雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


日本盆栽協同組合本部の“流通の要“・「水曜会」
年に数度の大会などになれば、1回の出来高5000~8000万の業界主軸の会。
定例会の夏場となれば、海外の参加者も入場許可はなく、日本の盆栽人達の競合いになります。

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仕立て中の素材から、国風展出品の経歴を持つ名樹まで、幅広い盆栽達が、僅か数秒で競り落とされてゆきます。
普段より交流深い“仲間達“ですが、私を含めて“年季を踏んだ“ プロ中のプロ達。
流石にちょっと気になる樹が出ると、競人が10万とひと声かけた瞬間に、“15・20・25・35❗️“と競り上がります。
国際的な相場の動向が、為替のように日々刻々と変化する市場。
一喜一憂は日常茶飯事、今日の買付品を明日の地方の交換会に出品する人、家に持ち帰って、自分らしくじっくり作り込む人。
其々がそれぞれの“想い“を抱いての会。

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それでも、プロ中のプロが集う中央の会は、みんな何処か商売とは別に、盆栽が好きで好きで仕方がない連中❗️
かく言う私もそのひとり💦
いつ来ても、何かに出会う“ワクワクする気持ち“は、変わりませんね‼️


7月とは言え、まだ梅雨も明けない中、曇天から晴れの日となると、羽生は連日36~38度の気温💧
朝の水掛けも、“早過ぎれば日中乾き過ぎ“があり、遅くかければ、蒸れてしまう💧

夕水を樹の頭からシャワーのようにかけて、周辺全体の温度を下げるなど、
ここから2ヶ月以上、暑さの中で盆栽達を守る事に、多くの時間を割く毎日が続きます。

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木陰に設置してある温度計も、午後は38度💦
“梅雨の明け際“と予定している各所の遮光設備も、少し“前倒し“で始まらないと、と思案するこの頃です。
そんな酷暑の中でも、盆栽達は必死に生きています。

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暑さに耐えて早く秋を迎えてほしいと願いますが、気を付けないと、頑張った夏のあと、
突然に樹が劣化する事が昨年もありました!
松柏類すらものによっては木陰に避難する近年の夏❗️

人も盆栽も、頑張って乗り切って‼️


毎年依頼されて伺う、羽生市南小学校6年生への文化講座「盆栽」❗️
今年も体育館で子供達と楽しい2時間を過ごしました。

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太幹の五葉松・山採り舎利幹の真柏・楓の寄植え・そして小品盆栽。
小さな鉢の中に生きる盆栽達には、愛情を持って“寄り添う“人の心“が何よりも大切な事を伝えています。
短い時間の中で、“盆栽と同じように、人も1人では生きられない、誰もが周りに支えられている“事、
自分が今生きている環境がどれだけ恵まれているか? 
そんな事を穢れない子達の瞳を見ながら伝えています。


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数百年の樹齢の真柏を驚きをもって見つめる子達!
いつかは大人になって、生きると言う命への想いに形を替えて感じる頃、
1%の人がこの趣味を楽しんでくれる、“何処かにしまってあった記憶“の扉を開けてくれる事を密かに願っている私です❗️


一昨年の秋、羽生に突然吹き荒れた強風。
夜半まで轟音を立てた風は朝には止んでいました。
スタッフ全員で盆栽を守る為、縛り込み、室内取込みなどに努めた前日でした。

明けた朝、庭内を見回った時、“あれ“と思う杭棒ひとつ。

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腰高の舎利幹美しい真柏が、根元から折れ、かろうじて“首の皮一枚“の状態で、水吸い部分が裂けてなお繋がっていました💧
至急の鉄筋支えで、深鉢に入れて安定させ、そこから半年。
果たしてどうなるものか?名匠木村正彦先生に、その“命“を委ねました。

先日、つまりそこから一年後、この真柏は、まったく別の盆栽のようになって、羽生へ帰って来ました❗️

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“どのような施術だったのだろうか?“ 中型に仕立てられた姿からは、あの痛ましい時は想像できません。
先生にその内容を尋ねても、

“まあ、できる事をしただけだよ、あとはもう元気だから大丈夫だよ“のお言葉。
失われたかけた100年を超える命が、まるで生まれ変わったかのように、蘇りました。
ここからこの樹の新しい刻が始まります。
おそらく自然界でもこんな事が起きているのでしょうね。
木村先生がよく仰る、
“私はその樹が100年で一度位に遭う災難を与えているんだよ“
という言葉が心に深く浮かびました。
先生!ありがとうございました‼️


※本樹の現在の詳細写真は雨竹亭オンラインショップでご確認いただけます
雨竹亭オンラインショップ
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【徳を高めた末の“変わらぬ平易な姿“❗️頭が下がる芳春院和尚様‼️】

大徳寺・芳春院盆栽庭園、第二次庭園拡張工事が始まる中、初期着工から4年!
在りし日のバックヤードは、日々その姿を変えて行きます。

先日、大徳寺にお伺いした際、8時に庭園に行くと、誰か庭の草取りをしていました?
誰だろう?と思えば、なんと和尚様でした❗️

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修行道場で、二十代から四十近くまで、近年の最長の修行をされた名僧。
一昨年まで、臨済宗大徳寺派の宗務総長を務められた高僧。
76歳となられる中、“和尚様、私達がやりますから💦“とお伝えしても、
“気にしないで、暑くなったら止めるから“と、汗をかかれながら、黙々と草取りをなさる姿💧

三十年近いお付き合いを頂き、公私共に尊敬する人格者。
どんな時も、どのような方にも、同じ態度での応対。
感情的に怒ったりした事を見た事がありません。
それでいて、質実剛健!質素倹約!
和尚様に見栄や驕りなど、縁の無いものに思います。
いつもお優しい方、今までもどれ程の事を、語らずとも教えていただいた事でしょう。
今朝のお姿も頭が下がりました。

第二次庭園拡張工事が始まりました。

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長くお世話になった小屋も、あっという間に更地になり、“ここはこんなに広かったんだ!“と、びっくりする大きさです。
和尚様より11歳も年下の私💦 

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年だなんて言えません💧
出来る事を頑張ろうと思います。

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