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盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:真柏

先日の“久々に震えた逸材”を早速鉢合わせしました。

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“線”の美しさと足造りなどに見られる“研ぎ澄まされた程よい緊張感を併せ持つ
100年前の日本鉢を選びました。

意識としては室町時代水墨画に表現される“線”と僅かな枝の葉組みで生きる姿に,
真柏盆栽に最も大切な「気韻生動」の美を現出したいと思いました。

私は昭和の戦後生まれですが、明治大正昭和前期に育まれた日本の盆栽“美学”にこそ、
未来永劫に続く大切なものがあると確信しています。


どうぞ羽生にこの子に逢いにいらして下さい。


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友人の盆栽家の所で愛好家が長い間秘蔵していた真柏を“強引”に譲ってもらいました。

幹芸、舎利味、間調子すべてに「真柏の美」を見事に表現している樹です! !

これだけいい素材を見ると「鉢合わせ」をしてみたくなります。
結構難しいけど、やりがいがあります。

2、3日推敲させて頂きます。

どんな鉢合わせになるか、お楽しみに!

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入社6年となる白石君は私のアシスタントの仕事を含めてオールマイティーに仕事をしています。

顔に似合わず⁉盆栽の方はどちらかというと繊細なお洒落なものがあっている様です。

今日は細身の中に山取りの厳しさを潜ます真柏の整姿に没頭していましたが、柄にもなく!
私のカメラにはにかみ笑いをしていました。

あばれて“見捨てられた”ような樹もその樹の持つ“見所”を捉えて鉢合わせをすれば……

ちゃんと人が振り向いてくれる“美人”に生まれ変わるものです!

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さて今年の日本盆栽作風展の(新鋭若手部門)で彼がどんな作品を披露するか、

乞うご期待です‼


先日ブログでもお伝えした新潟の古老愛好家 笹川さんとの約束を守るべく、
笹川さんの挿し芽から作った真柏を2点木村正彦先生の所へ持参しました。

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先生は世の中では“世界の木村”と言われますが、30年以上のお付き合いをしている私には

「いい樹だね、ゼロから作ったなんて凄いね」

と言いながら自分の作品から比べれば苗木(ごめんなさい)に見える2点を優しい目でじっと見ていました。

「先生、愛好家の真の姿を世の中に伝えたいんです。協力してくれませんか」
と云うと

「やってみようか、森ちゃんの頼みだし」・・・

“世界の木村は盆栽と同じくゼロから盆栽と向き合ってきた人だ”
とあらためて感謝しました。


さて、笹川さんの“子供達”が

「木村マジック」

でどう変わるか、変貌した姿をまたお届けします。
 

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