タグ:掛軸
優しき盆栽飾りの名手
【老境の中に描く 季節の楽しみ】
40年のお付合いを頂く愛好家、小林二三幸様より季節の盆栽便りが届きましたので、
ご本人の了解を頂き、お紹介させて頂きます。
写真の日本建築の座敷は、小林様が大手企業の重役を退いて
写真の日本建築の座敷は、小林様が大手企業の重役を退いて
山蔦の老木が濃淡の深紅の彩りを見せる最高のタイミングです。
今回は養老に固執せず、蒔や柴を取りに来た杣人が、山中で憩うひとときの情景を物語っています。
主木を引き立て、季節の興趣を喚起させ、ものの想いを深める・・
主木を引き立て、季節の興趣を喚起させ、ものの想いを深める・・
当たり前のように設えるこの席に、小林様の熟練の"見せぬ技"が潜んでいます。
脱帽・脱帽
自宅で楽しむ日々の盆栽水石飾り
【季節を室内に取り込んで・・自己の修練!】
40年近いお付き合いをさせて頂く愛好家、
小林二三幸さんの自宅に飾られた"日常の飾り"をご紹介します。
日立製作所の常務まで歴任された小林さんは、生粋の盆栽水石愛好家。
古稀を過ぎて"自身の趣味の中で心の修練"を楽しまれています。
玄関の脇にさり気なく佐渡赤玉石の古色見事なくず屋石、
玄関の脇にさり気なく佐渡赤玉石の古色見事なくず屋石、
小振りな掛物は「月にススキ」、
季節を切り取ったかのような、訪れる人を迎えてくれる静謐な飾りです。
床の間は小林さんが盆栽水石を飾る為に数年かけて改築された「数寄屋風書院造り」。
目を脇床に向ければ木彫の「旅の僧」、三保の松原を想わせるこの席は、
旅路の僧が"人生まだまだ道半ば"を語っています。
盆栽歴半世紀に近づく小林さんの「飾らない飾り」は、
国風展などの品評会的盆栽のあり方に、一石を投じるような真の愛好家の姿勢を感じました。
9月 盆栽飾りも“秋の気配”を
梅雨明け! 「盛夏」に向けての“夏飾り”
【蝉時雨の向こうに見える荘厳な瀑布 山越え深く自然林】
朝夕の水打ちに人も盆栽も生気を取り戻す頃、盆栽の床飾も盛夏の作法。
その水は岩清水となって"水守り"と例えられるブナの原生林を育んでいます。
また、脇の水石を水盤使いではなく、台座としたことで滝の清冽さ、
"分けいっても分けいっても続く神韻響くブナの原生林に"瑞々しさ"に
"水"を感じることへの強調ができたと思います。
夏雲の向こうに変わらぬ自然の営みが見える盛夏の一席です。