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盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

【禅林盆栽庭園に降る雪!静寂の“白の世界“‼️】

新年、まだ“松の内“とされる10日、京都北部にあるこの「大徳寺芳春院盆栽庭園」は、朝から雪景色となりました!

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日本海側の厳しい冬型気候が、北山を越えて来ることは、この季節の日常ですが、降り積もる雪となれば、ひと冬に2~3回ほどです。
朝、まだ誰も歩いていない大徳寺、石畳も白い一筋の帯のようです。

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盆栽庭園も雪帽子を被った盆栽達と、真っ白に埋め尽くされた敷砂利の面。
普段でも静かな庭は、雪のカーテンで音が消え、静寂が際立っていました!

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そんな中でも、この庭に訪れてくださる内外の方々、ありがたいものです。

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年を越して、“名残の実“をまだ付けてくれている山柿、
枝々に積もる雪の間に、間もなく咲く深紅の花蕾を見せてくれる貴重盆栽の長寿梅。
“たった一つの姫林檎“「紅姫」は、褪せない実色に雪帽子を被った、“唯一の景色“を楽しませてくれています。

読経・鐘の音・座禅堂から聞こえる警策の音。
この季節があるからこそ、春が来ます。


1月10日、大徳寺への新年のご挨拶を兼ねて、初めて「雅風展」を見学に行きました!

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小品盆栽の世界は、門外漢の私ですが、展示されている樹々、売店の秀品、どれを見ても素晴らしいものばかり!
併せて、小鉢作家や名品盆器の展示だけでも、ひとつの展覧会を見ているようでした❗️

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普段から交流のあるプロの方々、初めてお会いする方々。 
同じ盆栽界でも、いろいろ違うものだなあ、と勉強になりました。

私が40年前、銀座三越で“小さな盆栽“を商っていた頃と比べれば、その規模、愛好家の層、共に世界レベルになってるように思います。
ただ、むかし、小品盆栽というもので、先輩達から教わった
“手のひらに乗る程度の中に、数十年の持込みと、ひと枝で樹相を表すもの“という世界から、
大型盆栽に求める樹姿が重要視されているように思いました。

勿論、私達プロは、愛好家の方々のご要望に則して変化してゆくもの。
“これは大変な手入れと管理の世界だ“が私の率直な感想でした。

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それでも、会場内の企画展示やイベントなどの豊かさ❗️
長年この展覧に携わって来られた業界の皆さんの汗と苦労の足跡を感じます❗️

海外の方々が、多くの来場者の半数近い事も、今まで小品界が、弛まぬ活動を繰り広げた証だと思います。
それでも・・やっぱり私は人間が大雑把なのか!
大きい盆栽に心が寄ってしまいます💦

なんでも勉強ですね‼️


新年の恒例、羽生雨竹亭の「新春盆栽展」が始まりました!

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盆栽業は愛好家の皆様に支えられてのもの。
毎年松の内に庭内を開放して、皆様をお迎えする展覧をしています。

応接展示は勿論のこと、盆栽庭園や展示室など、色とりどりの盆栽・水石・掛軸・卓・添景・等々、
観て楽しく、お求めやすい価格表示で、多くの来園される皆様に喜んで頂いています。

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今年もここから多くの“出会い“をいただきながら、国風展・新緑・水石展など、羽生のみならず、各所でのイベントで精進に努めてまいります!
高額な名品に注目が集まりがちですが、数万円の味わいのある雅味のある樹など、
そこに込められた風趣は、眺めれば観者を遠い大自然に連れて行ってくれます。

1万円ほどの水石でも、凝視すれば、松風や潮音も感じられるのです!
そんな盆栽世界に少しでもお役に立つ事を今年も頑張りたいと思います。
宜しくお願いします🤲


世の中が歳末から新春へと、日常とは違う生活に入る中でも、
木村正彦先生の所では、いつもと変わらぬ盆栽との日々が続いています。
大晦日も新年も、この季節は国風展の出品選考予定の手入れ(何と45点❗️)にも、余念がありません。

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既に準備を終えている樹達を毎日見廻り、僅かでも仕上げに修正点があれば、すぐに弟子達と手直しをする。
そんな毎年を半世紀以上続けられています。

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その事を問えば、
“私は盆栽だけが生きる道、一年毎日、盆栽から心を離した時はありません。これを日々続けている事が、私の毎日なのです“
と、いとも当たり前のように仰います。

昨今は、盆栽の修行をする若者達にも、年末年始の休暇をまず考えて、仕事のスケジュールを作るようになりました。
私も先生も“昭和の人間“💦 
小僧という時代を経て来た者にとって、修行中の自分に、“私“と言う文字と考えは存在しなかったのです。

時代も変わり、盆栽を“仕事“として、就職する人達が出てきた事は、有難いことでもあるのですが、
給料や待遇と言う、“社会が自分を守ってくれる世界“ として盆栽の経験時代を捉えている事が、
本当の意味で、プロへの道として、より良い経験が積めるものか?疑問もあります。
結局、盆栽人とは、まずは“大好き“があってこそのように思うのです。

他の事を投げてでも、好きな盆栽を突き詰めたい!一番上まで行ってみたい!
こんな夢を見るからこそ、いつの間にか、ホンモノの世界が身に付いているのではないでしょうか❗️

次代への見えない“憂い“を思うのも、年寄りの何とかですかね💦
私は、木村先生の生き方を仰ぎ続けたいと思っています。


新しき佳き年を心よりお慶び申し上げます。
今年も羽生を中心に、銀座店・大徳寺芳春院庭園・Webサイト・レンタル展示、
そして国風展や大観展、今年は大阪万博もあります。
盆栽水石の研鑽団体「玄虹会」の活動、財団法人「慶雲庵」へのお手伝い、水石協会と組合💦
言い出せばキリがないくらいの仕事が待っています😅

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新年の羽生雨竹亭の応接室の飾りは、“常盤の翠!末に広がり、御用(五葉)を待つ(松)“のなぞらえで、貴重盆栽の五葉松根連りを飾りました❗️
掛物は明治の大家、今尾景年の「波浪の日輪」脇には四海に囲まれた“日の本“の景色、海浜の景としました❗️

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今年は「甲辰」の巳年。
甲は堅い殻を破って、革新に打って出る意味があります。

春には66歳になりますが、盆栽と水石を通して、更に“その先にあるもの“を見つめて挑戦する年にしたいと思っています。

YouTubeで始めた「WABI CHANNEL」も、毎週土曜日の夜の更新💦 
録画・編集と大変ですが、海外を含めて、3万人以上の方々が楽しんで下さるまでになりました‼️

皆さんも是非ご覧になってみてください❗️

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