雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:水石


【" BONSAI" をひとりでも多くの人達に伝えたくて】

銀座雨竹庵の"夏だけ営業"の軽井沢店が今日オープンしました!

6年前に、お世話になっている方から
「軽井沢の駅前通りにある店舗を利用してほしい」とお話を頂き、
昔銀座に雨竹庵を開店させた頃と同様に、
"盆栽を少しでも広めたい"という気持ちで始めました。
銀座店の知識豊富なスタッフを派遣する訳もいかず、
見習い程度の店員で失礼しています。

軽井沢駅から旧軽へ向かってまっすぐ、
東雲(しののめ)と言う交差点まで歩いて5~7分位。
駅から向かって左側、三笠ハウスのカレーで有名なレストランの隣です。
プチ盆栽的な可愛らしい小盆栽から100年の樹齢のモダンな作風の真柏まで、
都会的なセンスの品揃えで避暑のひと時を楽しまれている皆様をお待ちしています。

ここは"東京24区"夏だけの別天地です。
東京駅から新幹線で1時間、心の洗濯をかねて遊びに来てください!


【明治神宮  神域東回廊と社務所講堂】

50年を越える歴史を持つ「日本水石名品展」が
今年も明治神宮で開催されました!
日本を代表する愛好家達による名石の数々はもちろんのこと、
添えに飾られている小さな草物がとても可愛らしく、
この殆どが出品を毎年されている世田谷区三軒茶屋の内田さんの自作の草物!
自然を愛する水石家の丹精!
脱帽です。


【都会の喧騒を忘れて  山野草・盆栽・水石  そして  アンティークの数々】

今春、池之端の老舗骨董店「呂宋・内久根」が
銀座雨竹庵  池之端店」となり、半年が経ちました。
創業70年(終戦後  開店!)の歴史を持つこの店は、
私どもの古くからの友人である現店主内久根シゲ子さんが2代目として守られていたものです。
美術骨董界に信頼厚い内久根さんが "店長"を快く引き受けてくれたので助かりました!
床の間飾りも楽しめる店内は、盆栽水石界と
骨董世界の様々な道具を楽しんで頂く「出会いの場」として
多くの皆様が内久根さんとの語らいのひと時を楽しまれています。

この間、霧煙るまさに今の季節を切り取った様な飾りをされていました。
 
室内に自然の美しさと詩情を取り入れる日本の素晴らしさを伝えたいと店主は願っています。
(店主は結構男勝りの"江戸っ子タイプです!お会いになればわかります!)

一木一草、掛軸や添景が奏でる  盆栽飾り 】

東北の大震災をきっかけに、盆栽や水石、山野草を飾って
少しでも心の癒しになればと始めた「風雅展」も六年目になりました。

今年も多くの愛好家をはじめ、小林國雄鈴木伸二、浅子隆敏、 秋山実、各内閣総理大臣賞受賞作家の皆さんも
この活動に協力出品して下さいました。
"あっ  こんな飾りの楽しみ方もあるんだ"という発見を観て頂けたら嬉しいです!


【"真柏という世界観を大切に"三位一体の構成】


私共雨竹亭の月例オークション「天地会」で2ヶ月ほど前にこの真柏を手に入れました。
当時は今の正面の真逆でした!
表裏逆転を手伝って下さったのは、名匠木村正彦先生!
行山の味の良い木瓜型に合わせて、
立上がりから天へ抜ける真柏ならではの"龍"を想わせる舎利芸が活かせたと思います。

真柏は日本の野山や自然に目にふれる所には自生していません。
"何処かで見た自然の一部"と言う他の盆栽飾りの在り方とは違い、
「塵芥届かぬ神仙が飛び交うが如き世界」を飾りの中で表現出来ればと思っています。
今回は"電力の鬼"と謳われた昭和の大茶人でもあった
松永耳庵翁の書「玄妙」を取り合わせました。
金色の台紙に墨色見事に筆されたこの書は"宇宙の根源を見つめる"
という言葉の奥深さがあります。
まさに真柏盆栽にぴったりだと思いました。
添景の水石は四国伊予地方に産する抹香石。
峻険な剣山の姿が真柏が生きる世界と合致しています。
時折、真柏に季節の草物盆栽を添えている席を見ますが、
真柏の持つ"生きるという問いかけ"に厳しさを潜ませながら響き合う取り合わせに努めたいものです。

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