雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴50年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


5年ぶりのエスキューブ『立春盆栽大市』は、喜怒哀楽の思い出全部を詰めた、同館2階のブースに戻りました❗️

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低層の台からスタッフが図面を起こして資材を準備!
今というエスキューブの時を、いらっしゃるお客様達にどれだけお伝えできるか?そんな想いを込めたラインナップと構成。
特に圧倒的な中国購買力から、欧米を含めた世界共通の来場となった今回。
私達は驚愕の名品という枠を捨てて、日本盆栽水石界が求める審美を中心とした樹や石、
その道具類を観て頂く展示構成の視点に主力をおいて取りかかりました。

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“囲い込み“と言うエスキューブ独立型のブース設計、ひとつひとつの盆栽や鉢が、じっと静かに眺められる展示と配置。
“ああ、やっとウチらしい場所に帰って来た“と思いました。

寒風吹く中、観る方も迎える店々もほんとうに大変💧
去年までの1階でのブースを思えば、さながら、“本丸と野戦場“といったところでしょうか❗️
“ウチが提供できるウチらしい売店“ 
なんとなく描いていたものが納得いくものになってきました‼️
“観て楽しむ売店“  どうぞご覧下さい‼️‼️


第99回国風盆栽展に併せて、私達盆栽業界の本拠地「上野グリーン倶楽部」で、同時開催の『立春盆栽大市』が始まりました❗️

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コロナ禍で長年ブースを設けていた倶楽部内2階の、巨大展示販売会場が使えなくなって5年💦 
久しぶりにこの場所に戻っての大市を迎えました❗️

盆栽のみならず、水石・盆器・諸道具も多いエスキューブは、やっぱり室内展示の方が、その本領が発揮出来ます‼️ 

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エスキューブとして初めてこの2階に大型ブースを開いてもう20年近く。
羽生の若きスタッフ達も、この仕様を初めて観る者が半数になりました。

“家に帰って来た“  そんな感じで、まだ売ってもいないのに、勝手に満足している自分に苦笑いしてしまいます❗️


2月8日より開催される『第99回国風盆栽展』
これに併催される上野グリーン倶楽部「立春盆栽大市」は、盆栽界最大最上質のイベント売店です。

私共プロは、“国風展が終わって初めてホントの正月が来る“と言われるほどに、慌しい日々が続いています。

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コロナ禍の後、久しぶりの本来のブース場所、倶楽部2階に最大ブースを設けての開催に向けて、
展示作品(盆栽・水石・古鉢・水盤・諸道具)を、盆栽は“お見合い“をさせる気持ちで展示並みの手入れ💦 

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水石や古鉢は、約2,000点の収蔵庫から選出しての拭き掃除💦 
番犬の“ウメちゃん“にも“猫の手“ならず、“犬の手“も借りたいくらいです‼️

それでも、エスキューブ「雨竹亭」らしいブースを作れればと、
盆栽作家の森山さんにも応援をお願いして、中国からの研修生の陳君も参加❗️

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来場される皆さんに喜んで頂けるブースになるよう、まずは一所懸命💦手入れ❗️手入れ❗️


【次代を占う“創作盆栽“!タヌキというなかれ‼️】

各地での式典を終えて、木村先生と常州の王さんの庭(2万5千坪❗️)を散策しました。
約3,000点の大型盆栽が、散策路に点在する庭!
その一角にまるで何処かの厳しい自然世界を見る様な場所がありました。

よく見れば、仕立て中の真柏の素材群❗️

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天然の舎利芸の素晴らしさは、“これは仕上げたら素晴らしい盆栽になる!“と、その舎利群の中へ分け入ってみると、
何と!そこにある真柏はすべて、“創作作品“  つまり枯れた真柏の舎利に溝を掘って苗木の真柏を入れ、3~5年の歳月を過ごしたものでした。

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日本では“タヌキ“と言われて、低い評価で扱われてきたものです。
しかし、時代と言うものは、その時の社会の価値観を作っていくもので、
最近は完成度の高い“タヌキ“作品の真柏が、プロのオークション(例えば、業界中央の水曜会・羽生の天地会など、有力オークション)でも、
30~40万と言う落札が起きはじめています!

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王さんは、
“高額な山採り真柏でも、舎利芸のつまらないものを数十万で買うなら、若木の根の強い創作品を、真実を伝えて紹介するのも現代の盆栽界“
と言います。

まさにその通りだと思います。
私が修業時代、今は国風展に数多く出品される宮島五葉、通称“大阪松“など、“接ぎ五葉など国風展に持ってきて“と蔑視されたものです。
また、真柏なども、今は国風展出品の過半数が、糸魚川真柏の枝接ぎで完成したものですが、
当時は“本性“と言って、キチンとした山採り真柏のまま出ないと、“枝接ぎか“と一段低く見られたものでした。
勿論、創作の真柏が国風展とは一概にいかないと思いますが、自然界からの素材入手が困難な今、
この様な技術で楽しめる盆栽に対しての理解と正当な価値評価が生まれてくる事は、とても良い事だと思います。

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天然素材を手に入れる事だけでも高額な真柏。
若い資力がまだ乏しい盆栽人でも、自分の技量と目筋で作れる作品。
タヌキと言うなかれ❗️
次代の創作盆栽‼️


1月20日・上野グリーン倶楽部で、第99回の国風盆栽展の選考審査会が行われました。
全国から300点を超える名樹達が、“晴れの舞台“への出品を競う、盆栽界最上の競演。
私達“扱い業者“は、自分のお客様の盆栽が入選するか?落選するか?毎年一喜一憂の時です。

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エスキューブ雨竹亭は、毎年木村正彦先生のチームと合同で指導を受けながら挑んでいます。
半年以上前から出品予定を考えて、12月初旬には、最終手入れと鉢合わせ。

季節を違えた植替え(仮ほどき)の為、その後は防寒設備での保護管理💦
それでも、雨竹亭からの14点は全品が入選‼️

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この結果は、今までの苦労が消し飛びます。
木村先生チームとの合計で40点を超える応募。
審査搬入も羽生から大型トラックとハイエース、先生のお弟子さんである森山義彦さんの車両、そして先生の所のトラック💦

19日搬入、20日の審査、21日の図録撮影から保護室への戻し、そして前期後期に分けてのここからの管理💦 

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国風展はお客様にとっても“夢の舞台“ 、私達“裏方“が大変なのは当たり前。
それでも、始まりから終了まで、グリーン倶楽部と美術館を6往復!
スタッフも事故なく、最終的に盆栽をお戻しするまで、気は抜けません‼️

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