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盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:真柏


【鈴木伸二氏から15年の時を経て木村正彦先生へ】

真柏名樹として有名な「丹頂の舞」が私のもとへ来て15年の歳月が経っています。

幾度かの"鋏作り"を繰り返し、
全体として"面で捉える姿"となっている今を更なる樹相へ変貌させる為に、
名匠木村正彦先生に協力をお願いしました。
この樹が北の大地北海道に生きた頃、
山採りから盆栽界にもたらした本郷十郎先生、
石付きの姿から現在のまさに"丹頂鶴が折り佇む姿"に導いた鈴木伸二氏、
そして今回繁茂する枝姿を空間優美の施術で更なる品格へと昇華させた木村正彦先生。
名匠達がその技によって受け継ぐ名樹は、
羽生雨竹亭で新たな刻を過ごして行きます。


【樹冠切除!角度変更!  見せかけの大樹から真柏名樹への変貌!】

昨年春、四国高砂庵から羽生雨竹亭に移動された盆栽群の中にこの樹はありました。
天然山取りの圧倒的な舎利芸はあるものの、枝葉を全体に伸ばし表面的な樹相で仕上げられていたものです。
日々共に暮らす中で、「この樹はこうありたい!」と言う答えに辿り着き、
大改作に挑むのに1年を超える時間がかかりました。
樹冠を切り落とし、右手の天然至芸の素晴らしさを魅せる
舎利芸を強調する"左流れ"の樹となるよう、施術しました。

この状態で来春まで無理せず培養に努め、
左右の舎利芸と乗り出しを浮き立たせる鉢合わせを思案したいと思っています。

うずもれた名樹を晴れの舞台へと導くのは、盆栽家のいちばん楽しい仕事です!


【その樹の個性を大切にした手入れで、飾れる作品作りを!】

ようやく針金掛けが出来る季節が近づきました。
名木や古木の改作手入れは心躍りますが、
日頃"手間仕事"的に扱う樹も、「君はどんな顔をしてるの?」
とちゃんと見つめて捉えて作業をしてあげれば、結構"いい顔"になるものです。
飾れる楽しい盆栽を送り出すのも、私達の大切な役目だと思います。
今回はスタッフに加えて、名匠木村正彦先生の所で6年の修行を終えて間もなく、
私共羽生のすぐ隣町に盆栽園を開園予定の森山義彦くんにも作品作りを協力してもらいました。
若き作家たちが、一心不乱に手入れに打ち込む姿はとても心地よいものです!


【大型真柏  改作終了!  ここからは培養の日々】

春先に手に入れた真柏素材。
名匠木村政彦先生に基本的な整姿改作をお願いして、
羽生に戻ってから鉢合わせ、植え替えをしました。
鉢は岩崎大蔵先生が中国で特注で誂えたものです。
無駄な細かい芸を取り払い、
真柏が持つ
"ごまかしの無い圧倒的な利芸" 強調した作品になったと思います。
信頼頂く愛好家様と二人三脚で3~5年、
将来の名樹を目指して培養に努めたいと思います。


【羽生南小学校の日本文化体験授業】

毎年 学校から依頼されて開いているこの授業も今年で3回目。
六年生を対象に年に1度体育館で「盆栽」の講和をしていますが、手入れや作品の事より、
命を守りながら"繋ぐ心"を伝えたいと思って、生徒たちと二時限の時を過ごしています。

200年を越える樹齢の真柏・小品盆栽、文人木・寄植えなどを持って行きましたが、
感受性豊かな子供達といると盆栽を素直に見つめていた若きあの頃の自分を思い出します。
"私に本当にこの子達に、伝えられる事があるのだろうか?"と
いつも自分の未熟さを思う時間にもなります。
そしてなんのこだわりも持たない子供達の心の美しさに感動です!

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