【矢内 信幸翁 の 美意識と日常の中の盆栽】

先日 久しぶりに大阪箕面市の料亭「みのお茶寮」へ
20年来の得意先 矢内信幸先生の所に行って来ました。
元々はご自宅だった茶寮は、まさに矢内先生の美意識のかたまり!
自然体に造られた庭には、其処此処に盆梅の古木が点在していました。
建築や調度品など、造作のすべてが翁の凝った意識の中でまとめられ、床の間には白梅の古樹。
ここ"みのお茶寮"は、まさに「矢内ワールド」全開の世界でした!
20年前、独立間も無い私が初めて出店した「日本盆栽大観展」の売店。
そこで矢内先生に出会い、ご自宅の盆栽を拝見した時、
"関西にこんな味の効いた盆栽を理解して楽しむ方がいたのか!"
と驚きを覚えたことがつい昨日のようです。
長いお付き合いの中で、意見をぶつけたり、個展の開催をお手伝いしたり、いろんな事を教えて頂きました。
盆栽界にも料理界にも染まらず、自身の「矢内ワールド」を貫く姿は今も昔も変わりません!
約300点に及ぶ盆栽をたった一人で日常の管理手入れをし、
毎日店に訪れる方々を迎えるように各部屋に「季節の自然」を設える。
これを矢内先生は数十年続けているのです。
至福の昼食を頂いた後、退出する暖簾の脇に紅梅の古木が見送ってくれました。