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盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

タグ:日本盆栽大観展


【鈴木伸二氏、17年目の邂逅】

9月に開催される京都二条城の盆栽展示、
そして11月の同じく京都秋の恒例「日本盆栽大観展」。
この二大盆栽展に大政奉還150年を記念して、公開が決まった
第15代徳川幕府征夷大将軍 徳川慶喜家旧蔵の盆栽群。
現在の所有者(財)京都国際文化振興財団 通称「慶雲庵」の依頼を受けて、
羽生雨竹亭に保管管理してある非公開培養場に
鈴木伸二氏がお弟子さん二人と仕上げ整姿に訪れました。

この徳川慶喜家の盆栽は、17年前私が銀座の店を切り盛りしている頃、
慶喜公直孫 慶光公夫人  和子様より譲り受け、
当時見る影もなかった樹々の手入れを鈴木氏に依頼して、高木盆栽美術館に納めたものです。
転生輪廻、こうしてまた二人で時代を背負う美術館への展示に向けての取り扱いをすることになるとは、
夢にも思いませんでした。
歴史を秘めた古樹が皆様の前に登場するのはまもなくです。

【水石三種  水盤石・紋様石・姿石】

先月京都で開催された「第36回日本盆栽大観展」での水石部門受賞三石は
近年においてとてもレベル高いものでした。
水盤石は八瀬の巣立真黒、青銅地紋の中深長方という
"ウブ石を深めに受けとめながら水盤の厚さを感じさせない"絶妙な取り合わせです。
動きあるジャクレの中に想像させる深山奥深くにある岩清水の源流風景。
乗り出す右方の滝口とも取れる石相の巧みさ。
水打ちによって感得できる「景色と石と水気」が一体となって現出される
水盤石の真骨頂が見事に表現された一石です。
紋様石は下方に渋味ある紅色の石質が晩秋の古都の山景色を想わせ、
東山に天高く浮かぶ高月が清涼なる空気を石中に喚起させています。
姿石は安部川のくず屋石。
日本昔話や山里の農屋を彷彿とさせるこの石は
屋根・軒・底面・すべてが天然ウブ成りであることに驚かされます。
どっしりと重みを感じさせる屋根・僅かに見える軒中の姿。
戦前盆石趣味に名を残された高島子爵の旧蔵石です。
日本水石協会の事務局長を務める私としても、水石の発祥地京都でこの様に
内容深き水石が飾られる事をとても嬉しく思っております


【関西開催の最大盆栽展 名品と飾りの競演】

二十代前半の頃より三十年以上参加している大観展も、
今は飾りの審査「大観賞」や水石協会事務局長として「水石協会賞」などに関わるものが私の仕事となっています。
それでも出品作品の頂点を競う「内閣総理大臣賞」や「文部,農林大臣賞」は注目されます。
今回は総理大臣賞と文部大臣賞が甲乙付けがたい拮抗した作品となりました。
結局真柏が総理大臣賞、五葉松が文部科学大臣賞となりました。
私のお気に入りの展示席の数点もご紹介します。

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