雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

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【1000点越えの古鉢・水石・卓】

年末の大掃除が始まりました!
天気の良い日、諸道具収蔵庫(別名 高木倉庫・以前 旧高木美術館コレクションを収蔵する為に作った名残です)
を1回全部出しての大仕事です。

"こんなに在庫あるんだ??"
と自分でもびっくりするくらいの量。
1年間良品を求めて買い続けるとこんなになるモノかと、あらためて感じました。
新年よりのお客様をお迎えする時、雨竹亭の倉庫をご覧になる方が、
しまったままの古作名品を見やすい形でご覧頂く毎年恒例の"大棚飾り替え"です。
私たち自身もしまいっぱなしにしておいた鉢や水石、
そして展示会用の卓など、あらためて目で確認する機会としています。
年明けにお越し頂いて、この蔵に"こもって"1日楽しんで頂くのもよろしいかと???


【展覧会未公開の真柏名樹・日輪画幅・大鷹】

歳の始めに皆様にお届けする年賀のご挨拶状。

来年は酉年、双龍を想わせる真柏は私の所で14年の年月を過ごし、
ようやく盆栽らしくなってきた"将来の名樹"です。
昇りゆく龍は希望や道そのもの、円山応震の日輪の図は、
床勝手にあった画中右手描き、脇床にはやや大きめですが干支に因んで大鷹の鋳銅作品。
昇る日の出に向かって羽ばたく鷹、神格化された真柏老樹。
新年の格調と「大和の盆栽美」を構成してみました。


応接室はこの季節、青葉の「緑陰」を想わせる盆栽がメインになりがちです。
春先に古渡の鉢に植え替えておいた五葉松が少し落ち着いてきたので、
石と書の組み合わせで飾ってみました。

サバ幹の屈曲懸垂するこの五葉松は中型サイズの名品として未公開の一作です。
添えた石はまるでこの五葉松を仰ぐ様な姿の「老師」や「観音」に見立てました。 
額装の書は明治初の"御前会議の列席者のひとり「中山信天翁」"による"自在天"
(自ずから天に在り・始めから天命によってすべては動いている・など解釈は様々)。
やっぱり松柏盆栽の古木の存在感は格別ですね!


陽春ゴールデンウィーク恒例の盆栽観賞会が始まりました!

東北道 羽生インター直近にある雨竹亭は、アクセスが良いことでも愛好家に好評ですが、
大渋滞を起こす連休中は日程と時間を考えないとお誘いしづらい面もあります。
この季節は、草花や水石など、心に和む優しい自然がいいですね。


もみじ・カエデ・ソロ・いわしで・花梨・等々、
春の"芽出し"の美しさは自然界が創り出す色彩のハーモニーのようです!  
これが見ているだけなら、こんなに綺麗で心に沁みる彩りはないのですが、
毎日"芽摘み"や徒長芽が出ないように3000坪の盆栽庭園の中を"万歩計"が要らないくらい歩いています!

「今日やってしまおう!」という仕事ではなく、日々少しずつ成長する植物達に対しては、
"今"をきちんと見てあげないといけません。

正直「猫の手も借りたい」この季節ですが、雨竹亭は呑気な番犬達しかいません!

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