️

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作り途中の黒松、差枝に力を乗せる為の、徒長枝の“伏せ込み“針金かけ、
カチカチの状態の大型松柏、
3時間で4本の手入れが終わりました。

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私がこうして若いもの達と、手入れの時間を共にする機会も少なくなりました💧
仕事を進めながら、“なぜこうしているのか? なぜこの鉢に入れて、この観付き角度になるのか?“
実践を一緒に進めながら、そんな話をしていることが、彼らにとっても勉強になってくれればと願いながらの、大切な時間の共有でした。

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大型連休の間は、羽生雨竹亭も「春の観照会」 道路も渋滞するので、1年で1番長く在園する時です。この間、参加出来るスタッフと日々こんな時間を過ごしたいと思います。
ただ、1日目の次の朝、さすがに朝7時から、この夜間作業21時まで、体がバキバキでした💦
“寄る年並み“には勝てません💧 
でも何も考えず、樹と若者と共にする時間は最高です‼️


2月末頃から毎年、“植替えの季節💦“と、本庭2000坪、培養場2000坪を埋め尽くす、盆栽達の手入れに追われる春が間もなく過ぎていきます。

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“無尽蔵“かと思う程の雑木盆栽から始まり、遅れ気味の五葉松へ💧
そこへ外からお客様からの依頼の植替え💦
長く植え替えていなかった樹、根が張って鉢を割ってしまった樹、まるで救命病棟のような手入れ小屋💦
春の手入れの季節は、盆栽業には朝も夜もありません。
しかし、雨竹亭のように、会社組織になっていれば、休日も超過残業に対する厳しい考え方も存在してしまいます。

季節と時間は待ってくれません💧
その中で、“この季節にしか出来ない手入れを進める“

勿論、お客様の応対・仕入れや交渉事など、他用で留守もあります。

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鋏を持って、樹に対峙している時は、何も考えずに向き合っている自分が居て、
“ああ、こんな時間が一番だ“と感じてしまいます。
やりたい手入れ、やりきれない手入れ、やむを得ず今年を飛ばして、やり過ごす樹。
私達盆栽業は、盆栽に支えられ、愛好家に支えられるもの!
お金持ちの扱いだけしていれば商売としてはいいかもしれないけど、樹に貴賎はありません❗️
体力がなくなったな!と感じます。
“明日は夜明けから頑張ろう“とすれば、
翌朝が体が言う事を訊きません(笑💦)
でも、どんなにキツくても、盆栽と生きてゆくのが、私達の生き方なのは変わりません。

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毎日が良い天気でありますように❗️
忙しい時は雨がしっかり降りますように❗️

わがままですね💧
さて、腰に鋏を差してもうひと頑張りです💦


【大徳寺・霧煙る4月⁈ 藤に青葉のモミジ!足早の季節の移ろい】


連休前、藤の盆栽が芳春院盆栽庭園を彩っています。


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陽の光に透けるように美しいモミジの新緑。

目に青葉・山ほととぎす・初鰹には、1ヶ月も早い潤湿な霧雨が庭園を潤しています。

桜の狂乱が、あっていう間に過ぎたと思えば、ひとっ飛びで青葉の世界へ!


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日本の季節の移ろいも、何だか私達が小僧の頃だった50年前とは少し違ってきたように思います。

それでも、やっぱり新緑はいいですね❗️

ここから命の芽生えが動き出して、旺盛な緑の季節へ向かう。

歳を重ねると、植物の繰り返す輪廻のような命の営みに、心を奪われます。

それでも、芽摘みだ!透かし込みだ!一位や真柏の植替えだ!“ 💦💦💦

4月があと2週間余計に欲しいです💧


五葉松の植替えの最適期を待って、3年間、唯々樹勢の回復を待った樹を植え替えました❗️
友人の盆栽園に訪れた時、庭の片隅に木箱に植えられた状態で、
プロの言う“半枯れ“の姿の左右が2m近い“パラパラ“の五葉松がありました。

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よく見れば、なんと1本の“根連り“の山採り樹でした!
細身の連々とした黄ばんだこの樹、
“売り物にはならない大きさだけど、生きてくれれば他には無い景色がある唯一の樹❗️“ と思って、譲ってもらって3年。

木箱は半分朽ちてきたけれど、広い非公開培養場の片隅にこの子が居た3年は、
自然界でどのように生きれば、こんな根の状態から幹や枝が生い立つものか?
と生きる力の凄さを感じる程に、その樹勢は回復しました。
樹は自分の命を自分で蘇生させるものなんだと実感しました。

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満を持して、この子の為に探しておいた、幅218㎝の平石(正確には人の手によって作られた平石)に穴を開けて、
木箱を外して、大切な根をそっとほぐして、植え付けてみました❗️

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おそらく深山で倒れた幹に残された枝が幹となり、さながらひとつの松林を描くようになった、
“自然が創り上げた“姿そのままの景色ある作品となりました。

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ここから何年かかるか?わかりませんが、
いつかは人が眼を留める“唯一の樹“になる事を祈って、一緒に歩み始めたいと思います。

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